友達と恋人との違い
2006年 10月 21日確かに、まだフランスにさして馴染んでいない外国人は、アミを友達と理解していることが多くて、同姓の友達のことをモナミ(mon ami)がね、とかモナミに会うの、などと言うのを耳にしますが、それを聞いた相手は、ああ恋人ねって思っているでしょう。アミにmonのような単数の所有代名詞をつけた場合、基本的には恋人のこと。一緒に暮らしてる人や結婚はしていなくても子供のいるカップルが相手のことを第三者に話す場合もよくモナミを使います。だから、普通の友達という場合は、アミにアン(un)とかユヌ(une)とかの冠詞をつけて、アナミ(un ami)に会うのとかユナミ(une ami)に電話をするというように表現します。ただし、何でも開けっ広げなフランス人といえどもそれなりの事情や微妙な関係で、もう恋人関係や愛人となっているのに、モナミとはっきり言わずにアナミだよとかユナミがねとはぐらかすこともしばしば見受けられるから、深読みが必要な場合もあるでしょう。
コパンも同様で、女性がモン・コパン(mon copain)といったら彼氏のことで、英語のボーイフレンドと全く同じ。女友達はマ・コピーヌ(ma copine)になります。コパン、コピーヌの方がカレ、カノジョに近く比較的若者ぽい言葉のため、60歳を超えた世代は「コパンなんて学校の仲間のことを呼ぶ言葉なのに、恋人を表すなんて変な風潮だわ。」とか、「年配の女性が女友達を紹介するのにマ・コピーヌだなんて、下品だよ。」などと嘆いたりもしています。恋人のことを昔ながらにプティザミ(petit ami)と呼んでいるのは主にこの世代とTVの吹き替え映画やドラマの中のこと。
なので、在仏中、フランス人の親友も多く、たくさんのカップルと交流があったという著者がなぜこんなに一般的なことを思い違いしているのか、すごく不思議ですが、こういった本には用心が必要ですね。この本にあるようなパリジェンヌの恋愛模様をゆめゆめ鵜呑みにせず、心ときめくフランス人と出会った際に、もし相手がポロッとモナミがねとかユナミとねって口にしたら、その先を進めて行くかどうか冷静に見極めた方が良いかも知れません(笑)。