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ニースのピンクパレード

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 ブログへの接続がめちゃ悪くて、自分のブログが蒸発してしまったかと思ったくらいですが、エキサイトブログ全体の不具合が続いているようです。せっかく見に来てくださった方、なかなかブログが表示されなくて、ごめんなさい。
 「あるスキャンダルの覚え書き」では、孤独でプライドの高いバーバラが頼りなげなシーバに対して同性愛的な強い関心を向けたことから話が展開しましたが、フランスの大都市では、一部の世代に限れば10%弱が同性愛的な傾向にあると聞きます。この数字の真偽は定かではありませんが、6月はニースでもピンク・パレードが催され、相当な人出を呼ぶというので、去年の今頃、噂のデモ行進をちらっと見に行きました。
 妻子に愛想をつかされ、職場でも自信をなくしたダニエル・オートイユが、ひょんな誤解からパレードの花形になった映画「メルシー人生」で見たような、パリの華やかに仮装した大デモ行進を期待したのですが、ニースのピンク・パレードはずっと素朴な集まりでした。とはいえ、その参加者の多いこと。驚いたのは、女性の参加が目立ったことです。全体的には男性のカップルが多いけれど、女性同士や一人でも楽しげに踊りながら行進していたり、愛犬連れの人も結構いました。
 山車の上で踊っている人たちもたいして派手に仮装していなかったのは、ちょっと期待はずれでしたが、各山車はニースの有名なゲイバーが出したもので、お店の名前を宣伝した幕が張られています。とにかく、参加者は皆んなとても楽しげに踊りながら行進しているので、見物の人も誘われて一緒に踊りだしたり、声を上げたりして、和気藹々のパレードでした。「ブロークバック・マウンテン」の時代から40年、あの二人が想像もしなかった世の流れでしょう。
 このパレードのため、一行が行進する道路は一時的に封鎖されてはいたのですが、パレード行進の後ろには、たくさんのパトカーがのろのろと付き従い、そのまた後ろにはお客を乗せた路線バスが何台も連なっています。いい迷惑なのはバスの中のお客さん達で、前方を踊ったり叫んだりしながら、ぞろぞろ行くピンク・パレードが早く進まないかとイライラするばかり。暑い中、バスに閉じ込められて、前方には所在無く連なるパトカーが見えるものの、パレードの後姿は遠過ぎてよく見えないだろうし、外の野次馬からは哀れな目で見られるし。。
 どうせ時間を決めて道を封鎖するなら、もっと徹底的に交通制限すれば良いのに、ピンクパレードに限らず、デモ行進がある度に、後ろに続く路線バスや乗用車が途方に暮れる光景が毎回繰り返されるのは、本当にフランス的不効率の証明だと思いながら、パレードを見送りました。
by cheznono | 2007-06-16 01:48 | いつもの暮らし