大統領の行く居酒屋

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 イル川に囲まれたストラスブール旧市街は世界遺産にも登録されているだけあって歴史の重みを感じさせる独特の重厚な街並みが魅力。一方で欧州議会が置かれEUのモダンな本会議場もある国際都市でもあるため、街は活気にあふれています。でも、陽気で明るい南仏に慣れた身にはちょっとよそよそしい街でもありました。何しろ人が冷たい。中世にドイツ内戦に巻き込まれて以来、仏領に戻ったりまたドイツに占領されたりという苦い歴史のせいでよそ者には冷ややかなのか、あるいは観光ずれしているせいか、アルザス人に比べたらパリジャンなんてすごくサンパじゃないと思えるくらいのクールな扱いにすっかりしょげてしまった私です。
 とはいえ暖かい人柄のアルザスの知人もいるし、この地方の庶民的な居酒屋に行けば陽気でワイン好きな地元の人たちを見ることができます。ヴィンシュテュブ(居酒屋)という看板の出ている店はパブかワインバーのような雰囲気で、アルザス名物のシュークルート(ザワークラフト)やタルト・フランベ(たまねぎとベーコンのピザ)などの郷土料理も楽しめる心地よい空間です。
 ストラスブールでお勧めの居酒屋は大聖堂の近くイノシシ通りにあるシェ・イヴォンヌ。19世紀からの老舗で故ミッテランやシラク大統領ら政府首脳も贔屓にしてるというお店。勧められた時は、「大統領が行くようなお店なんて高そうで敷居が高いわ、普段着だし」って断ろうとした私達ですが、ノンノン気取らないお店で値段も手ごろだから是非行ってみなさいと言われたので思い切って入ってみました。居酒屋というにはしっとりした落ち着いた店内はアルザスプリントの老舗ボーヴィレのテーブルクロスで統一され、素敵な隠れ家のよう。お料理も程よい量で深みのあるおいしさ。ロマンティックとも言える良い雰囲気のほの暗いお店でした。
 写真は、イル側が4つの水路に分岐しているところにあるプティット・フランス。中世には川の水を必要とする職業の人々が住んでいたという木組みの家並みが続きます。
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by cheznono | 2005-07-12 01:31 | 不思議の国フランス