サガン

b0041912_22151856.jpg 日曜から3日間、待ちわびたシネマ祭りが開催され、計6本の映画を観て来ました。これは、最初に通常料金で映画券を買うと次回からはどの映画も2ユーロで観られるというお祭りで、レンタルビデオ並みの料金でロードショーを楽しめる大チャンス。ニースは映画館の入りが悪いらしく、一部の館では4日間に延長してくれたのに、今年はあいにく心そそられる作品が少なくて、ちょっと残念でした。
 初日はあまりの暑さにひるんで、やっと出かける気になったのが夕方。まあシネマで涼もうと、入口の長い列に並んでいたら、係りの人が出て来て、「エアコンが壊れちゃいました。中は結構暑いけどご了承の上、券を買って下さい。その代わり割引き料金で提供します」とのこと。涼みに来たつもりがエアコンなしの館内で、しかも友達が絶賛した映画は、イスラエル軍によるレバノンでの虐殺がテーマだったため、何とも重ーい映画祭りの出だしとなってしまいました。

 翌日、仕切り直しに観た作品の一つが、シルビー・テスチュ(ピアフの映画で親友を演じた女優)のそっくりぶりが話題の映画「サガン」。スキャンダラスと言われた彼女の生涯を知る良い機会です。
 18歳で「悲しみよこんにちわ」を発表し、一躍時代の寵児となったフランソワーズ・サガン。裕福な家庭に育ち、父や兄に溺愛され、小説の成功でフランスでもアメリカでもちやほやされ、取り巻きに囲まれてパーティに酔い、スポーツカーを乗り回した若い作家は、大交通事故を起こして九死に一生を得ます。
 23歳で結婚し、カジノで当てた大金でノルマンディーに屋敷を購入。でも結婚生活は短く終わり、その後再婚したアメリカ人との間に男の子が誕生。発表する作品は売れ、恵まれた人生のように見えますが、仲間と面白おかしく騒ぐことが好きな反面、シャイで繊細、神経質なサガンは、常に強い孤独感と戦っていました。
 車のスピード感や賭け事、パーティ、アルコール、子育て。それでも拭えない孤独感に苛まれ、やがてコカインに手を染めるサガン。去って行く取り巻きは追わず、気の合う女性を見つけては共同生活を送ります。
 才気に満ち成功に酔うお茶目な若い女から、ドラッグと孤独感で言動もアグレッシブになり、一人息子も遠ざけて、心身ともに病んで行く人生後半の対照的な姿をシルビー・テスチュが全身全霊で演じていて、見ごとです。折々にナレーションで入るサガンの自分を客観的に見つめるエスプリの利いた文章にも心を打たれました。
 日本もサガンのファンが多い国だから、日本公開もそう遠くないのではないでしょうか?
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by cheznono | 2008-07-03 22:23 | 映画