イタリア行き列車の中で
2007年 11月 20日3人のイタリア人のうち、年配のムッシュウはプロディ首相と同じボローニャ出身とのこと。とかく不人気で先行きも怪しいプロディ首相ですが、今回乗り合わせた人たちも反プロディ派。英語、仏語共に達者なフローレンス出身の青年いわく、イタリアの政治家は今もマフィアとの結びつきが深く、私欲を肥やすことに専念していて、国民の生活は向上しないとのこと。お給料が1000ユーロ位の若者が大半なのに、インフレで家賃や物価は上がるばかり。政治と金の問題が耐えないのに、国民は恋愛や今を楽しむことに夢中で、政治について不満は言っても、まあ何とかなるさとフランス人のように政策に抗議してデモなんてしないしね。
私が「もしかしてイタリア人って案外日本人に似てるかも?日本も政治と賄賂の問題は尽きないし。」と言うと、「そんな筈はない、日本人てずっと真面目で、汚職や収賄なんて許さない風土があるんじゃない?第一、何かあると政治家が自殺するでしょう?」うーむ、でもそれは責任を取っているわけではないのよね。すると、隣で友達が「あら、この人の国は首相が突然辞めちゃって内閣を放棄したから、2週間位首相がいなかったのよ。」その通りです、トホホ。
「へえ、そんなことがあったの?日本がそういう国だったなんて意外だな。」とイタリア青年。そうりゃそうでしょう。日本人だって、そういう国だとは誰も思ってなかったんだから。
春のベネツィア行きの際は、列車のコンパートメント内で乗り合わせた人たちが、初対面なのに老いも若きも口角泡を飛ばしてしゃべりまくるのを、よくまあ、次から次へ話題が尽きないなと半ば呆れて見てましたが、こうやって仲間に入れてもらえると案外面白い情報交換ができて楽しいですね。
熱っぽく語り続ける彼らを見て、個人個人のこうしたエネルギーを政治に反映したら、イタリア社会もかなり変わるのじゃないかと思うのですが、「独仏英などを見本にして、イタリアの変化はまだ始まったばかりだよ。」と青年は締めくくっていました。
*写真はサン・レモのマルシェにあふれていた摘み立てオリーブ