消えた天使

b0041912_174244.jpg 「インファナル・アフェア」や「傷だらけの男たち」のアンドリュー・ラウ監督ハリウッド・デビュー作、「消えた天使」。何となく成り行きで観に行ったのですが、これはかなり観る人を選ぶ作品ではないでしょうか。
 先週フランスでも、未成年に対する性犯罪で18年間服役して、出所したばかりの61歳の男性が、長い刑期を終えた数日後に5歳の男の子を誘拐し、性的暴行を加えたというショッキングな事件が起こり、性犯罪の再犯防止対策が争点になっています。この犯人は、服役中に刑務所内でバイアグラを飲んでいたというから唖然としますが、「消えた天使」もアメリカにおける性犯罪の再犯という闇に震撼とさせられる内容でした。
 長年、性犯罪前科者の監視を続けて来た公共安全局のバベッジ(リチャード・ギア)は、仕事にのめりこむ余り、警察からも前科登録者からも疎まれていて、上司から退職を言い渡されます。退職前に後任の女性アリスン(クレア・デインズ)の指導を任された彼は、彼女を連れて自分の監察下にある性犯罪前科者たちを訪問して歩きますが、登録者達に対する彼の強引な態度に、アリスンは疑問を感じます。
 そんな中、女子大生が行方不明となり、なぜかバベッジは犯人が自分が監視している前科登録者の中に犯人がいると確信、アリスンと共に独自の捜査に乗り出すのですが。。。
 自分の仕事に夢中になる余り、行き過ぎの監視を続けるバベッジをリチャード・ギアが熱演しています。しかし、ここで扱われる犯罪のえぐさには胸が悪くなるほどで、正視できない場面がかなりありました。性犯罪の前科登録者のリストを、住民がネットで検索できるというシステムが返って悪用されてしまうという点が鍵をにぎっているのですが、前科者を地域に公表すべきかどうかというのは、とても難しい問題ですね。
 主人公の過去や、狂気と紙一重になるまで仕事へのめりこむようになった理由などが描かれていないため、サスペンスとしても深みに欠けるように感じましたが、映像の使い方はさすがアンドリュー・ラウ監督、素晴らしいテンポで各シーンを繋げています。脚本はともかく、映像に関してはメディアの評価が高いのも納得の行く作品でした。
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by cheznono | 2007-08-22 17:45 | 映画