ふたりの5つの別かれ路

b0041912_17585978.jpg フランスでは見逃したので日本公開を待ちに待ったフランソワ・オゾン監督の「ふたりの5つの別かれ路」を観て来ました。既に別居している夫婦の離婚調停成立のシーンから始まり、時間を逆戻りさせてふたりの間に起こった象徴的な5つのエピソードをたどりつつ、なぜ別れる結論に至ったかを浮き彫りにして行く手法が話題になっていますね。フランスの特にパリのカップルはよく7年目の危機が話題になるから、この映画もふたりの別れから恋の始まりまで恐らく7年くらいを遡ってゆく設定ではないかと思います。離婚成立後に最後のベッドを共にする冒頭では少し太って疲れた表情の妻マリオンが、ラストの海辺での出会いではかわいくてスリムな姿に戻るのが印象的でした。
 離婚が成立し、お別れのベッドをかなり一方的に夫本位で共にした後、既に新しい女性と暮らしている夫ジルが「やり直せないか?」と未練を見せる所や、結婚生活末期のディナーで夫が語り出す乱交パーティの経験談など、4人の男女の入り組んだ関係を描いた「クローサー」にも通じるものがあって、恋愛の本質や倦怠という以前に何か虚しいものを感じさせられ、その印象は最後の恋に落ちるシーンまで変わりませんでした。
 「クローサー」でもこの映画でも先に目移りをするのは男性で、でもいざ別れとなると優柔不断なのも男性。一方、マリオンの方は幼い子供と二人だけで淋しくないわと自然に言い切る所で、彼女はこの経験で確実に成長したのだなと感じさせられます。30代後半とおぼしき二人が別れるのに対して、マリオンの両親は若い頃から互いにぎくしゃくしていても一緒に老いてゆく姿が時代による意識の変化を対比させていて面白いと思いました。
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by cheznono | 2005-08-22 18:36 | 映画