ラベンダーの咲く庭で

b0041912_0153614.jpg ラベンダーというタイトルに反応して、謎のピアノマンで話題の「ラベンダーの咲く庭で」を観て来ました。第2次対戦の迫る英国で、波打ち際に漂流したユダヤ系ポーランド人の青年がつつましやかに老後を送る姉妹の生活に一条の光をもらたすという内容です。ちなみに例の記憶喪失のピアノマンが最初に報道された時、以前このブログで《路上のピアニスト》としてご紹介したニースの青年がもしや?と疑われ日本のTV局に取材されていたのでびっくりでした。
 英語の話せないポーランドの漂流青年は実はヴァイオリンの名手で、彼の才能と若さ、かわいらしさ?に魅せられた老姉妹の妹ジュディ・デンチは、その年にして初恋に心をときめかせ、青年の一挙一動にも気持を揺さぶられ、同じく青年の登場を喜んでいる姉のマギー・スミスもそうした妹の心の変化に気づいて、、ベテラン女優二人がそれぞれの動揺を実にうまく表現しています。そして特筆すべきはヴァイオリンの音色の美しく切ないこと。ヴァイオリンのソロ演奏がここまで胸にしみるものだということを初めて知りました。
 でも、ラベンダーはいったいどこに?と映画の後、友達と笑ったくらい期待のラベンダーのシーンは少なく、エリザベス女王も号泣!っていったいどこで?というくらいシンプルなストーリー。これは大人のお伽話で、もうじき日本公開となるマイク・リー監督の「ヴェラ・ドレイク」の現実感のある内容とは好対照でした。「ヴェラ・ドレイク」は戦後のロンドンで非合法だった堕胎の手伝いをしていた底抜けに人の好い主婦が陥る不運をリアリスティックに描いた映画です。
 「ラベンダー」は戦前のコーンウォール地方の生活をほのぼのとした雰囲気で包んだ作品で、唯一ラジオのニュースだけが迫り寄る戦争の影を漂わせてますが、もう少し話に深みがほしかった。せっかく登場させた美人のロシア女性も、青年をロンドンでデビューさせるためにだけに使うのではなく、もっとしっかり彼女の背景を描いてほしかったです。 
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by cheznono | 2005-06-16 00:57 | 映画