美しい村の役目

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 スミレの村トゥーレット・シュル・ルーの近所にある鷲ノ巣村グルドンは、フランスの一番美しい村の一つに選ばれている人気の観光地です。この村は7世紀、日本が大化の改新に揺れている頃、地中海から度々襲って来るサラセン人の攻撃を見張る目的で、高い崖の上に作られました。美しい村はもともとは要塞だったのです。
 高い崖に張り付いた鷲ノ巣村は、敵から身を守るには絶好の立地ですが、暮らしはかなり不便だったのでしょう。中世になってからグルドンは崖の上の鷲ノ巣村とそのふもとの村とに別れ、ふもとではブドウ畑を耕したり、香水の原料となる花を栽培して近くのグラースに運んでいました。見張りのために作られた要塞からの見晴らしは今も素晴らしく、穏やかな地中海の海岸線が見渡せます。この村もアーティストのアトリエやガラス工房、かわいいお店やレストランがひしめいています。要塞の村も今は観光一筋という感じ。12世紀に作られたグルドン城の庭は、ベルサイユ宮殿の幾何学的な庭をデザインしたルノートルの設計によるもの。要塞がだんだんと洗練されていって、ついには生活感の薄い美しい村になっていった長い歴史が興味深い村といえます。
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by cheznono | 2006-03-31 18:19 | コート・ダジュール散歩