フランス女性とトップレス
2009年 06月 22日初めてフランスに遊学した年の夏、ステイ先の大学生が、兄弟従姉妹たちとそれぞれのパートナーたち8人でヴァカンスを過ごしたカナリア諸島から戻った時、私の反応を伺いながら言いました。「浜辺に着くと、兄貴の彼女も従姉妹たちもみーんなトップレスになって、平気で日焼けしてたんだよ」
恋人と二人きりならともかく、従兄弟たちのいる前でトップレスになるなんて、とてもついて行けない感覚じゃ、と思った私が、「恥ずかしがってなかったの?彼女たちの彼氏は何も言わなかったの?」と聞くと、「ぜーんぜん。なんで日本人は恥ずかしがるわけ?」と返されたので、「奥ゆかしいからよ」と言うと鼻で笑われたものでした。
まだスペインが厳格なカトリック社会だった頃、女性の水着はワンピースと決まっていたのに、ビキニ姿でプールで泳ぐフランス娘二人を見つけた監視員が、「マドモワゼルたち、ここではビキニは禁止だよ。ワンピースで泳がなきゃ」と注意すると、きゃきゃっと笑った彼女たち、「いいわよ、ワンピースにするわ。で、どっちをはずしたらいいかしら?上の方?それとも下の方?」と聞き返したという小話は、実話だったりして?
もっとも、毎年夏にセーヌ川沿いに設置される仮設ビーチ:パリ・プラージュでは、トップレスは禁止だそうですね。
だんだん、庭でスッポンポンで日光浴をするマダムの存在にも驚かなった頃、コート・ダジュールに移ったら、案外海岸にトップレス女性が少ないのが意外でした。
去年の夏、海水浴が苦手な私が珍しく友人につき合ってアンティーブの浜辺に出向いた所、「胸を焼いても気にしない?」って友達が遠慮がちに聞くので、きょとんとしたら、「胸を見せたら、日本人のあなたには不快かも知れないと思って」とのこと。「大丈夫、大丈夫」と言う私に、彼女は安心したようにビキニの上を外して転がっていました。「こんなに白いままヴァカンスを迎えるわけにはいかないわ」と言いながら。
ともあれ、先週のニュースによると、今やフランス女性の8割が慎み深くなって、トップレスは恥ずかしいと感じているとか。ニースの海岸で取材されていた若い女性は、「トップレスなんて、ママたちかそれ以上の世代じゃない?」と笑っていたし、皮膚がんの危険も注目されている今、もはやトップレスは減少の一途にあるようです。「男性を魅了するのに何も全部見せる必要はありません」とアナウンサーは締めくくっていましたが、そもそもこんな話題が報道ニュースで取り上げられること自体、やっぱりフランスらしいのかも知れませんね。