スタンドアップ

b0041912_21125544.jpg シャーリーズ・セロンが炭鉱労働者として男社会に立ち向かう骨太な作品「スタンドアップ」。「きれいな顔をしているんだから、無理して裁判に訴えるより誰か見つけて落ち着けば?」という弁護士の助言にキッとして、「自立して自分の手で子供達を育てて行きたいのよ」と言い切るヒロインの姿に、シャーリ-ズ・セロンの女優魂が重なるような映画でした。
 アメリー・ノートンが東京の有名商社に勤めて、女性上司に疎まれるのを理解できずに悩んでいると、何かと親切な男性社員から、「アメリーさん、29歳の女性が独身で仕事を続けているっていうことはどんなことだかわかってますか?」なんて囁かれていた1989年、夫の暴力に耐えかねたジョージーは、雪のミネソタ州の実家に戻り、二人の子供を育てるべく、稼ぎの良い炭鉱で働くことを決意します。
 炭鉱労働者のうち女性は30対1という古い男社会で、女性は男の職域を侵すという理由で男性の同僚達から執拗に繰り返されるあくどいセクハラ。同じく炭鉱勤めの父親からも避難される中で、ジョージーは会社の上層部に改善を直訴するのですが、事態は余計に悪化するばかり。仕事を失いたくない同僚の女性達が我慢を決め口をつぐむ中、ついに裁判に訴え出たジョージー。でもそれは長男の出生にまつわる封印していた過去までもさらけ出すことになって。。
 バブルのピーク時にアメリカ北部ではまだ炭鉱が主要な産業で、現場ではこんなにひどい男女差別がまかり通っていたという事実に驚かされます。周囲からは身持ちの良くない女のように誤解されているジョージーが、終始毅然とした態度で女性が炭鉱で無事に働く権利を主張する姿に頭が下がる思いでした。反抗的だった長男に自分の思いを語るシーンや、封建的な父親が娘に理解を示すシーンには目頭が熱くなり、彼女の生き方が説得力を持って胸に迫って来ます。
 裁判中に弁護士が証人に向かって真実を言うようにと「スタンドアップ!」を連呼して、労働者の連帯を呼びかけますが、タイトルは原題のNorth Countryの方が良かったのではと思います。カナダ国境の雪国だからこそ産業が炭鉱しかなく、その炭鉱も存続が危ぶまれているという、男性も含めて北の生活の厳しさを浮き彫りにした作品という印象でしたから。 
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by cheznono | 2006-02-07 22:25 | 映画