カテゴリ:不思議の国フランス( 92 )

パリの憂鬱

b0041912_20253247.jpg ニースから満席のTGVでパリに戻り、リヨン駅のタクシー乗り場に向かうと長蛇の列。15分以上待ってやっと自分の番が来たので、モンマルトルにお願いと言うと、ちょっとイヤな顔をされました。最低でも25ユーロはかかる距離なので、おかしいなと思ったけど、ドライバーは私のホテルの住所をスマホのナビに入力して走り出したから一安心、と思ったのもつかの間。
 しばらくして、「マダム、実は僕、18時にヌイイー・シュル・セーヌ(お金持ちの住むパリ郊外)でお客さんと約束があるんです。空港まで送らないといけないんですよ。」時、すでに17時半近く。「今から18区までは遠過ぎるから、バスティーユ広場で他のタクシーに乗り換えてくれませんか?」とおっしゃる。
そんな、じゃあなぜさっきリヨン駅に並んだの?重いキャリーケース2つの私はなるべく乗り降りしたくないのに。「普通お客さんはシャンゼリゼ方面にと頼むことが多いのに、モンマルトルとは想定外。ヌイイーとは全然方向違うし。」そりゃあ、シャンゼリゼならヌイイーに行く途中だけど、タクシーが駅前に並んだ以上、お客がそう上手く自分の希望する地域に行くと思うなんて、おかしくないですか?と、文句は言ったものの、車の中でイヤな展開になってもまずいし。。
 かくてバスティーユで降ろされた私はそれでも約10ユーロを請求され、広場で客待ちをしていたタクシーに乗り換えた。今度は強面のドライバーさん、リヨン駅で乗ったのにここで降ろされ、運賃も払ったとなげく私に同情して親切で、荷物代もおまけしてくれたから、救われた思いです。
 
 無事ホテルに到着し、夕飯はいつもの中華テイクアウトへ。私の担当の女性はテキパキとチャーハンを温め、野菜炒めとエビ巻きなどを用意している間、先に会計を済まして待っていること5分。会計の若い中国女性が、私の前のフランス女性に結構大きな袋を渡して、メルシーと言って見送ったので、その女性が注文した量にしては袋が大きいなと思ってたら、案の定、私の注文担当の女性が「違う、あの袋はこの人のよ!」らしき中国語を叫んで、くだんのフランス女性を追いかけ、店を飛び出して行きました。
けれど、なかなか戻らない。お腹をすかした私が途方に暮れているところへ、やっと、でも手ぶらで帰って来た担当の女性。あいにくフランス女性はどこかに消えてしまったらしく、「すみません、もう一度用意しますから」と言って、私の分を再度取り分け、チンしてから渡してくれました。しかし、手早くすませたいテイクアウトだったのに、30分近くお店にいるはめに。
 間違って私の注文品を渡されたフランス女性は少ししか頼まなかったわけだから、大きな袋をもらって変だなと感じたはずなのに、ラッキーと思って素早く帰ってしまったのでしょうか?

 パリに戻った途端、次々トラブルにあうなんて、ついてない、と思っていると、翌日はモノプリで万引きを目撃。カンヌで主演男優賞を獲得したヴァンサン・ランドンの話題のドキュメンタリー風フィクションでは、大型スーパーでの万引きを監視する様子がつぶさに描写されているのですが。。
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by cheznono | 2015-05-31 20:27 | 不思議の国フランス

