瀟洒な村ムージャン
2007年 05月 10日ひそかに期待した劇的な番狂わせもなく大統領に選ばれたニコラ・サルコジが、マルタ島でのクルーズというゴージャスなヴァカンスを非難されて、慌ててパリに戻ったみたいですね。計12人が立候補していた大統領選第一回投票で、フランスで一番サルコに投票した人が多いかったことで話題となった村が、カンヌの近所のムージャンです。
丘の上に立つこの村には、中世の家並みが続き、コート・ダジュールというよりプロヴァンス地方の村のような雰囲気が漂っています。大統領選の決戦で健闘した社会党のセゴレーン・ロワイヤルが別荘を持っている村なのに、大半がサルコに投票したのは皮肉ですが、ムージャンの住人はお金持ちが多いし、とても右寄りの風土が根強い上の投票結果と言えるかもしれません。
ピカソやマン・レイが気に入ったというムージャンは、アーティストや俳優にも人気だったそうで、今はおしゃれなギャラリーやアトリエが点々と並んでいます。と言っても、エズやサン・ポールのように観光的ではありません。プロヴァンス料理で知られるロジェ・ヴェルジェの料理学校があるせいか、ここはグルメの町とも言われ、ちょっと気取ったお値段のレストランが何軒か連なっています。
週末にはアート系のマルシェも開かれるムージャン。カンヌからグラース行きのバスで15分くらいなので、時間があったら是非寄ってみて下さい。復活祭からもうひっきりなしにやって来る観光客がぞろぞろのニースやカンヌの喧騒とは別世界の、穏やかでのんびりした古いたたずまいと絵のギャラリー、お財布に余裕があればおいしい料理と、心地よく過ごせる村ではないかと思います。