ロンドン塔の幽霊

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 今週は「ブーリン家の姉妹」をもう一度観て来ました。1回目は初夏にニースで友達に誘われるまま何の映画かも知らずにシネマに付いて行ったので、それまで全く知らなかったメアリー・ブーリンの存在がすごく新鮮でしたが、今回じっくり観たら、記憶にある以上に人間の欲望むき出しの貴族生活が描かれていたので、結構疲れました。
 ヘンリー8世は、アンの処刑の後5、6年して、やはりロンドン塔で3人の女性を処刑しています。プランタジネット家最後の末裔だったソールスベリー伯爵夫人、5番目の王妃でアンやメアリーの従姉妹に当たるキャサリン・ハワード、そしてブーリン姉妹の弟ジョージの奥さんで、映画でもアンと夫との近親相姦を密告したジェーン・ブーリンです。
 ソールスベリー伯爵夫人は、最初の王妃キャサリン・オブ・アラゴンの味方についたため、キャサリンの死後何年も経ってから、王への反逆罪で幽閉されて、処刑。その頃、50歳のヘンリー8世は、娘メアリーより若いキャサリン・ハワードに夢中になり、「棘のない僕のバラ」と呼んで可愛がったのに、奔放なキャサリン・ハワードは若くてハンサムなかつての恋人などと浮気。それが王の知れることとなって、姦通罪で拘束され、ロンドン塔に幽閉の後、処刑され、アンの義妹にあたるジェーン・ブーリンは、王妃キャサリンの浮気の手引きをした罪で、同じく処刑されてしまいます。
 ジェーンは、アンと夫ジョージとの近親相姦的関係を見たと言ったのは偽りだったと、処刑直前に告白したそうですが、ジェーンにしてもアンの弟と政略結婚させられた上、夫とは冷めた間柄だったから、嘘の告発へと暴走してしまったのでしょう。
 ヘンリー8世の右腕として活躍し、イギリス国教会への改革の中心だったトーマス・クロムウェルも、アンとメアリーの叔父で野心家のノーフォーク公にはめられ、謀反の疑いで斬首されています。
 こうやってみると、ヘンリー8世がアン・ブーリンと恋に落ちたことから全ての歯車が狂い始め、正妻キャサリン・オブ・アラゴンの離婚とブーリン家につながりのある人が、次々に不幸な結末を迎えた感じですね。この頃のイギリス王室のどろどろぶりはフランス王室の比ではないかも知れません。
 斬首された人々は幽霊となってロンドン塔に出没するらしいですが、特に首なしアン・ブーリンの幽霊が、手に自分の首を持って現れる頻度が高いとか。ヘンリー8世の居城だったハンプトンコートは、キャサリン・ハワードの幽霊の叫び声が有名です。ロンドン塔もハンプトンコートも昼間に行ったことしかありませんが、夜中に歩くのは相当な勇気がいりそうですね。
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by cheznono | 2008-11-04 01:50 | 映画