フランス人と桜

b0041912_23152286.jpg 染井吉野も東京は今日の雨でだいぶ散ってしまいましたが、今年も桜のトンネルの中を歩く度に、日本に生まれて良かったと思いました。フランスでもパリのセーヌ川沿いの桜は結構見ごたえがあると聞きますが、実際はどうなんでしょう?アビニョンの友人に「庭に《日本桜》を植えたから是非見に来て」と言われて楽しみに見に行ったら、細い若木に桃の花のようなピンクの花がわずかについていて、ふーん?と思ったことがあります。ニースでも八重桜は見たことがありますが、染井吉野には出会ったことがありません。
 トゥールーズにいた時、今度日本料理を作ってねと言われてた友人を夕食に呼んで、日本を出発する時に友達が持たせてくれた桜模様の和紙マットとお揃いのお箸を用意してもてなしたことがあります。こういう場合、ちょっと気の利いた日本人ならたいてい海苔巻きか手巻き寿司、またはちらし寿司をメニューに入れるのですが、簡単第一の私の献立はサラダにツナカレーでした。それもツナ缶をカレーに入れると安くておいしいと在仏7年の日本人に聞いたので、思い切って試してみたもの。どこが日本料理なのか全然わかりませんが、意外に日本のカレーは肉じゃが同様に好評なんです。
 一晩寝かしたカレーを盛り付け、「まさか箸でカレーを食べなきゃいけないの?}と焦っている友人にスプーンを渡して、さあ召し上がれと思ったら、桜の和紙のマットとお箸入れだけが日本風の料理を前にして、友人は「豚の足、豚のアシー」とブツブツ言っています。豚の足って何だろう?中国人の友達は豚足大好きで、コラーゲンたっぷりと豚足を煮込んでは食べてましたが、私は豚足を買ったこともなく、その日の料理にポークはいっさい使っていません。なのに、友人はまだじいっと下を見て、「豚の足!」とつぶやきながら桜のマットをなぞりつつ、「だってこれ豚の足の模様でしょ?」ええっ!?慌てた私は「あのね、それは桜の花びら。桜は日本の心なんだからね。ランチョンマットに豚の足が散ってるわけないでしょう?」でも友人は悪びれもせず、「ああ、桜の花ね」と言ってカレーを食べ始めました。本当にわかってるんだろうか?もしかして、フランス人の感覚では桜も豚の足も同じ次元なのかも?何だか釈然とせずに食べたツナカレーは妙に舌触りが悪かったのでした。
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by cheznono | 2006-04-06 00:11 | 不思議の国フランス