ライフ・イズ・ミラクル

b0041912_19271.jpg カンヌでパルムドールを2回も受賞したことがあるというエミール・クストリッツァの「ライフ・イズ・ミラクル」。13年前に始まったボスニア・ヘルツェコヴィナの悲惨な内戦下で、いつの間にか戦争に巻き込まれた田舎の生活をユーモアたっぷりに描いています。フランスでしばらく同じ学校に通っていたセルビアの青年が、「僕らの世代は戦争や徴兵から逃れるためヨーロッパに散ったから、故郷の同級生も散りじりだよ。」と言っていたのを思い出してながら、この映画を観ました。
 田舎に鉄道を引くために派遣されたセルビア人の技師ルカは、妻に駆け落ちされ、一人息子は徴兵されて敵側の捕虜となってしまいましたが、それでも村での生活を楽しんでいます。そこへ国連軍の仲介による捕虜交換に使えそうなボスニア側の若い女性サバーハがルカの家に連れて来こられます。うまく行けば捕虜になっている息子と交換するため、人質になったサバーハと共同生活を始めたルカは、すぐに彼女と恋に落ちて、爆弾の降る中でも甘い生活を送るのですが、ついに息子と彼女を交換しなければいけない時がやって来て。。
 深刻な大筋の要所要所にからめられたエプソードがはちゃめちゃ、それに加えてロバや熊、猫や鳥などの動物の使い方が秀逸です。仏語でロバのように頑固ということわざがありますが、この映画のロバは頑固でも自分の感情を表情で現し、人間との共同生活を同じ目線で語っていてすごく親近感を感じました。
 ボスニアとセルビアの内戦は、とても美しい古都だったというサラエボの街も破壊されて、泥沼化して行ったという記憶が新しいので、あの戦火のもとで、それでも人々が歌って踊って恋をして、精一杯に生きることを楽しんでいる姿がいとおしく思える作品です。田舎暮らしの素朴さや戦争中でも人々がどこまでも明るく貪欲に生活を謳歌しようという姿勢に、やっぱり人間てすごいと改めて思わされました。
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by cheznono | 2005-08-13 01:55 | 映画