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 今日は快晴、予報では25℃になるというけど、午前中は涼しいので私の格好はユニクロの七分袖Tシャツにカーディガン、首にはスカーフも。
 シュヴェルニーとボールガール城に行くため、ブロワから出ている周遊バスに乗車。最初の停車地シャンボール城前で大半の人が降りた後、派手な花柄サンドレスのマダムがドライバーに向かって騒ぎ出しました。「寒いのよ、なんとかならない?寒くてしょうがないわ!」「窓を閉めればいいんですよ」とドライバー。
バスはリムジンのような長距離用で、大きな窓は開かず、上部の細い窓ガラス部分が斜めに開閉できるのみ。なのにそれさえほとんど開いていないから、閉める余地はないに等しいのに、肩ひもだけのサンドレスマダムは私に向かっても「空気がひやっとするでしょ?第一、汚染された空気が入ってくるのがイヤだわ」とおっしゃる。「そういう格好されてるからじゃないですか?」と失礼なこと言った私に「25℃になるって言ってたもの。だいたい、汚染された空気や塵が入ってくるのがイヤなのよ!」汚れた空気と言われても、パリやリヨン(大気汚染が有名)ならいざ知らず、ここはロワールの牧草地。見渡す限り、緑の野原と林しか見えません。
 ドライバーのお兄さんはできた人だったので、マダムをなだめるためにバス中の全ての窓を確認、上部が少しでも開いていると閉めて回ってます。
そうしているうち、シャンボール観光を終えた中国系の観光客が続々とバスに乗り込んで来て、ようやく落ち着いたマダム、気がつけばちゃんとカーディガンをバッグと一緒に持ってるじゃないですか。寒い!って騒ぐ前にカーディガンを羽織ってよ。
 まもなく、バスはシュベルニーに到着。さして期待していなかったお城ですが、なかなか見ごたえがありました。

 トウールに戻ってきたら、前を歩く男性がジロジロ見るのでイヤな予感。足を速めて追い越したら案の定話しかけられた。ボソボソと「中国式マッサージのお店知りませんか?」だって。まあ中国式マッサージって2種類あるからどちらか知らないけど、せっかくお城を回って良い気分だったのに、いっきに興ざめした日曜の夕暮れです。

画像はシュヴェルニーの村
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by cheznono | 2015-05-11 06:59 | 不思議の国フランス

タルタルステーキの憂鬱

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 パリのマドレーヌ寺院の地下にある食堂は、登録するとランチを8.50ユーロで楽しめるという大変ありがたいサービスを提供していて、いつも賑わっています。ハイカラなこの界隈では破格のお値段で、一応アントレとメイン、デザートが選べる、というのがミソ。内容とお味は学食に近いとはいえ、教会ボランティアと思われるスタッフの感じ良さも人気の秘密かも。
その登録カードの期限がもうすぐ切れることに気がついて、冷たい雨の中、久しぶりに行ってみました。

 その日のメインは、タルタルステーキかグラタン。そもそも、四つ脚動物はあまり食べない今日この頃なのに、何を血迷ったかついタルタルステーキを注文。スタッフのマダムが心配そうに私の顔を覗き込んで「生ですけど?」と言うのに、「まあ挑戦してみます」と返した私。生肉でも本当に大丈夫だろうか?
いやいや、確か昔学食でタルタルステーキを食した時は表面を焼いてあった。要はハンバーグの中身が生ぽいイメージだったし、たまには保守的な食生活から脱してみよう、と本気で思った時、登場したのは、スーパーで売っている挽きたてのひき肉そのもの、でした。
生ハンバーグなら玉ねぎやパン粉が入っているはずだが、そんな様子もなく、恐る恐る口にすると冷たい。えらく冷たい。うーむ。
そこへ、知的な印象の紳士が来て私の向かいに座り、同じものを注文。運ばれてきた皿のひき肉を付け合わせのソースとぐちゃぐちゃに混ぜて、パスタソースさながらにしてから、あっという間に平らげた。
ああ、ソースとしっかり混ぜればひき肉っぽさが消えるのね。でも、やはり私の一番の心配は食中毒なのです。確かユッケは日本で禁止になったはず。もう既に一口食べちゃったけど、このあとお腹を抱えてのたうちまわったらどうしよう?万が一O157とかが付いていたら命だって危ないかも知れない。なにせ私にはナマ肉に免疫がないのだから。

 くだんの紳士が途方に暮れている私に哀れみの目を向けているので、「牛の生肉って本当に健康上問題ないんでしょうか?」と聞いてみました。「はあ、と言うと?』「つまり、その寄生虫とか何か、、」と私の失礼な質問ににやっとして、「フランスではちゃんと基準が守られているから全然大丈夫」とのお答え。スタッフのマダムは一言も「だから言ったでしょう」的なことは言わないできた人で、私に同情して「野菜を足してあげるわ」と付け合わせの野菜チーズ炒めを足してくれました。
「頼む前にに周りで食べてる人の皿をチェックしなきゃ」と紳士からはごもっともなアドヴァイスを頂き、泣く泣くタルタルステーキは諦め、デザートのチョコタルトでなんとかお腹をくちくした次第です。
 結局生肉はわずかしか食べなかったにもかかわらず、しばらくお腹が消化にとまどっていたのは明らかですが、腹痛もなく無事に翌朝を迎えることができて本当に良かった。
しかし、このタルタルがもし、マグロのひき肉だからわさびと醤油でどうぞと出されたら、難なく食べていたかも知れません。
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by cheznono | 2015-05-04 03:08 | 不思議の国フランス

