スキャンダルに揺れるフランス

b0041912_1565951.jpg 今ひとつ盛り上がりに欠けたカンヌ映画祭も昨日で終わり、今週はモナコのグランプリが開幕するコートダジュール。既に日差しはすっかり夏で、ニース市内にはいかにもリゾート地ぽい気の抜けたようなムードが蔓延中です。
 フランスはこの1週間あまり、先日ニューヨークの一泊25万円というソフィテルのスイートルームで、黒人メイドさんに暴行事件を起こしたかどで逮捕された元IMFトップ、ドミニーク・ストロスカーン氏の事件で鉢をつついたような大騒ぎでした。
 国際舞台で活躍するストロスカーン氏(略してDSK)は国民的人気のある社会党のスターで、来年の大統領選で彼が立候補すれば当選間違いないと言われた人物。妻公認の女好きは有名で、現代のカサノヴァとも言われるDSK。女性の方もほおっておかないというもてぶりだったとか。事件の前夜には謎のブロンド美女と食事する姿が目撃されています。
 フランスよりも遥かに性犯罪に厳しい米国では、とんでもない変質者とか倒錯者、金と権力に溺れて何をしても良いと思っている傲慢さ、などという報道も目立ったそうですが、フランスではDSKが誰かの陰謀にはまったのでは?という見方も少なくありません。
 経済財政部門で辣腕をふるい、女性にも不自由しなかった筈のDSKが、果たして昼間の1時過ぎ、娘とのランチの約束の直前に、部屋の掃除に来たメイドにいきなり淫行を強要して、襲ったものかどうか。
 私の周りの女性陣は、「権力欲の強い男は女性に対しても横暴でどうしようもない」という厳しい意見が殆どの反面、どうも男性の方が「いくら何でも考えにくい」という感想が多いような。。

 そんな中、祖父の莫大な遺産を相続したため大金持ちの元キャスターの奥さんアン・サンクレールは全面的にDSKを支援。1億円近い保釈金+4億円の保証金や警備の費用、滞在用のアパルトマンなどは奥さんが出資したため、度重なる不倫や艶聞にもかかわらず、夫を支援し続ける姿が、ピューリタニズムを建前にするアメリカ人にはことさら奇妙に映るようです。
 推定被害者のメイドさんは、ショックで震えが止まらず、大変なトラウマを抱えているため、厳重にかくまわれていますが、事件後すぐに彼女から「ひどい目に合った」という電話を受けたという兄弟を名乗る男性は、実は男友達で血縁関係はなかったなど、謎は深まるばかり。 
 弁護側は私立探偵を雇って被害者の周りを洗っている最中で、当日、スイートルームで起きたことは同意に基づく行為だったということを証明する戦略に出る模様です。
 一方、支持が20%を切り、来年の大統領選の再選が危ぶまれていたサルコジ現大統領は、最大のライバルが失脚した上に、歌手兼女優の奥さんカーラ・ブルーニが懐妊(双子の噂も)したため、今後は理想のパパ像を全面に打ち出して、人気挽回を図るのでは?との見方が濃厚。
 もしかして、誰かがメイドに大金を払ったのか、それとも本当にストロスカーンが色魔と化したのか?ハリウッド映画を地で行くような成行きに、フランス中が息を飲んで経過を見つめています。

 写真は《美術館の夜》の日のアンティーブ、グリマルディ城のピカソ美術館。7年前にジャック・ラング文化相によって創設されたこのイベント、フランス中の主立った美術館が夕方6時からタダで解放され、この日は特別に10時過ぎまで開館されます。
 欧州メディアの統計によると、18歳〜49歳までの首都圏在住の日本人のうち、一度も美術館や博物館、劇場に足を運んだことのない人がなんと42%も。人口が多いから難しいかもしれないけれど、文化省も思い切って《美術館の夜》のようなイベントを企画してくれれば、もっと美術館が身近になるかと思うのですが。  
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by cheznono | 2011-05-24 01:58 | 不思議の国フランス