そして、恋の終わり

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 「イングリッシュ・ペイシャント」のアンソニー・ミンゲラ監督が54歳で亡くなったのですね。去年観た「こわれゆく世界の中で」の印象がまだ残っているのに、とても残念です。
 さて、ホワイトデイが過ぎてしまいましたが、バレンタインにシネマで出会ったベアと青年の話に戻りますね。ベアもその仲間も「つかみどころがなくて、なかなか心を開いてくれない」と感じた青年でしたが、それなりにかっこ良いし、ベアと会うのも嬉しそうです。
 「確かに彼は31歳のフランス人にしてはシャイで神経質そうだけど、年上の自分がリードして付き合えば、もっと打ち解けて親密になれるわ。」3回目のデートで、ベアは彼を自分の2Kのアパルトマンに招待しました。
 広くはないけれど居心地の良いリビングで、チーズをつまみながらワインを片手に語り合う二人。夜も更けて、いい雰囲気です。ジャン・ジャック・ゴールドマンのCDを聞きながら、楽しげに話すベアの横で、彼はひっきりなしに煙草を吸ってましたが、ムードは高まって来て、、、
 ここまで、にやにやしながらいきさつを聞いていた私たちに、急にベアが声を潜めて言いました。「でもね、彼は今まで一度も女性と付き合ったことがないって告白したのよ」ええっ、31のフランス人が!?
 どうも彼は神経過敏で、男女を問わず、誰かと深い関係になることが苦手なタイプのよう。親友には「少し頭を冷やして考えたら?」と言われても、そこは面倒見の良いベアのこと。前の彼と恋に落ちたのは、彼19歳、彼女31歳の時で、以来7年間、学生だった彼をずっと支えて来た経験もあるし、「自分の力で彼を一人前にしたいと思ったの」だそうです。
 しかし、アパルトマンで過ごした日から、彼の様子はますますおかしくなりました。よく聞いてみると、どうも彼の話はつじつまが合わず、言うことが支離滅裂な時もあるとか。友達には「アパルトマンに誘ったのが早過ぎたのでは?」と言われるし、そのうち、青年がベアに付きまとうようになったため、見かねた仲間が「あきらめたら?」とか「もうやめとけ」と真剣に忠告。さすがにベアも決心がついて、彼に別れを宣言したそうです。
 バレンタインの出会いから、約一ヶ月。はかない恋の結末を迎えましたが、ベアは「今回はついてなかったけど、シネマは出会いの宝庫よ」とさして懲りてはいないようでした。
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by cheznono | 2008-03-19 01:56 | 不思議の国フランス