エレニの旅

b0041912_22581661.jpg 昨日の5月1日はミュゲの日。フランスでは親しい人に小さなスズランの花束を贈る微笑ましい日です。でももちろんメイ・デイでもあるので、市内の交通機関は一切ストップ。車がないとすごく不便をする日でもあります。東京は映画の日だったので、壮大な抒情詩というふれ込みのギリシャ映画を観て来ました。「永遠の一日」でカンヌ映画祭パルムドールを取ったテオ・アンゲロプロス監督の作品「エレニの旅」です。
 20世紀初期から第2次大戦まで、ロシアのオデッサ移民の孤児エレニがギリシアに戻ってからの波乱万丈の半生を描いた映画は、確かに独特の映像美で綴られていました。が、エレニと恋人アレクセイ、そして双子の息子へ愛と悲劇の物語は重苦しく、救いのないストーリーにはうーむという感じ。見応えがあると期待していただけに、あまり入れ込めない2時間50分は長かったです。まず複雑なギリシャの歴史や政治的背景をある程度理解していないと状況がわかり難くく、特に終盤、エレニの投獄中に双子の息子が政府軍とゲリラ軍に分かれて戦わなくてはいけなくなった事情が全く省かれていたのが残念でした。全体にセリフが極端に少ないためエレニという女性の内面もよく伝わって来なかったです。
 でも、アコーディオンの腕が買われたアレクセイが夢に見たアメリカに渡り、エレニと息子たちを呼び寄せるため米国籍を取ろうと、志願兵となって太平洋戦線に出兵し沖縄沖で戦死してしまう成行きには目頭が熱くなりました。今イラクに送られた米軍兵士は移民の子が米国籍取得のために志願したケースが多いという現実と重なり、なんとも切なくなったからだと思います。
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by cheznono | 2005-05-02 23:36 | 映画