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 マリーアントワネットが処刑前夜に子供達を頼むという遺書を書き残した9つ年下の義理の妹エリザベート・ド・フランス。悲しいことにその手紙は義妹や娘のマリー・ルイーズ(マダム・ロワイヤル)に読まれることはありませんでしたが、天使のような人柄だったというエリザベートには以前から関心がありました。
 今やフランスでも過去に埋もれ忘れられた人物像の一人に数えられるそのエリザベート姫をテーマにした初めての展示会がヴェルサイユで開かれています。

 場所は宮殿からほど近いマダム・エリザベートの館。ネオクラシック風の屋敷の中は思いのほかシンプルで、ヴェルサイユの華やかさに比べると質素と言えるくらい。人懐こい反面、宮廷でのディナーや派手な遊びを好まなかったエリザベートの人柄が彷彿とされる佇まいでした。
 華美なドレスや宝飾品に国家予算をつぎ込んだと批判されたマリーアントワネットとは対照的に、おしゃれに関心を示さなかったというエリザベート姫の地味ながら品のあるドレスも展示されています。

 エリザベートは19歳のお祝いに兄ルイ16世からプレゼントされたこの屋敷と領地をいたく気に入りましたが、兄王から25歳(成人とみなされる年)になるまではこの屋敷に泊まることや男性客を呼ぶことを禁じられため、毎日宮殿から馬でこの屋敷を訪れては、庭の手入れや田舎風の暮らしを楽しんだそうです。
 信心深く思いやりがあり慈愛に満ちていたというエリザベート。領地内で収穫された作物やミルクを貧しい農民や孤児、病人達に配ったりと何かと世話を焼いたので、地元の人々からも慕われていました。

 彼女が結婚しなかったのは、兄王一家のそばを離れたくなかったからと、当時エリザベートに見合う外国の王子が見あたらず(求婚者が現れなかった)、唯一の候補がマリーアントワネットの兄でオーストリア皇帝のヨーゼフ2世でしたが、既に妻二人に先立たれた皇帝とは親子ほどの年の差だったため、彼女はこの縁談を渋り、フランスにとどまらせてほしいと兄王に懇願します。
ちなみにエリザベートは、信仰深い王女が任命されることの多かった修道院長の職も断っています。

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 しかし、25歳を迎えた年にフランス革命が勃発、エリザベートはこの屋敷に暮らすことなく、兄夫婦と共にヴェルサイユからパリに連行され、チュルリー宮に軟禁されることに。
革命を恐れた兄のプロヴァンス伯やアルトワ伯がそれぞれ亡命し、幼い頃から多大な影響を受けた叔母たちもイタリアに亡命。兄や叔母たちと一緒にいくらでも国外逃亡する機会があったエリザベートでしたが、彼らを援助こそすれ、自らはルイ16世一家と行動を共にすることを選択。
心底兄を慕っていたのと責任感から兄夫婦の元にとどまることを決意した強い意思の持ち主だったと推察されます。
 そして、エリザベートは亡命先のアルトワ伯と頻繁に連絡を取って、王制維持とルイ16世救出の機会を探ったようです。

 14、5歳でお嫁に行くのが普通だった時代に25歳で成人というのは何とも遅い感じですが、ブルボン王朝のプリンセスから突如フランス革命の怒濤に巻き込まれ、生死に関わる選択を決心するには充分に若過ぎる年齢でしょう。
 エリザベートはチュルリー宮からヴァレンヌ逃亡の際にも兄一家に同行し、逃避行失敗後はテンプル塔に監禁されて、マリーアントワネット処刑の翌年1794年5月に革命法廷を経て、ギロチン台に送られます。享年30歳でした。

