恍惚:ナタリー

b0041912_17482582.jpg 2004年は「恍惚」を観て幕を閉めました。その昔トリュフォーの「隣の女」で、情熱を再燃させてしまったため悲劇に突入するかつての恋人同士を演じたファニー・アルダンとジェラール・ドパルデューが、今回はけだるい中年夫婦となって、妻が夫の知られざる一面を自分の差し向けた娼婦のエマニュエル・ベアールに報告させるという内容です。
 でも、豪華キャストによる官能的で危険な愛の物語というコピーにだまされたかも(笑)。何十年も生活を共にし今は会話も少なくなった二人が、夫の浮気の発覚により関係を見直すというテーマは月並みだから、斬新な切り口にしたいという試みはともかく、会員制クラブの女性に夫を誘惑させベッドシーンを逐一報告させるという妻の心理には全然共感できませんでした。夫を愛しているから、失いたくないからこういうこと思いついたのか、それとも意地やプライドのため、あるいは自分のアイデンティティのためか何かかがわからなかったし、夫に女性を差し向ける妻の心の葛藤も充分こちらに伝わって来なかったからだと思います。むしろ、アンリ2世の正妻カトリーヌ・ド・メディシスが、夫が20歳も年上のディアンヌ夫人を寵愛し続けることに悲しみ、二人の寝室の天井部分の床に穴を開けさせて上から様子を覗き見たという逸話を思い出し、ちょっと苦笑してしまったのでした。 http://www.wisepolicy.com/nathalie/
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by cheznono | 2005-01-02 18:02 | 映画