ウィンターズボーン

b0041912_047138.jpg 今週の1本は久しぶりのアメリカ映画「ウィンターズボーン」。沢木耕太郎氏のレビューを読んで興味を持ちました。フランスメディアもこぞって絶賛、観客評もかなり高い作品です。
 しかし、レアリズムには圧倒されるものの、これが今のアメリカ中西部の山村の現実とはとても信じられません。ウォール街を占拠せよのデモに参加している人たちは、まだ恵まれた米国民なのでしょうか?
 
 舞台はミシシッピー川沿いにあるミズーリ州の山あい。あばら家に暮らす17歳のリー(ジェニファー・ローレンス)は、心を病んで言葉を話さない母親と幼い弟と妹の面倒をみながら、かつかつの暮らしを送っています。
 食べる物にも困るようなある日、保安官がリーの家に立ち寄って、麻薬の密造で捕まった父親が保釈中に失踪したため、もし裁判にも現れなければ保釈金の担保になっている自宅を差し押さえると警告します。
 家を追い出されたら、家族の生活を守ることができなくなってしまう。何が何でも父親を見つけ出す決心をするリーですが、親戚や心当たりを頼っても、相手にされません。
 これといった産業や仕事のない貧しい土地で、どうも住民達は見えない掟の下にまっとうでない方法で日銭を得ている模様。でも、必死で父親を探すリーに協力しようとしないのはなぜなのか?
 初めはリーの父親探しをあきらめさせようとした麻薬中毒の伯父も、覚悟を決めて行動するリーの強い意志に自らの血筋を感じて、彼なりの方法で手を差し伸べるのですが。。

 カンサスシティーやセントルイスといった観光都市を抱えているミズーリ州。所得も全米の中で真ん中辺りで特に貧しい地域ではないようです。が、この映画では、土地も人の心もあまりにすさんでいるため、果たして希望の見出せる展開になるのかどうか、終盤まで不安でした。

 こんな環境で育ち、17歳にして家族の世話が両肩にかかっているリーの強さ、一途さには感嘆させられます。一方で、今の生活を守るためにここまでしなくてはいけないのかという思いと、行政はどうなっているのだという疑問を抱えたまま映画館を出たら、外は冷たい雨。昼間見た天気予報は夜まで晴れマークだったのに。しばらく雨宿りしても小やみにならないので、仕方なく雨の中を濡れながら帰る羽目となりました。 
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by cheznono | 2011-11-18 00:57 | 映画