あの日、愛と欲望の大地で

b0041912_0381670.jpg  素晴らしかった「21グラム」や「バブル」、そして「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」の脚本家ギジェルモ・アリアガの脚本監督作品と聞いて、やっぱり観ておきたいと思った「あの日、愛と欲望の大地で」。かなりそそられる邦題だったこともあって、今回の作品も期待していたのですが、うーむ、ちょっと地味な仕上がりでしたね。一見、何も関連がないようなエピソードを複雑に絡めては、インパクトの強い脚本に仕上げるのを得意とするギジェルモ・アリアガの新作にしては、という程度ですが。

 ポートランドの海に面した高級レストランのマネージャーとしててきぱきと仕事をこなすシルヴィア(シャーリーズ・セロン)は、しかしどこか虚無的で冷めた様子で、オフの時間は、心の乾きを持て余すかのように手軽な相手とワンナイト情事を繰り広げる毎日です。
 そんな彼女にメキシコ人カルロスが近づきます。カルロスはシルヴィアに彼女の娘という少女を会わせるため、メキシコからやって来たのでした。
 メキシコ国境に近い町で育ったシルヴィアの本名はマリアナといい、彼女の母親ジーナ(キム・ベイシンガー)は妻子あるメキシコ人ニックと草原の中のトレイラーハウスで逢瀬を重ねていました。良き父である夫と4人の子供に恵まれた母親の不倫を知って動揺し、嫌悪感を覚える思春期のマリアナ(ジェニファー・ローレンス)。
 結局、ジーナとニックは、トレイラーハウスで密会中に爆発事故で吹き飛ばされてしまいます。お陰で二人の情事は互いの遺族に知られることとなり、田舎町では格好のスキャンダルに。でも、ニックの息子サンチャゴが美しいマリアナに興味を持ったことから、若い二人はたちまち恋に落ちて行きます。
 しかし、マリアナの父親が妻の浮気相手の息子との交際を許す筈もなく、マリアナが妊娠したこともあって二人は家を出て国境を越え、メキシコに渡るのですが。。

 過去の過ちが頭から離れないため、自傷的で投げやりな私生活を送っていたシルヴィアが、突然の娘の出現で思わず過去から目をそむけるものの、やはり過去と向き合おうという姿勢に変わって行くところが良かったです。ただ、多感な思春期にマリアナが犯した重大な過ちが途中から読めてしまうので、それなら過去から逃げるばかりだったシルヴィアが、過去の行いの贖罪へと目覚めるところまできちんと描いてほしかったのにと、ちょっと残念に思います。
 でも、あの「LAコンフィデンシャル」のキム・ベイシンガーが56歳とは思えない色香で、自分を女として扱ってくれるニックとの情事に溺れる主婦を熱演していて、さすがという感じ。マリアナを演じた新人ジェニファー・ローレンスも輝いていました。またまた将来が楽しみな新人の登場ですね。

 ところで、今朝、私の電話に長々と8枚ものFAXが入ったので、何かと思ったら、どこぞの由緒正しい両家の結納の段取りをセリフや席の配置まで含めて詳細に説明したものでした。全くの宛先間違いですが、教えてあげようにもいっさい連絡先が入っていません。もしも、お心当たりの方がいらしたら、是非正しい相手先に送信し直すようお伝えください。
 しかし、「結納の儀」とあるのを一瞬、終わった筈の「納棺の儀」と読んでしまった私、それを聞いた父は「まあ同じようなものだ」と嘯いていました。亀の甲より年の功。実体験が言わせたのでしょうか?!
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by cheznono | 2009-11-08 00:50 | 映画