カテゴリ:プロヴァンス賛歌( 39 )

サクランボの美しい村

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 南仏は連日強い日差しが夜9時過ぎまで照りつけて、暑くてたまりません。ニースは毎日28℃と言うけれど、湿気が強くて、海風が吹いても体感温度はもっとずっと高く感じられます。それでも35℃のマルセイユやエクス辺りよりはマシな筈ですが、やっぱりエアコンのない夏ってしんどいですね。
 急に気温が上昇したので、プロヴァンスの赤い宝石と呼ばれる大粒サクランボや大きな杏の実も完熟を通り越して、そろそろ終わってしまいそうです。アビニョン郊外の友達の家の庭には、大きなサクランボの木が一本植わっていて、6月になると家族が集まって、男性陣が木に登っては一気にサクランボ狩りをするのが恒例になっているのを思い出します。 
 アビニョンやカルパントラに近い小さい村ヴェナスク。ここは全国で120余りある「フランス一美しい村」の一つに選ばれていて、お城はもう廃墟になっていますが、ローマ時代からの古い洗礼堂やロマネスク様式の教会が残る鷲ノ巣村です。
 「美しい村」に選ばれている割にあまり知られていないヴェナスクは、ひっそりしたたたづまい。でも、バントー山を目の前にする雄大な景色と静けさに魅せられた画家やアーティストのアトリエが幾つか軒を連ねています。
 そして、このこじんまりとした村はプロヴァンス一のサクランボの生産地でもあります。きっと、人口千人余りの村人達の多くが農業に従事しているのでしょうね。写真は、中世にサラセン人の攻撃から守るために村を囲んだ城塞で、村の規模に比べてその大きさには圧倒されました。次回は是非サクランボの季節に訪ねてみたい村です。
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by cheznono | 2008-06-29 02:37 | プロヴァンス賛歌

b0041912_18323659.jpg 先日、友達の代理でエクサン・プロヴァンスのマダムに電話した時、「エクスには来ないの?気軽に寄って良いのよ」と言ってもらったのですが、あいにく今回はエクスまで行く予定がなくて、と答えた私。なのにその2日後、ニースの友達が「土曜にエクスに行くから来ない?」と誘ってくれました。
 「でも、エクスで何するの?去年の秋にも2回行ってるし、ただそぞろ歩くだけなら今回はパスかな」と腰の重い私に「土曜はマルシェが立つし、車で行けるチャンスは滅多にないんだから行こう」と背中を押され、渋々6時起きでエクス行きに便乗することになりました。
 高速を飛ばして2時間半余り、セザンヌが住んでいた黄色い家の前を通過して、薫風香るエクス到着。市庁舎前の花市を見てから、かわいい女性巡査に聞いた所、朝市は野菜や果物の他に、洋服や骨董市も立っているとのこと。それなら、ここまで来た甲斐があるかもと、眠い目をこすりながら早速マルシェ巡りに繰り出した私たち。
 さすが、ブルジョワの街だけあって、エクスは野菜果物マルシェも陳列の仕方がニースよりもずっとおしゃれ。見てるとお客さんはエクソワ(エクスの住民)と観光客が半々くらいの印象で、いわゆるプロヴァンスのお土産的な品物は高めですが、プロヴァンスの肥沃な大地で収穫される野菜や果物は、ニースよりも質も良く、値段も割安でした。
 さんざん試食したり説明を聞いて、骨董市をからかったりしながら、そぞろ歩いただけで、たちまち3時間近くが経過。マルシェも店じまいに入ったので、小道の脇に見つけたギリシャ式サンドウィッチのお店で、2.70ユーロの格安サンドウィッチをさらにお負けして貰ってお昼をすませました。
 結局、私が買ったのはニンニクの束と、南イタリアの大粒オリーブの瓶、ニンニクの酢漬けくらい。この酢漬けは全くニンニクの後味が口に残らない優れもので、すごく気に入りました。友達の戦利品は、買い物カゴや生地、ラヴァンディンオイル、茄子の漬け物、赤ピーマンのペースト、エストラゴンなど。
 今まで「ああエクサン・プロヴァンス!この何とも言えない雰囲気が大好き」というフランス人達のノリに、今ひとつ付いて行けない私でしたが、穏やかに晴れた昨日のエクスは、プラタナスの緑もまぶしく、人々は話好きで親切で、いかにも財布の紐の固い私に結構お負けしてくれたし、とっても楽しく歩くことができました。
 その後、マルセイユ郊外に新しくできたIKEAに移動。あれこれ買い込む友達に付き合って、4過ぎから閉店の8時まで、ずっとIKEAの中をうろうろ。夕食もIKEAの食堂で4.50ユーロの野菜タルトで済ませ、やっと帰りの高速に乗ったのが9時近く。11時半にニースに戻った時にはもうくたくたでしたが、お陰さまで先週とは一転し、フランス暮らしも案外悪くないかもって思える一日を過ごすことができて、満足です。 
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by cheznono | 2008-06-15 19:38 | プロヴァンス賛歌