 屋敷内ではエリザベートに関連ある品々を、そに奥にあるオランジェリーでは、エリザベートの生涯を紹介しているこの展示会は7月21日まで。嬉しいことに入場無料です。
http://elisabeth.yvelines.fr/
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by cheznono | 2013-06-18 14:35 | 不思議の国フランス

b0041912_1652046.jpg 早くも一ヶ月余りが過ぎましたが、今日は3月に4日間に渡りパリで開かれた本の見本市サロン・デュ・リーブルについて。
 私が行った日はあいにくの冷たい雨だったにもかかわらず会場入口は長蛇の列で、ダフ屋もたくさん出ているほど。その人気ぶりにはびっくりです。
 さすがはポルト・デ・ヴェルサイユ、アルベール2世公園で開かれるニースの本の見本市とは規模が桁違いで、半日程度では見切れないほどのブースの数に、思いっきり圧倒されました。パリってすごい!
 とはいえ、ニースやカンヌの書籍見本市もお勧めです。青空見本市だから参加作家たちがリラックスしていて、皆さんとてもサンパ、こじんまりしている分、ゆっくり全部を見て回れるし、入場無料です。パリは10ユーロ近くかかるというだけで一瞬ひるんだ私ですが、十二分に元が取れる内容で大満足でした。

 何せ参加した出版社(フランス国内はもちろん世界中から)やメディアの数も半端じゃない上、今をときめく人気作家の面々がキラ星のごとく並んでいるので、ファンにはたまりません。今年は日本が特別招待国ということもあって、日本に関するイベントも催され、日本の書籍の仏訳本コーナーも繁盛していたし、生け花のデモンストレーションも人気を呼んでいました。

 今年参加された日本人作家や漫画家は、角田光代さん、江國香織さん、島田雅彦さん、萩尾望都さん、ヤマザキマリさんなどなど22人。原発再稼働の反対を訴えたノーベル賞作家の大江健三郎さんを初め、討論会や対談に臨まれた作家も多く、多いに来場者の関心を引いた模様です。

 サロン・デュ・リーブルの魅力はなんと言っても話題の本や愛読書について、著者からじかに話を聴けること。中には贔屓の作家の全著作を持ち込んで、作家が悲鳴を上げるまで次から次に本を出してはサインをもらう男性も。
 作家たちにとってもサロン・デュ・リーブルはだいじな営業活動なので、それぞれブースに座り、通りかかった来場者に対して熱心に自らの著作の説明や宣伝をしてくれます。自分が全く知らない小説家でも、最新刊のあらすじを情熱をこめて話してもらったり、絵本作家や漫画家に目の前でイラストを描いてもらうと、つい本を買ってしまうのは、自然な成行きでしょう。
 作家から直接作品の魅力や著書への思い入れが聴けるコミュニケーションの場だからこそ、サロン・デュ・リーブルが多くの来場者(今年は19万人)を惹き付けるのもむべなるかな。
 実際、旅行鞄や大きなキャリーバッグを持ち込む人も少なくなく、会場内で買い込んだたくさんの本や雑誌などでパンパンに膨れたバッグを片手にタクシーで帰宅する姿も目立ちました。

 写真はこのブログでもご紹介した「恋は足手まとい」や「夏時間の庭」に出演した売れっ子俳優のシャルル・ベルラン。(「皇帝ペンギン」でも声の出演)
 ひときわたくさんの人が並んでいるブースが気になって横から覗いたら、シャルル・ベルランがいてその隣には人気ロックバンド:ディオニソスのボーカルで作家でもあるマティアス・マルジョ、その手前にはやはり俳優で作家のリシャール・ボーランジェが。思わず大興奮。特にシャルル・ベルランは、来場者一人一人に時間をかけて丁寧に応対していて、暖かい人柄が感じられます。
 既に歩き回って疲れていたため、これからまた列に並ぶのもなあと思い、ぶしつけに横からカメラを向けた私ににっこり微笑んで挨拶してくれたシャルル・ベルラン、なんてサンパで親切なんでしょう!
 昨年、モロッコ出身の母親の生涯について本を出版し、作家デビューも果たしたシャルル・ベルランは、歌手としての活動も開始して、この春にはアルバムをリリース。マルチな才能を発揮しています。
 最近、カーラ・ブルーニ・サルコジらと一緒にコンサートも開いたシャルル・ベルランですが、大統領選では社会党候補のフランソワ・オランド氏を支持。因みに彼と同世代の人気俳優ヴァンサン・ランドンも積極的にオランド氏の支持に動いています。大統領選の決戦投票まであとわずか。オランド氏優勢とはいえ、刻々と変わる投票予想からは目が離せないGWです。
 
