フランスで人気の職業

b0041912_22504826.jpg 天井から水が漏り出して1週間、家主は配管工を呼んで上階のバスルームを点検してもらうよう依頼しました。珍しくほぼ約束の時間にやって来たムッシュウは、きちんとした格好で脇にファイルケースを抱え、職人さん風ではなかったけれど、「配管が老朽化していますね、とりあえず水を止めましたからもう漏らないでしょう。」と言って帰って行きました。先日越していった未払い家族が、風呂場の壁からシャワー器を引き抜こうと試みた向きもあるため、完全に修理するにはまた出直しになるようです。
 しかし、配管工が帰った夜から私のアパルトマンの水漏れは、ポツポツからポチャッポチャになり、天井の照明の周りにも水が回っているので気が気ではないのですが、今週中にまた来る筈だった配管工は戻って来ません。家主は、「ポーランド人の配管工や電気やにはもううんざりだ!」とうめいています。
 ニース港近くに住むイギリス人の友達も、配管に問題が起きてアパルトマンに暖房が入らなくなった時、顔見知りの配管工に来てくれるようランデブーを取って、約束の朝9時に待っていましたが、一日中待っても配管工は来ませんでした。あきれた彼女はすぐに別の配管工を見つけて、また朝の9時に来て貰うよう約束しましたが、当日やっぱりいくら待っても配管工はやって来ません。頭に来た彼女は、町に出て3人目の配管工を見つけ、翌朝見に来て貰うよう頼んだ所、3度目の正直で今度はちゃんと9時にやって来て、暖房の配管を直してくれたそうです。
 全くいい加減な国だと思った友人が、この話をロンドンの仲間達にこぼしたら、ロンドンでも同じ状況で、来てくれる約束をした配管工のすっぽかしは日常茶飯事とか。イギリスもフランスも100年以上経つ古いアパルトマンが多いため、水周りの問題は頻繁に発生しますから、配管の仕事は引っ張りだこ。恒常的に売り手市場のため、配管工の家族は大きな家で贅沢に暮らしている場合が珍しくないみたいです。
  失業率の高いフランスでは、ポーランドやハンガリーなど東欧諸国がEUに参加する際、配管工や左官などの職業が東欧からの安い労働者に奪われる!と抗議の声が高かったのに、実際には今一番不足している職業のトップが大工、左官、電気や、配管工などの現業です。問題は、東欧からの労働者がしばしば大して知識がないのに仕事があると出向いてはテキトーな配管工事を施したり、腕がないのに大工として働いてしまうことでしょう。
 古くからの建物を大切にするヨーロッパでは、常に家の老朽化に悩まされるわけで、こうした職人さんたちは不可欠な存在です。6年も7年も大学に通って学位や資格を取っても尚、就職が厳しい現状に対して、手に職をつけることの強みを目の当たりにするわと、文系の博士号を取ったばかりの友達はため息をついていました。
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by cheznono | 2007-04-01 00:14 | 不思議の国フランス