ルンバ!/アイスバーグ

b0041912_1175322.jpg  パリで道化師の修行を積んだというベルギーのカップルが主演はもちろんのこと、道化師仲間と共同で脚本、演出、監督もこなした作品「ルンバ!」と「アイスバーグ」。サイレント映画の手法で作られた手作り系の2本立てはちとしんどそうだけど、フランスではどちらもとても評価が高かったので、やっぱり観ておこうと思いました。
 ベルギーのドミニク・アベルとカナダ人のフィオナ・ゴードン夫妻、共に50代とは思えないほど身のこなしが軽く、しかもパントマイムによるギャグを自ら演出しながら演技したとはすごいです。ただ、笑いのつぼは日本人とは少しずれるかも。
 二本立ては先に作られた「アイスバーグ」からで、観客の笑いはこちらの方が多かった気がしますが、私には断然「ルンバ!」の方が面白かったです。

 ブリュッセル近くの小さな町で小学校教師をしているフィオナとドム夫妻は仲睦まじく、得意のルンバを踊ることが生き甲斐。ある日、いつものようにルンバ大会で優勝して幸せいっぱいの気分で帰宅途中、路上に立つ自殺願望の男を避けようとした夫妻の車が崖に激突してしまいます。
 妻のフィオナは事故で左足を失い、夫ドムは記憶喪失に。妻の顔も思い出せないばかりか、今したことも忘れてしまう有様です。
 もうルンバを踊れないフィオナは、過去の優勝トロフィーを全て燃やしますが、その火が木製の義足に引火して、自宅が全焼。相次ぐ不運に二人は呆然とするばかり。おまけにパンを買いに出かけたドムが帰り道を忘れて迷子になり、自宅の焼け跡で待つフィオナと離れ離れになってしまい。。

 映画は、幸福で満ち足りていたカップルにこれでもかこれでもかと見舞う不幸のオンパレードを、セリフを極力抑えたパントマイム式でコミカルに綴る手法が新鮮です。(サイレント映画ファンには懐かしい面も?)
 それに、事故で完全に人生がひっくり返ってしまった二人が、悲しみに沈むことなく現実を受け入れ、流れに身を任せて次に進もうとするところが印象的で、希望さえ感じられます。
 特筆すべきは映像の中の色彩の美しさ。これは「アイスバーグ」にも共通で、目を奪われる鮮やかな色使いは、この猛暑の中で観るにはぴったりかも。
b0041912_113193.jpg 「アイスバーグ」は、ファーストフード店でマネージャーを務める女性が、店の冷凍庫に閉じ込められたことから氷の魅力に取り憑かれ、自分に無関心な家族に失望したこともあって、唐突に家出。北フランスの港町へ行って、アイスバーグを見たいと漁師にせがみます。
 妻を取り戻すべくやって来た夫と漁師と妻の奇妙な三つどもえの中、氷山に向かって船は大海原を進むのですが。。
 
 「アイスバーグ」も映像的には涼しげで真夏向きだったけど、ちょっと長過ぎ。もっと短くまとめてくれたら、中だるみなく楽しめたのにね。まあ、二本立てだからお盆にのんびり観る分に損はないでしょう。
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by cheznono | 2010-08-08 01:13 | 映画