日時計とトカゲの村
2008年 09月 08日では、フランスはどこか洗練された国の筈なのに?とこれまでのイメージを裏切られたような思いの人が少なくないかも知れません。総合19位のイタリア人が騒々しさでは1位。やっぱりね。
少し秋めいて来たので、夜になると窓のスクリーンにヤモリが出ないかと待っているのですが、今年はまだ一匹も現れません。昼間は我が家の狭い庭にもカガミッチョがちょろちょろしていて、愛犬が鼻を突き出すと猛烈な勢いで逃走するので、慌ててしっぽが切れないといいな、なんて心配をしています。
ニースでもお腹がブルーに光るトカゲをしょっちゅう見かけますが、ニースの北25kmのところには、そのトカゲをシンボルにしている村があります。オリーブ林の中、標高650mに位置するコアラーズは、フランス一美しい村の一つに選ばれている典型的な鷲ノ巣村。中世さながらの狭い石畳に、ゼラニウムやバラの鉢が映える穏やかなたたづまいが印象的な村で、13世紀の教会も残っています。
今から50年近く前、コアラーズ村は抜群の日当りの良さを利用して、当時の売れっ子アーティストを招聘した日時計コンテストを企画しました。今もジャン・コクトーを初め、モナ・クリスティやポンス・ド・レオンなど、名の知れたアーティストが腕を競った個性的な日時計11個が、村の時を刻んでいます。
残念ながら、解説をしてもらわないと日時計の読み方がわからない私には、とても実用的な時計とは言えませんが、フランス語には「トカゲのようにのんびりひなたぼっこをする」という表現があるので、コアラーズに行ったら腕時計は忘れて、日時計の大ざっぱな時間を目安にのんびりと散策するのがお勧めです。
私は見逃してしまったのですが、ポンス・ド・レオンによる青いフレスク画が壁一面に広がる青の礼拝堂も必見とか。コアラーズまでは、ニースのバスターミナルから303番のバスが出ています。