戦火の馬

b0041912_13583790.jpg 久しぶりに大スクリーンでスケールの大きい映画らしい映画を観た感じで満足できた「戦火の馬」。波瀾万丈の馬ジョーイの半生とジョーイと若者アルバートとの堅い友情の物語で、同時に第一次大戦に大きな働きをし、兵士と共に犠牲となった夥しい数の軍馬に向けてのオマージュとも取れる作品です。

 第一次大戦直前の英国デボンシャー、気性の荒いサラブレッドが貧しい農家に競り落とされ、一人息子のアルバート(ジェレミー・アーバイン)がかいがいしく面倒を見ます。
 アルバートは農耕馬に向かないジョーイを苦労しながら畑仕事に従事させるのですが、悪天候で農作物はめちゃくちゃ。加えて第一次大戦が開戦。暮らしに困ったアルバートの父親は、やむなくジョーイを軍馬として将校に売り渡します。
 アルバートのジョーイに対する思い入れに感じ入った将校は、終戦したら馬をアルバートに返すと約束。フランス北部の戦場に赴いたジョーイは、将校を乗せて野営のドイツ軍を奇襲する作戦に参加することに。

 その後、ジョーイはドイツ軍の手に渡り、フランス人の少女にかくまわれ、またドイツ軍に酷使されて、ついには第一次大戦きっての激戦地ソンムの戦いに駆り出されます。
 その頃にはアルバートも英軍に従軍していて、奇しくもジョーイはドイツ軍と互いに知らぬ間に敵味方に分かれていたのでした。

 冒頭から目にしみるような美しい画面に圧倒されます。のどかなイギリス南部の田園風景と見事な馬、一途でハンサムな少年アルバート。この映像が過酷な戦場の状況との対比を極めます。
 とはいえ、貧しい農村で地主に搾取される生活は、とても楽なものではありません。生活の苦しい農民が今度は下級兵として戦場で悲惨な環境に置かれる点は英独仏とも共通で、涙を誘います。

 何事が起きても、運に見放されず力強く生き抜く奇跡の馬ジョーイには励まされますが、そこはスピルバーグ監督、どうしても「プライベートライアン」に通じるあり得なささが否めません。すっきりまとめた感も残るけど、各エピソードはとてもよくできています。

 しかし、兵士や大砲を運ぶのも全て馬に頼っていた第一次大戦に比べて、わずか20年後の第二次大戦では飛躍的に兵器や戦い方が進歩?したのですね。空軍ができたことも大きかったのでしょう。この映画では「戦場のメリークリスマス」に描かれたような荒廃した戦場でドイツ軍と英軍の兵士たちが交流する場面もあり、ちょっと救われる思いがしました。
公式サイト:http://disney-studio.jp/movies/warhorse/ 
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by cheznono | 2012-03-14 14:01 | 映画