アビニョンのクリスマス

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 久しぶりにアビニョン郊外の友人宅を訪ねて、冬のプロヴァンスを堪能して来ました。ニースから3時間余り。かつて何度も利用したアビニョンTGV駅の板張りのホームに降り立った時は、懐かしさで胸が熱くなるほどでした。
 先月はマイナス10℃の朝もあったというアビニョンですが、12月初旬は穏かに晴れ、ヴァントー山を囲む夕焼け空が澄んで、とてもきれい。ポプラの冬木立の足元には、すっかり葉を落としたぶどう畑が続いています。でも、刈入れの終わった筈のぶどうの枯れ枝には、なぜか大粒のぶどうの実がたくさん残ったまま。なんてもったいないんでしょう。
 プロヴァンスではスペインからの季節労働者の手を借りて、秋に一回目の収穫を終えてぶどうを出荷すると、その後のぶどうは摘まずに枝にほおって置かれるのだとか。ふどうも生産過剰のため、刈入れに費用をかけると赤字になってしまうのだそうです。
 さて、ここでも着々とクリスマスの準備が始まっていて、リュベロンの小さい村々でも順番にクリスマス・マーケットが開かれます。今回楽しみにしていたアビニョンのクリスマス・マーケットは、以前よりもお店が増えていて、まるでここはアルザスか?と錯覚しそうなくらい華やいだマルシェとなっていました。
 各ログ・キャビンは、出店者によって丁寧に飾られ、クリスマスの雰囲気がおしゃれに演出されているので、見ているだけで浮き浮きして来ます。ユーロが高過ぎて、何も買えないのが残念ですが、見物だけで結構満足できました。マルシェの前の市庁舎では、クレシュ(キリスト生誕群像)が公開されています。
 エクサン・プロヴァンスでの講演に呼ばれていた友人達と一緒に、再びエクスにも行って、ミラボー通り沿いのクリスマス・マーケットも見て歩きましたが、エクスのマルシェは規模が小さめ。地元の生産品を売るお店が多いアビニョンに比べて、各国の名産を扱っているお店が目立ちます。クリスマス用に儲けられたテント内では、イタリアやドイツなどのお店に混じって日本店も出ていて、手作りかりんとうを味見させて貰いました。
 ニースのクリスマス・マーケットは明日から。準備中の公園横のマセナ広場では、なぜかサンタさんが二人、手持ち無沙汰にうろうろしていましたが、太陽さんさんの椰子の木の下では、サンタも浮いて見えますね。
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by cheznono | 2007-12-10 00:32 | プロヴァンス賛歌

エクスの手芸見本市

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 マリークレール・イデという手作り大好き派に評判の季刊誌の主催する手芸クラフトの見本市が、先月のパリに続いてエクサン・プロヴァンスで開催されたので、高速バスに乗って出かけて行きました。
 この見本市は今回の滞在で楽しみにしていたイベントの一つ。気合を入れて見に行ったのですが、会場になっているカジノの建物に入っても、見本市の案内はごく小さくて、あれ?という感じ。案の定、パリとは違い(と言ってもパリのは行ったことなし)エクスまで来ると、参加するアトリエは少なめになってしまうようです。それでも、初めて見るクラフトやユニークな発想の作品を紹介するアトリエが集まっていて、なかなか楽しい見本市でした。入場料は10ユーロ。今の為替レートだと1650円だから結構高いのですが、はるばる出向いた甲斐はありました。
 参加しているアトリエは、刺繍、布小物、セラミック、電灯の笠、アクセサリー、ステンシル、ビーズ、スタンプ、石膏細工などさまざま。一般の手芸系見本市とは違い、比較的大きな会社は少なくて、殆どが個人の小さいアトリエの参加なのが新鮮です。近年、日本で大人気のカルトナージュは、一人で作っているというマダムの小さいデスクが出ていて、厚紙をカットして布の張り方のデモンストレーションを見せてくれました。
 しかし、毎日20℃、太陽さんさんを享受しているニースから、2時間ちょっと高速を走っただけのエクスに着いたとたん、猛烈なミストラルの強風にあおられて、身体がこちんこちんになり、飛ばされないようにするのが精一杯。予報でニースより5度くらい低いのは覚悟していたので、ジャケットとマフラーは用意していましたが、それでは甘かったです。手袋が恋しいほどの寒さの中、プラタナスの並木道からミニ竜巻のように枯れ葉が舞い上がっては顔を直撃し、目を開けていられません。かつてアビニョンにも滞在していたことがあるのに、プロヴァンスの秋は過ごし易い日ばかりではないことを改めて思い知らされたエクス行きとなりました。
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by cheznono | 2007-11-12 06:21 | プロヴァンス賛歌

