歓びを歌にのせて

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 文化村のスウェーデン映画が大ヒット中と聞いたので観に行ったら、期待通りの佳作で大満足でした。世界的に有名な指揮者ダニエルはコンサートの途中で倒れ、華やかな舞台を下りて療養のため一人で北の村にやって来ます。幼い頃、いじめにあって引っ越してしまったけど、数十年ぶりにその村で暮らすことを選んだダニエル。知り合いのいない村で孤独に過ごすつもりが、村人達は高名な指揮者の彼をほおっておきません。
 村人で構成している教会のコーラスの監督指導を引受けたダニエルは、独特の魅力で人々に音楽の素晴らしさを伝えて行きます。とりわけ女性陣の間では人気者となったダニエル。牧師や男性陣の嫉妬を買う一方で、コーラスのメンバーはそれぞれの家庭や生活に問題を抱えているのがわかって来ます。メンバーたちの私生活の問題にダニエルも巻き込まれそうになりながら、皆んなとの音楽を通じての交流を楽しみ、中でも明るく優しいレナの存在が彼の中で大きくなって行き、同時にコーラスの実力も認められて行くのですが。。b0041912_1472575.jpgまず、主人公のダニエルと若いメンバーのレナのキャラクターがとても魅力的で好ましく、見終わった後も幸せな気分でした。それに、家庭内暴力に悩む2児の母ガブリエラの歌う「私の人生は私のもの。。」という歌がメロディも歌詞も素晴らしい。保守的で閉鎖的な村が、ダニエルの出現で揺さぶられ、それぞれが内に秘めていた問題も解決する勇気が湧いて来るという過程がユーモラスに描かれている所も楽しかったです。
 それにしても、教会の牧師を中心としたストイックな価値観には驚きでした。村人だけでなくダニエルの生き方や考え方もとてもストイックで、これがあのヒッピーの国の今の姿?とびっくりしたし、フランスが失いつつある価値観が妙に懐かしいような、不思議な感覚にもなった作品です。
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by cheznono | 2006-01-21 01:45 | 映画