日仏交流の憂鬱
2008年 10月 04日日本も日本人も大好きな彼女は、《プロヴァンスの家庭で体験ホームステイ》という企画に協力していて、日仏交流の一環でプロヴァンスを訪れる日本人を年に一度、ボランティアで数日間自宅に迎えています。
去年日本からやって来たのは、お母さんと子供二人の親子組でした。彼らがアビニョンに到着した日は全員夜遅く寝て、翌朝6時。いきなり彼女達夫婦の寝室のドアが開いて、二人の子供が飛び込んで来たのです。就寝中だった友人夫婦が何事かと慌てるのも意に介さず、子供二人は夫婦のベッドに飛び乗って、トランプリンのようにジャンプし始めました。
ちなみに日本人親子の寝ていた客間は1階、夫婦の寝室は2階です。子供達は早朝に初めてのお宅の2階に上って、夫婦の寝込みを襲ったわけで、友人夫妻はボー然とはしゃぐ子供達を見つめていたそうです。
思いがけず早起きを強いられた友人でしたが、初めてのプロヴァンス地方訪問である親子のために車であちこち案内し、その日も就寝したのは深夜でした。
そして、翌朝。「なんとまた6時に私たちの寝室のドアが開いて、子供二人がなだれ込んできたのよ。で、また私たちの寝ているベッドに上ろうとしたから、頭に来て『ダメ!』って怒鳴ってしまったわ」と言う友人。
自身も4人の子供を育て上げた彼女は、本来大の子供好き。日本人に限らず、これまでも子供連れの友人知人を泊めたことは何度もあるのですが、さすがに「こんな経験は初めて」だそうで、どうも日本人のお母さんは「しつけを全くしてない様子」だったとか。
親子組はその後、同じツアーの日本人と共に別の街へ移動しましたが、そこのホームステイ先でもトラブルを起こして、ホストファミリーから苦情が出たようなので、日仏交流ツアー担当の方は、きっと肩身が狭かったことでしょう。
ボランティアだから、もちろん無料で日本人を受け入れて来た友人は「残念だけど、これからは子供連れはお断り」と、ため息をついていました。
しかし、初めてのフランス旅行で、初対面のフランス人家庭に滞在した翌朝6時に、二日も続けてホスト夫婦の寝室になだれ込んだ日本人の子供たち、これだけの度胸があれば、もしかして、将来は案外大物になるかも??
写真はアビニョンから40キロ、プロヴァンスでもことに人気の鷲ノ巣村ゴルド。ここも「フランス一美しい村」の一つに選ばれています。