パリでデモに参加
2010年 10月 23日で、エクサン・プロヴァンスまではノンストップの列車の中でまどろんでいると、車掌さんに起こされ、切符のチェック。寝起きでぼーッとしている私を見下したように車掌は「マダム、あなたは一等車に座っているんですよ、切符はニ等車なのに」と冷ややかに告げるではないですか。「ホームの国鉄職員の女性が、どこに座っても構いませんよ」って言うから、ここに座ったのに?と抵抗する私に車掌さん、「誰がそう言ったか知らないけど、このTGVの責任者は私です。この4両の間なら座って構わないけど、二等車の切符の人は二等車に座らないといけません」はあ?いったいどうなっているの。誰のせいで、自分が前もって予約した電車に乗れないのよ?
私は、ストでご不便ご迷惑をかけられた乗客へのせめてもの償いとして、一等車に座らせて貰っていると信じていたので、車掌の言葉にふくれっつら、しばし奮然としてしまいました。
くだんの車掌は車両の奥のお客の切符を確認しながら、何やら話し込んでいます。すると、嫌々立ち上がって車両を移ろうとした私の所に戻って来て、手を振り、「マダム、やっぱりそこに座っていて下さい」だって。車掌の態度の豹変にぽかんとした私を振り返りもせずに、さっと次の車両に消えて行きました。やれやれ。
私たちのやり取りを見ていたカップルが「こんなにガラガラなのに、当然よねえ」とニコニコしています。恐らく、奥に座っていたムッシュウが、私より遥かに論理的、理性的にストの影響で別の電車に乗ることを余儀なくされた乗客が一等車に座る正当性を主張したに違いありません。
その後、ほぼ時間通りニースに到着してほっとしたのもつかの間、ニースではバスもトラムも走ってなくて、数台のタクシーが稼ぎ時とばかりにフル回転しているだけでした。あー、本当に疲れる国。
バス停に座っていたかわいいお爺さんが「バスない、バスない」と教えてくれたので、「またストのせいですね」と言うと、「ニコラのせいだよ」とにっこり。その通り、全てニコラ・サルコジ大統領の金持ち優遇税制+年金改革のせいだわ。パリで反対デモに参加しておいて、本当に良かったわ。
フランス人の年金改革への抵抗は非常に強くて、特に大手の燃料製油所がストによる封鎖で麻痺しているため、とうとう大統領命令で警察が乗り出す事態に。政府は必死で大丈夫と言っていますが、燃料不足は深刻で、今日から約10日間のヴァカンスに突入というのに、ガソリンが足りないガソリンスタンドが続出。ニースでも一人49リットルまでしか買えません。うちの大家さんもガソリンを求めてイタリアに行って来るそうです。