ホテル・ルワンダ

b0041912_14372568.jpg 日本公開が危ぶまれていた「ホテル・ルワンダ」が、この映画を応援された方々の尽力によって昨日から上映が始まり、本当に良かったと思います。この映画は去年フランスで観た映画の中で最も衝撃的なものでした。11年前、ルワンダでこの大虐殺が行われていた頃、私は時事英語のクラスに出ていたので、ルワンダの悲惨な状況は何度もテーマとして挙げられ、BBCの報道を見ながら解説を受けていたのに、時を経てこの映画を観た時は想像を絶する地獄図と当時の自分の認識の甘さを思い知らされ、しばらくぼーっとしていました。
 1994年、ルワンダで大統領を乗せた飛行機が打ち落とされた事件をきっかけに、何かと優遇されて来た少数派のツチ族を多数派のフツ族が襲い始めます。フツ族だけれどツチ族の妻を持つ外国人向け高級ホテルの副支配人ポールは、普通に暮らしていた隣人達が惨殺されて行くのを見て、何とか妻と子供達を逃がそうとしますが、周囲で逃げ惑ツチ族の人達からも頼られ、ついに合計1200人のツチ族を自分のホテルにかくまうことになります。
 国連から送られてきた平和維持軍は、大虐殺を目の当たりにしても「仲裁はしない」と繰り返し、維持軍の大佐は国連軍の到着を待つようにポールを説得します。「こんな現実を国際社会がほおっておく筈はない」と、国連軍の仲裁が入ることを信じるポール。その日までホテルにろう城し、ホテルマンとしての経験で培った人脈や賄賂、へつらいなどあらゆるテクニックを使ってツチ族の避難民を虐殺から守ろうとしますが、国連への期待は見事に裏切られ。。
 最初は家族だけを逃すことしか頭になかったポールが、自分を頼る他のツチ族をも成行き上かくまうはめになり、だんだんそのことに命をかけるように変わってゆく姿が感動的です。ツチ族とフツ族の血で血を洗う争いをこじらせたのは、かつてのベルギーによる植民地政策のせいなのに、ポールの信じた「国際社会の良心」は砂上の楼閣に過ぎなくて、先進国にとってあまり重要でない国とみなされたルワンダが国連や西欧から見放されて行く図式が観ている者に突き刺さってくる作品です。
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by cheznono | 2006-01-15 15:35 | 映画