ロワールの古城:シュヴェルニー
2015年 05月 15日16世紀初めに建てられたシュヴェルニー城は今もユロー家の侯爵一家が住む私邸ですが、戦前から一般公開されていて、見学できる部分の保存状態が良いことで知られます。ユロー家は代々、フランス王の財政担当官を務めたため、館に王族を迎える機会も少なくなかったらしく、ヴァロワ朝後期からブルボン王朝の名残がいろいろ残されていて、思ったよりずっと見ごたえのある城でした。
この白亜の城館は17世紀のルイ13世時代に建築されたもので、大サロンには王と妃でルイ14世の母親アンヌ・ドートリッシュ、王弟ガストン・ドルレアンとその娘モンパンシエ嬢の肖像画が飾られています。回廊にはルイ16世の立派な肖像画があり、奥の間にはマリーアントワネットに気に入られたユベール・ロベールの風景画も。
ルイ13世の父王アンリ4世が利用した荘厳な寝室も保存状態が良くて、17世紀初めのまま時が止まったようでした。
庭のオランジェリー(オレンジの木の温室)は、第二次大戦中にドイツ軍の爆撃が激しくなって来た際に、ルーブル美術館などの大事な作品を避難させた場所だとか。絵画の避難については、谷口ジローのコミック「
千年の翼、百年の夢 」でも紹介されています。(オールカラーの豪華版がオススメ)
シュヴェルニーはタンタンのムーランサール城のモデルにもなったため、庭内にはタンタンの結構凝った展示室も設けられています。
そして、その奥には100匹を超える猟犬フレンチ・トリコロールの犬舎が。日向ぼっこする大量のワンちゃんは見学者たちに大人気でした。
行き方:シーズン中は水曜と週末にブロワから巡回バスあり。トウールからミニバスツアーも出ています。