東方の三博士の謎

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 聖書のマタイ伝にしか登場しない東方の三博士。星を見て救世主の誕生を知り、その星の輝くベツレヘムへ赤ちゃんを祝福にやって来た占星術の博士たちがいたと記載があるだけで、人数が三人だったとははっきりしてなかったのに、いつの間にか3人は白人と黒人とアジア人で、それぞれの大陸を代表してやって来たと云われています。
 中世からルネッサンスにかけて、東方の三博士がキリスト誕生のお祝いに駆けつけた姿はイタリアやフランドル派の画家に好んでよく描かれました。三人はそれぞれ黄金と乳香、没薬(乳香も没薬もお香の一種)をお祝いに捧げています。
 三人の名前がそれぞれパルタザール(黒人)、メルキオール(白人)、ガスパール(アジア人)と伝えられていますが、アフリカ、ヨーロッパ、アジア大陸を代表して来たにしては名前が似ていますね。バルタザールは黒人だったと云われてるのに、かのレ・ボー・ド・プロヴァンスを築いたレ・ボー家の先祖とされ、家紋にも三博士をマリアとキリスト母子の元に導いたベツレヘムの星のマークを使っています。
 我らが先祖は東方の三博士の一人とうたい、中世のプロヴァンス一帯を絶大な権力を持って支配したレ・ボー家。12世紀から14世紀にかけて、レ・ボーのお城では吟遊詩人が歌を詠み、華やかで洗練されたプロヴァンスの宮廷文化が培われました。今ではミストラルの吹きすさぶお城の廃墟しか残っていないけれど、祖先は東方の三博士の一人だと主張して、勢力を広げていったという話を知って、ますますレ・ボーへの興味が膨らんで来る思いです。 
写真はボッティチェリ「東方の三博士の礼拝」
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by cheznono | 2006-01-12 17:15 | 不思議の国フランス