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by cheznono | 2012-05-01 16:45 | 不思議の国フランス

b0041912_1565951.jpg 今ひとつ盛り上がりに欠けたカンヌ映画祭も昨日で終わり、今週はモナコのグランプリが開幕するコートダジュール。既に日差しはすっかり夏で、ニース市内にはいかにもリゾート地ぽい気の抜けたようなムードが蔓延中です。
 フランスはこの1週間あまり、先日ニューヨークの一泊25万円というソフィテルのスイートルームで、黒人メイドさんに暴行事件を起こしたかどで逮捕された元IMFトップ、ドミニーク・ストロスカーン氏の事件で鉢をつついたような大騒ぎでした。
 国際舞台で活躍するストロスカーン氏(略してDSK)は国民的人気のある社会党のスターで、来年の大統領選で彼が立候補すれば当選間違いないと言われた人物。妻公認の女好きは有名で、現代のカサノヴァとも言われるDSK。女性の方もほおっておかないというもてぶりだったとか。事件の前夜には謎のブロンド美女と食事する姿が目撃されています。
 フランスよりも遥かに性犯罪に厳しい米国では、とんでもない変質者とか倒錯者、金と権力に溺れて何をしても良いと思っている傲慢さ、などという報道も目立ったそうですが、フランスではDSKが誰かの陰謀にはまったのでは?という見方も少なくありません。
 経済財政部門で辣腕をふるい、女性にも不自由しなかった筈のDSKが、果たして昼間の1時過ぎ、娘とのランチの約束の直前に、部屋の掃除に来たメイドにいきなり淫行を強要して、襲ったものかどうか。
 私の周りの女性陣は、「権力欲の強い男は女性に対しても横暴でどうしようもない」という厳しい意見が殆どの反面、どうも男性の方が「いくら何でも考えにくい」という感想が多いような。。

 そんな中、祖父の莫大な遺産を相続したため大金持ちの元キャスターの奥さんアン・サンクレールは全面的にDSKを支援。1億円近い保釈金+4億円の保証金や警備の費用、滞在用のアパルトマンなどは奥さんが出資したため、度重なる不倫や艶聞にもかかわらず、夫を支援し続ける姿が、ピューリタニズムを建前にするアメリカ人にはことさら奇妙に映るようです。
 推定被害者のメイドさんは、ショックで震えが止まらず、大変なトラウマを抱えているため、厳重にかくまわれていますが、事件後すぐに彼女から「ひどい目に合った」という電話を受けたという兄弟を名乗る男性は、実は男友達で血縁関係はなかったなど、謎は深まるばかり。 
 弁護側は私立探偵を雇って被害者の周りを洗っている最中で、当日、スイートルームで起きたことは同意に基づく行為だったということを証明する戦略に出る模様です。
 一方、支持が20%を切り、来年の大統領選の再選が危ぶまれていたサルコジ現大統領は、最大のライバルが失脚した上に、歌手兼女優の奥さんカーラ・ブルーニが懐妊(双子の噂も)したため、今後は理想のパパ像を全面に打ち出して、人気挽回を図るのでは?との見方が濃厚。
 もしかして、誰かがメイドに大金を払ったのか、それとも本当にストロスカーンが色魔と化したのか?ハリウッド映画を地で行くような成行きに、フランス中が息を飲んで経過を見つめています。

 写真は《美術館の夜》の日のアンティーブ、グリマルディ城のピカソ美術館。7年前にジャック・ラング文化相によって創設されたこのイベント、フランス中の主立った美術館が夕方6時からタダで解放され、この日は特別に10時過ぎまで開館されます。
 欧州メディアの統計によると、18歳〜49歳までの首都圏在住の日本人のうち、一度も美術館や博物館、劇場に足を運んだことのない人がなんと42%も。人口が多いから難しいかもしれないけれど、文化省も思い切って《美術館の夜》のようなイベントを企画してくれれば、もっと美術館が身近になるかと思うのですが。  
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by cheznono | 2011-05-24 01:58 | 不思議の国フランス

