プルーフ・オブ・マイライフ

b0041912_12818.jpg 「恋に落ちたシェイクスピア」の監督がロンドンやブロードウェイの大ヒット舞台劇を映画化したと話題の「プルーフ・オブ・マイライフ」をやっと観て来ました。天才数学者だった父親が精神を病んだ後に亡くなり、5年間父の面倒を看て来た次女のキャサリンは気力を失くして、今度は自分の神経が参ってしまいそうな様子。父親似で高い数学の能力がありながら大学を中退し、不器用で人付き合いの苦手なキャサリンは、父と対話することで自己実現を図って来たような女性で、父親の死を受けとめ切れず、父親の病いの遺伝にも怯え、ニューヨークから葬儀に戻って来た姉とも激しく衝突するばかり。
 そんな彼女を父の教え子だった若い数学者のハルが何とか力づけようと努力します。初めは当り散らしていたキャサリンも次第にハルと恋に落ちて行くのですが、父親の残したノートの中に世紀の大発見的な数学の証明が見つかり、「この証明を書いたのはパパじゃなくて私よ」と主張したキャサリンの言葉をハルも姉も容易には信じないことから、キャサリンの心はまた頑なになって。。
 アンソニー・ホプキンス演じる父親が、正気と向こう側との境界線を行ったり来たりしている元天才を演じて、圧倒的な存在感でした。キャサリンの回想と神経質な振る舞い、ハルや姉との辛らつなやり取りが交差しながらラストまで引っ張って行きます。が、姉妹の軋轢やキャサリンの激しい言動が延々続くので少し疲れてしまいました。
 同じくグゥイネス・パルトロウが演じた天才詩人が精神のバランスを崩して行く「シルヴィア」と違い、この作品は神経質な引き篭もりの数学の天才が愛によって希望を見出して行く点に救いがあります。それにしても、人格を否定されるような言葉をぶつけられても尚、キャサリンを応援して止まないハルの忍耐強さには拍手。こんなに人の良い理解者に会えたのも、父親の遺した贈り物という感じですね。
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by cheznono | 2006-02-12 01:24 | 映画