フランスの家庭内暴力

b0041912_0533322.jpg 「歓びを歌にのせて」では、美声の持ち主のガブリエラが家では異常に嫉妬深い粗暴な夫の暴力に苦しんでいて、そのために素晴らしい歌唱力がありながら、どこか自信のない陰のある女性として描かれていました。確かに一見幸せそうに見える家庭でも、窓の中ではどんなことが起きているかわかりません。
 リヨンで現代史の授業を受けていた時、フランスでは女性議員が少ないのに、よりマッチョな国と言われているお隣のスペインでは意外に女性議員が多いことが不思議で、質問したことがあります。先生の答えは、「多分、スペインの方が夫に殴られる女性がフランスよりも多いから、女性議員が多く選出される傾向があるのでは?」というものでした。フランスの女性は強いから、そうそう簡単に男性に殴られたりしないんだろうとその時はまあ納得したのですが、去年の11月末に出たレポートを見てびっくり。2003年から2004年の間に夫や恋人による暴力で4日に一人の割合で女性が亡くなっていたのです。
 かたや男性はというと、妻や恋人による暴力で16日に一人の割合で死亡しています。率にすれば女性の4分の1の犠牲者だけど、2週間ちょっとの間に一人の男性が相手の女性に殺害されているのも結構すごいことで、こうなると男も女も命がけでカップル生活を送っているのかしら?と疑いたくなります。
 死に至る家庭内暴力の動機は、50%以上が口論の末で、30%近くがアルコールの影響、27%が別れ話のもつれ、22%が嫉妬、10%がうつ病、20%が薬などその他の理由。数字が合わないのは、多くの人がこのうちの2つ以上の動機で相手に暴力をふるったからだそうです。このレポ-トの担当大臣は、「もし顔中に青いあざのある女性がドレスを試着してたら、お店の人は通報して下さい」と警告した模様ですが、果たして殴られた顔で女性がブティックで試着などするでしょうか?どうも事の重要性のピントがはずれた国だと思うのです。 
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by cheznono | 2006-01-23 01:30 | 不思議の国フランス