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  この夏、マンハッタンの高級ブティックやエンパイヤーステートビルなど、ニューヨークのあちこちでナンキン虫が繁殖して大騒ぎになった、という報道から3ヶ月経った11月末、ちょうどパリのホテルに泊まっていたら、ニューヨークのナンキン虫がパリに上陸したというニュースが流れたので青くなりました。
 だって、まずナンキン虫騒動に震え上がったのは、米国人旅行者の利用が多いパリのホテルというではないですか。ナンキン虫が一度ベッドやシーツに取り憑くと、もう始末に負えないそうで、個人で駆除するのはものすごく難しいとか。何せメスの生む卵は500個にも上るため、その繁殖力は推して知るべし。
 よって、パリ市の衛生局も対処に乗り出し、既に600件以上駆除しているし、害虫駆除業者の電話は鳴りっぱなしで、大忙し。今やホテルだけじゃなくて、パリの普通のアパルトマンがナンキン虫の恐怖にさらされているなんて、そら恐ろしい。
 駆除業者によると、汚いアパルトマンから高級住宅街のきれいな住宅まで、ナンキン虫は所を選ばず広がっているようです。ベッドに取り憑くナンキン虫はまさに小さい吸血鬼で、さされると一週間は絶えられないようなかゆみに悩まされるのが特徴。
 ナンキン虫は温度が13℃以下だと活動を停止するらしいのですが、雪に見舞われた寒いパリでなおも話題になるのは、たいていのアパルトマンがセントラルヒーティング利用で室温が高いためでしょう。
 もちろん、既にパリだけでなく南仏トウールーズを初め、ナンキン虫はフランス中あちこちに出没しています。
 加えて、子供の頭にたかるシラミも増加中らしく、学校でシラミを移された子供に親がいくら除菌シャンプーを使っても効果が見られなくて、困りきっているという話も。シラミに耐性ができてしまって、市販の虫除けシャンプーではなかなか駆除できないのが現状なのだとか。
 なんとフランスの子供の30%が、シラミの保持者というから、旅行者だって人ごとではすまなくなるかも知れません。
 こうなると、うっかりTGVの背もたれに頭をつけることもできないじゃないの?と思いますが、やっぱり電車や飛行機などの乗り物は、ナンキン虫やシラミが移動する格好の場所なので、用心するようにと報道されています。
 しかし、どうやって避ければ良いのでしょう?頭にシャワーキャップをかぶってTGVに乗るわけにも行かないし、防護服を着て飛行機に乗るわけにも行かないのに。パリに劣らずニューヨークとの行き来の多い東京に、ナンキン虫が上陸していないと良いのですが。。
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by cheznono | 2010-12-16 01:47 | 不思議の国フランス

ネズミ騒動

b0041912_032436.jpg 11月としては異例の寒波で、早くもあちこち雪が積もったフランス。さすがのコートダジュールも例外ではなくて、朝夕はかなりの冷え込みです。それでも、パリの凍り付くような寒さとは違うけど。
 どうも何かとついてない11月でした。今回は電気料金を自動引き落としにせず、請求書を持って郵便局に払いに行ったら、銀行カードで支払った後で、「手数料3ユーロ頂きましたよ」とさらっと言われた。えっ!郵便局で電気代を支払うと手数料3ユーロもかかるの?「現金で支払えば良かったんですか?」と聞いたら、現金でも手数料は変わらないのだとか。

 ウィンドウショッピングはしても、もはや殆ど洋服は買うことのないこの頃だけど、ほしかった編み込みセーターを見つけたので、2週間も迷った挙げ句に購入。40ユーロのセーター1つでも、やっと決心して買ったのに、うちで試着してみたら、なんと袖口の毛糸が切れている。
 翌日、すぐにお店に持って行ったら、もう私のサイズが残ってないという。フランス中どこにでもあるチェーン店だから、「自分で他の店に行って、サイズを探して交換してね。」と言われ、がっくり。
「隣町でもパリ店でもどこでも良いのよ。」と言うけれど、サイズが合わなかったのならともかく、毛糸の切れた不良品だったのに、自分で交換品を求めてよその街まで探しに行かなきゃいけないなんて、ついてない。ユニクロなら、セール品でも他店舗から取り寄せてくれるのに。
 ぶつぶつ言いながら店を出て、ふとショーウィンドウを見ると、私の買ったセーターが飾ってあるではないですか。急いで店内に戻って、サイズを見てもらったら、ばっちり私のサイズでした。あー良かった。

