カテゴリ:映画( 215 )

b0041912_17252683.jpg去年の秋、この映画がフランスで大ヒットしてたという頃、私は南仏の大学で映画史の授業を聴講していたのに、この作品が人気ということを全然知りませんでした。一応映画マニアで通っているのになんという不覚。東京でももう終わってしまうので、慌てて900円の日に観に行き、遅ればせながら楽しんで来ました。何より会話がすごく面白い。主人公2人のやり取りも、ちょっといかれた彼らに巻き込まれて大いにはた迷惑する人達との会話もいかにもフランスらしくて楽しめました。
ストーリーは中盤まではぐっと引き込まれるけど、後半はちょっとくど過ぎかも。一時間半の映画が2時間近くに感じられたから。
幕開けに幼いヒロインが貧しいポーランド移民であるという理由で、クラスメート達にあくどくイジメられるシーンは意外です。移民が多い国だし、小学校からいろいろな人種の子供達が混じるのは当たり前の筈なのに、彼らが8歳だった頃、多分80年代初頭にはこういうよそ者イジメの雰囲気があったのですね。日本のイジメが時々報道されるため、日本の子供達や学校は大きな問題を抱えているのでは?と聞かれることがあるけれど、フランスも異質なもの対してに寛容なるにはいろいろな段階を踏んで来たに違いないと改めて思いました。
[PR]
by cheznono | 2004-11-21 17:55 | 映画

トリコロールに燃えて

b0041912_22143958.jpg
 週末にパリを舞台にした「トリコロールに燃えて」を観に行きました。土曜なのに劇場ががら空きでびっくり。さてはハズレかなと思ったけど、スチュワート・タウンゼントとペネロペ・クルースが内戦中のスペインに向かった頃から面白くなり、それなりに見ごたえがありました。
 原題はHead in the cloudsで空想にふけってというような意味。シャーリーズ・セロンがモンスターから一転して世界の指折り美女の一人らしい外見で演じる生き急ぐヒロイン、ギルダが気まぐれで何を考えているのかわからない所から来たタイトルでしょうか。初めは感情の移り変わりが激しい貴族の娘ギルダに周りが振り回されるありがちな話か、という感じでしたが、ベルエポックの終焉からスペイン内戦、第2次世界大戦中のドイツ占領下でのレジスタンス活動と激動のパリがうまくに描かれていたのが興味深かったです。
 アイルランド出身のスチュワート・タウンゼント、ジュード・ロウにムードが似ていなくもなくてなかなか素敵でしたね。実生活上でもパートナーというシャーリーズ・セロンとお似合いかも。
[PR]
by cheznono | 2004-11-10 22:51 | 映画

b0041912_16542116.jpg 「プロヴァンスの恋」のジャン=ポール・ラプノー監督の新作「ボン・ヴォヤージュ」がお正月に日本でも公開される予定ですね。時代は「ピエロの赤い鼻」と同じ頃、パリがドイツ軍に陥落し、フランス政府がボルドーに移った時。自分を守るために男達を翻弄する女優の役をイザベル・アジャーニが驚異的な若さで好演しています。
 去年の春「ボン・ヴォヤージュ」がフランスで公開された時にもアジャーニのすごいぶりっ子ぶりが見物と評されていて思わずにやっとしてしまいました。真面目で純情な主人公の好青年を、今をときめくヴィルジニー・ルドワイヤンと張り合うのはあっぱれです。
 この夏に観た「イザベル・アジャーニの惑い」(原題はアドルフ)では、自分を口説き落とした若き貴族アドルフに身も心も捧げ、その妄信的な愛のせいでアドルフの気持が冷め自分と別れたがっているのを察して尚、哀しく執着するエレノールを美しく演じていました。若かりし頃の「アデルの恋の物語」から雰囲気も役柄的にもあまり変わっていない姿には改めて脱帽。「ボン・ヴォヤージュ」を撮った後、彼女はすごーく太ってしまったそうで、一生懸命ダイエットしているらしいと聞きましたが、本当でしょうか。いつまでも神秘的な瞳の美しいアジャーニでいてほしいものです。
[PR]
by cheznono | 2004-10-19 17:28 | 映画

プロヴァンスの恋



b0041912_17251688.jpg b0041912_17254074.gif プロヴァンス地方を舞台にした小説を詩情豊かに書き続けたジャン・ジオノの原作”屋根の上の騎兵隊”を今頃ビデオで観ました。19世紀前半、コレラの蔓延するプロヴァンスへイタリアから逃げてきた若き大佐(オリヴィエ・マルチネス)と夫のもとへ急ぐ公爵夫人(ジュリエット・ビノシュ)との道中に芽生えた連帯感や抑えた恋愛感情を描いていて、なかなか良かったです。
今はしゃれた小さいお店が並び観光客がそぞろ歩くエクスやマノスクの昔の雰囲気もわかったし。
 この中で貫かれる騎士道精神は、「エイジ・オブ・イノセンス」のピューリタニズムにも通じるものがあるけれど、フランス人とイタリア人が2人だけで旅の苦労を共にしたのに、プラトニックに終始するのはジオノの描く世界ならではかも。
 フランスもフランス人もうんざりと言い捨てて帰国してしまったアメリカ人の友達が、でもオリヴィエ・マルチネスだけは大好きと騒いでいた時、「運命の女」のダイヤン・レインの浮気相手としてのオリヴィエ・マルチネスしか知らなかった私は、たいしたことないのにって思ってました。でも、「プロヴァンスの恋」を観てオリヴィエ・マルチネスって若い時は本当に素敵だったんだってすっかり納得。「テイキング・ライブス」にも出ているみたいだけど、もはや10年前とは顔が違う気がするので、もっと前から知っておけばよかったとちょっと悔やまれます。
[PR]
by cheznono | 2004-10-16 18:00 | 映画

ピエロの赤い鼻

 b0041912_17505241.jpg 去年の春、リヨンで観て大感動した映画:ピエロの赤い鼻が日本でも公開されました。原題の「恐ろしい庭」に対して、赤い鼻ばかりが強調される邦題はいかがなものかとも思いますが、心にしみいるヒューマン・コメディが日本でも高く評価されて嬉しいです。第2次世界大戦中、気が小さい癖に自分達の力でもできそうなレジスタンスを企てる2人の親友同士。ドイツ軍への小さな抵抗のつもりが思いもかけない悲劇を招くという内容で、でも散りばめられたユーモアに心がなごむ佳作です。
 フランスでは映画でもTVドラマでも第2次大戦中のエピソードをテーマにした作品が日本に比べてとてもよく上映されたりTVで流れたりします。ドイツ軍のしたこと、戦争の愚かさ、ビシー政権を樹立したことへの罪の意識、占領下でのレジスタンス活動などを風化させないように努めている姿勢には感心させられます。
 そしてナチスドイツ軍の中にも、この映画のゾゾのように人間的な良心を失わないでいる軍人や兵士がいたことが描かれているのには救われる思いがします。
[PR]
by cheznono | 2004-10-13 17:58 | 映画