冷たい雨に撃て、約束の銃弾を

b0041912_1244771.jpg フランスと香港のコラボレーションによるフィルム・ノワールでジョニー・アリデイ主演、「インファナル・アフェア」のアンソニー・ウォンも出演という組合せに興味を持った「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」。フランスではメディア評がこぞって良くて、一般の感想はイマイチだったという作品です。
 男の美学とフィルム・ノワール的な銃アクションが特徴のこの映画、ジョニー・トー監督はアラン・ドロンを起用したかったのに断られたため、急遽ジョニー・アリデイに話を持って行ったとか。結果的にこれはジョニー・アリデイで正解だったのではと思いました。
 因みにジョニー・アリデイは昨年末、米国で受けた椎間板ヘルニアの手術後に昏睡状態に陥って、生死の間を彷徨い、フランス中をハラハラさせたという国民的大スター。シルヴィー・バルタンを初め5回の結婚や自殺未遂など、私生活も話題にこと欠かないロック歌手兼俳優で、昏睡事件も当初は医療ミスが引き起こした合併症による昏睡の筈だったのに、実は本人がアル中ぎみだったのが原因という噂も。
 この作品ではワンパターンな演技という辛口批評も何のその、コステロはなかなかはまり役ではないでしょうか?
 
 中国人会計士とマカオで幸せな結婚生活を送っていたアイリーン(「サガン」のシルヴィー・テスチュ)でしたが、ある日突然、三人組に自宅を襲撃され、夫と二人の子供を惨殺されてしまいます。
 自身も重傷を負ったアイリーンの元に、パリから駆けつけた父親フランシス・コステロが復讐を誓うのでした。
 アイリーンの証言を頼りに、殺し屋を探してマカオを彷徨うコステロは、偶然知り合った三人の中国人殺し屋(アンソニー・ウォン他)に娘一家の復讐を依頼します。
 復讐の報酬は、大金とコステロがシャンゼリゼで経営しているレストラン、加えてパリの屋敷。いくら孫の敵討ちとは言え、そこまで大盤振る舞いしていいものか?と思いきや、そのわけもおいおいわかって来ます。
 犯人の三人組は意外にすぐに割り出せて、誰が彼らにアイリーン一家の襲撃を命じたかもわかり、いよいよ復讐に突入。殺し屋同士が紳士的に交流したりするシーンが興味深いです。
 共に行動するうちに、復讐を依頼された三人の殺し屋とコステロの間に不思議な友情と絆が生まれ、やがて互いに命をかけて義理と人情を貫こうとする所が見ものでしょう。復讐を依頼したコステロが、ラストには依頼した殺し屋達のために報復を遂げる、といった展開が、セリフを最低限に抑えて描かれます。
 ただ、そもそも三人組にアイリーン一家の惨殺を命じた理由がいかにも弱いのが惜しい。秀逸なのは邦題で、原題の「復讐」に比べて、なんとロマンのあることか。それにしても、香港やマカオでは銃撃戦が珍しくないのでしょうか? 
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by cheznono | 2010-06-07 01:30 | 映画