 そんな朝がた、うとうとまどろんでいたら、ベッドの枕元、頭の上の方を何かがかすめたような気がして、飛び起きました。
 一瞬、ベッドの端に見えたのがハムスターのような生き物。まさかネズミ?そんなばかな!?
 敵はあっという間に視界から消えたので、寝ぼけただけという気もするが、ベッドの下でガタンと音がしたのは確か。でも、あとはしーん。
 あまりの驚きに頭から布団をかぶって善後策を考えたけど、良い案が思いつかない。だいたいどこから寝室に侵入できたのか?食べ物はいっさい置いてないけれど、お天気が良かったので、昼間少し窓を開けていたせいかしら?
 噂によると、うっそうとしている庭には体調25cmほどのネズミが住んでいるらしい。でも、私がベッドで瞬間見たのはハツカネズミほどの小さい生き物です。
 その日、大家さんはイタリアに栗拾いに行って不在だったため、ネズミ騒動を相談することもできず、かといっていつまでも布団をかぶっているわけにもいかないので、恐る恐るベッドの下を覗いてみたら、、、ネズミの陰も形もありません。敵はどこに消えたのか?
 折しも大家さんの猫が台所に朝ご飯を貰いに来たので、いかにも迷惑そうな猫を抱えて寝室に戻り、ネズミを探すように依頼。でも、明らかに猫は気乗りがしない様子で、真面目に探索してくれません。ということは、ネズミの匂いがしないのかも?
 仕方なく、その日は一日中窓を明けっ放しにして、ネズミが出て行ってくれるよう祈るのみ。
 夕方遅く、栗拾いから帰宅した大家さんと一緒にネズミの出入りしそうな穴を探したけど、どこにも見つからず、ネズミが嫌うというラベンダーとレモンのオイルを寝室中にまき散らして、ようやく一件落着?というか、それ以来ネズミは現れないので、無事に出て行ってくれたのでしょう。
 
 写真は、カーニュ・シュル・メールの栗祭り。ついてない11月の中で、これはなかなか楽しいお祭りでした。栗祭りのマルシェは意外に規模が大きくて、シャンゼリゼのクリスマス・マーケットにも劣らない賑わい。友達がお勧めというグリーントマトのジャムを買って帰りました。スイカのジャムにも興味があったけど、今回はパス。
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by cheznono | 2010-11-30 00:05 | 不思議の国フランス

パリでデモに参加

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  お陰さまで、パリではグラン・パレで開催されている話題のクロード・モネ展も鑑賞でき、会いたい人にも会えたし、年金改革反対デモにも参加したりと、滞在を楽しめました。それなりの思い出を胸に帰途についたものの、帰りのTGVも朝と夕方遅くしか動かないとのこと。仕方なく、朝のラッシュアワーをくぐって、9時40分のTGVに乗り込んだ私。パリリヨン駅のホームで確認した所、行きと同じく最後の4両の車両ならどこに座っても自由と言われたので、またしっかり一等車の4席を一人で独占していました。
 で、エクサン・プロヴァンスまではノンストップの列車の中でまどろんでいると、車掌さんに起こされ、切符のチェック。寝起きでぼーッとしている私を見下したように車掌は「マダム、あなたは一等車に座っているんですよ、切符はニ等車なのに」と冷ややかに告げるではないですか。「ホームの国鉄職員の女性が、どこに座っても構いませんよ」って言うから、ここに座ったのに?と抵抗する私に車掌さん、「誰がそう言ったか知らないけど、このTGVの責任者は私です。この4両の間なら座って構わないけど、二等車の切符の人は二等車に座らないといけません」はあ?いったいどうなっているの。誰のせいで、自分が前もって予約した電車に乗れないのよ?
 私は、ストでご不便ご迷惑をかけられた乗客へのせめてもの償いとして、一等車に座らせて貰っていると信じていたので、車掌の言葉にふくれっつら、しばし奮然としてしまいました。
 
