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ゴッホのサン・レミ

ゴッホのサン・レミ_b0041912_0365781.jpg アビニョンからレ・ボーに向かうオリーブ街道の途中にあるサン・レミ・ド・プロヴァンスは、糸杉の点々と立つのどかな町で、いかにもプロヴァンスの田舎町という雰囲気が味わえます。ある日曜日、本当は終点のレ・ボーに行くはずが、今日は秋祭りで牛の群れが道路をふさぐから、サン・レミ止まりだよと言われ、急遽予定変更してサン・レミ訪問となりました。しかし、バスを降りた時は、こんなど田舎でどうする?と思ったくらい、素朴な原風景に驚きました。趣のある旧市街もあっという間に終わってしまう小ささです。ゴッホのサン・レミ_b0041912_137187.jpg アルピーユ山脈のふもと、糸杉やオリーブが好き勝手に自生し、ローマ遺跡が散らばる風景はゴッホのいた19世紀から変わってないのではと思えるサン・レミ。アルルでゴーギャンと口論の末に耳を切り落とした後、しばらくしてゴッホはこの町の病院(旧サン・ポール・ド・モーゾール修道院)で療養します。入院とは言え、ここでの1年間に150点もの作品を描いたというからすごいエネルギーですね。ゴッホは他の印象派の画家と同様、新しい表現方法を浮世絵の中に模索していて、日本には強い憧れを持っていました。貧困と狂気に苦しむゴッホを支え続けた弟テオに宛てた手紙の中にある、「君は日本の小物を送ってくれたというが、そんな物は僕には必要ないんだよ、僕はここアルルにいても窓の向こうには日本を感じているんだから。」というような一節には胸を打たれます。この兄弟の書簡を思い出しながら、ゴッホの元病室を見学しました。ゴッホがプロヴァンスで窓の向こう側に見ていた日本とは、いったいどんな国だったのでしょう。 http://www.saintremy-de-provence.com
(写真は旧修道院のゴッホの病室と絵画アルルの部屋)
by cheznono | 2005-01-08 01:41 | プロヴァンス賛歌