 くだんの車掌は車両の奥のお客の切符を確認しながら、何やら話し込んでいます。すると、嫌々立ち上がって車両を移ろうとした私の所に戻って来て、手を振り、「マダム、やっぱりそこに座っていて下さい」だって。車掌の態度の豹変にぽかんとした私を振り返りもせずに、さっと次の車両に消えて行きました。やれやれ。
 私たちのやり取りを見ていたカップルが「こんなにガラガラなのに、当然よねえ」とニコニコしています。恐らく、奥に座っていたムッシュウが、私より遥かに論理的、理性的にストの影響で別の電車に乗ることを余儀なくされた乗客が一等車に座る正当性を主張したに違いありません。
 その後、ほぼ時間通りニースに到着してほっとしたのもつかの間、ニースではバスもトラムも走ってなくて、数台のタクシーが稼ぎ時とばかりにフル回転しているだけでした。あー、本当に疲れる国。
 バス停に座っていたかわいいお爺さんが「バスない、バスない」と教えてくれたので、「またストのせいですね」と言うと、「ニコラのせいだよ」とにっこり。その通り、全てニコラ・サルコジ大統領の金持ち優遇税制+年金改革のせいだわ。パリで反対デモに参加しておいて、本当に良かったわ。
  フランス人の年金改革への抵抗は非常に強くて、特に大手の燃料製油所がストによる封鎖で麻痺しているため、とうとう大統領命令で警察が乗り出す事態に。政府は必死で大丈夫と言っていますが、燃料不足は深刻で、今日から約10日間のヴァカンスに突入というのに、ガソリンが足りないガソリンスタンドが続出。ニースでも一人49リットルまでしか買えません。うちの大家さんもガソリンを求めてイタリアに行って来るそうです。
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by cheznono | 2010-10-23 23:20 | 不思議の国フランス

ゼネスト中のパリ往復

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  年金改革への抵抗・連帯ストの真っただ中、何とか無事にTGVでパリに行って来ました。とはいえ、往復とも自分が予約していた電車はあっさりキャンセルに。何せここ10日間、ニース-パリ間で動いたTGVは一日2本のみ。それもニース発は連日朝の6時半発と夕方16時半発だけ、マルセイユ発パリ行きは結構動いているのですが、そのマルセイユまで行くローカル電車がないのですよ。
 旅行当日、パリ到着が22時過ぎと遅いためちょっとひるんだけど、朝のTGVは始発のバスが間に合わない時間のため、やむなく夕方のTGVに乗ることを決断。しかし、果たして全席指定のTGVで、私のような他のTGVから流れた客は座れるものだろうか?第一、乗客が多過ぎて、旧正月前の中国の里帰り列車みたいな混雑状況だったらどうしよう。
 前日の夕方に駅で確認すると、最初の駅員は冷たく言い放ちました。「明日の切符を持っているならTGVには乗れるけど、席はもともとその電車の予約を持っている人優先だから、まあ座れないかもね」なんとパリまで5時間半も立って行けとおっしゃる?
 それはないよねと、今度は見栄えも感じも良い駅員さんを見つけて、同じ質問をぶつけてみました。「大丈夫、大丈夫。あなたのように他のTGVの予約を持っている人のための車両をもうけてあるから、絶対座れますよ。僕が保証する。何なら明日の出発15分前にここで僕と待合せしましょう」ばかに調子が良いけど本当かね?
 でもまあ、ひとまず安心してうちに帰り、友達に「イタリア人みたいな駅員さんが座れるって保証してくれた」と話すと、「そんなのいい加減なでまかせ言ったに決まってるじゃない」とばっさり。あー頭イタい。
 翌日、本当ならもうパリに着いている時間なのにとぼやきながら、1時間以上前に駅に向かった私ですが、案の定、出発直前になってもくだんのイタリア系駅員さんは現れず、席を確保してあげるから待ち合わせしようなんて、やっぱりでまかせだったのね、と苦笑い。
 でも、結論から言えば、しっかり一等車に座れました。ホームで聞いた所、長ーいTGVの最後の数両の車両ならどこに座っても良いとのこと。だったら、そういう風に駅構内に明記するか、アナウンスしてよね。何にも情報がないと、荷物を引きずってぐるぐるしたりと戸惑うじゃないの。
 結局、2階建てTGVの上階はガラガラでした。下階の二等車もガラガラ。眠れないほど心配して損したわ。
 因みに、スト中だと電車はわずかしか動かず、対面販売の切符売り場も閉まっているけれど、駅構内に駅員さんはゴロゴロいました。主要なデモがある日以外は、スト中でも働く人が多いのは、やっぱりこの経済危機のさなかに無給で何日もスト参加するのは懐にイタいと躊躇われるからでしょうね。つづく
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by cheznono | 2010-10-23 00:40 | 不思議の国フランス