マルセイユ初探訪

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 枯葉の音が似合うパリを通過して、暖かいニースに戻って来ました。とはいえニース市内に出る間もなく、マルセイユに行こうと友人夫妻に誘われたので、昨日早起きしてついて行きました。
 何度も計画しながら、未だに訪れたことがなかったマルセイユは、聞きしに勝る雑然とした印象で、街中はパリの西駅とモンマルトルを足したような雰囲気。やたらにおまわりさんが目立ち、観光客よりは遥かに警官の数がまさっているように見えます。旧港に出てた魚のマルシェのおばさんにも、お財布には充分気をつけるようにと注意されましたが、でもスリの数は観光客がうようよしているニースとさして変わらないのではないでしょうか?
 旧港に面しているミラマールという古びたレストランが、本物のブイヤベースを食べさせることで有名だそうですが、一晩煮込むため前日までに予約が必要なのと、予算も60ユーロ(一万円弱)とお高いので、ふらっと食べに寄れるお店ではなさそうです。
 旧港の近くで安くておいしいお魚を食べた私たちは、一通り市内を歩き回り、夕方、マルセイユ初探訪の私のために丘の上のノートルダム・ド・ラ・ギャルド聖堂に向かおうとドライバーがゆっくりと運転を始めたとたん、携帯が鳴りました。徐行していたドライバーは返事をしたけれど、相手の声が聞こえないらしく、「アロー?アロー?」とだけやっていると、運悪く警官が止まれの合図をするではないですか。警官は楽しげに仲間と雑談しながら、事務的にドライバーの免許証と保険証を確認し始めました。
 私たちは特に交通違反をした自覚がないのに、同僚と談笑しつつも、やたらに注意深く免許証などをチェックしていたおまわりさん、いきなりドライバーに向かって早口でまくし立て始めました。「ムッシュウ、あなたは運転中にもかかわらず、携帯電話にめちゃくちゃ集中してましたね。これは違反ですよ、はい罰金。」だって。ちょっとひどいと思いましたが、普段はすぐに頭に血が上るドライバーが思いがけずひと言も言い訳せずに、違反用紙を書き込まれるのを我慢強く待っています。
 たまたま携帯が鳴ったのが運のつき。しかも、間違い電話だったらしく、発信番号に心当たりはなくて、その後二度とかかって来ません。
 警官はたっぷり20分かけて、違反用紙を書き込み、ドライバーに3500円余りの罰金の請求書を渡して、やっと解放してくれましたが、全くもう、仕事をしているぞというパフォーマンスするなら、もっと怪しい人を捕まえてよと呆れる出来事でした。これも、ついに離婚が成立したサルコジ大統領の取り締まり強化作戦の一環かと思いますが、治安の悪い街ならばこそ、ポリスにはもっと有益な仕事をして貰いたいものです。
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by cheznono | 2007-10-18 07:42 | プロヴァンス賛歌

真夜中のサン・トロペ

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 昨日のコートダジュールはどんよりと雨がち。ニュースによると、フランスでは毎回13日の金曜の交通事故率が通常の日に比べて高いそうで、迷信的だけどドライバーは充分注意するようにと呼びかけてました。やっぱり今でもカトリックの見えない呪縛があるのか、13日の金曜日には事故率が上がるなんて、人間の心理って不思議なものですね。
 さて、トウーロンのイケアでベッドを買ってから、荷車の後ろ板を落とし、高速で警察に捕まった後、林の中の植木屋経由で知人宅で遅い夕食を頂いた私達は、夜11時に暇乞いをしてニースへの帰途に着くかと思ったら、ドライバー夫妻は約束どおり私にサント・ロペを見せるからと海の方向へ走り出しました。結構義理堅いのは嬉しいけれど、これじゃあニースに戻るのが朝の3時過ぎになっちゃうじゃない?
 アンティーブ程度のこじんまりした町で、カンヌのように高級ブティックが並んでいる所、と聞くサン・トロペですが、「あんなスノッブな町、スターに会いたいミーハーが押しかけるんだよ。」と言い切るフランス人も多いため、以前はあまり関心がありませんでした。けれど、シーズンオフのサン・トロペは意外に庶民的で、漁村の雰囲気を残しているとか。その点はカンヌに共通するし、町並みがとても美しいという人も少なくないので、やっぱり一度は見てみたいものです。
 「夜中のサン・トロペもイルミネーションがきれいでなかなかだよ」って夕食をよばれた家でも言われた私達を待っていたのは、闇の中に沈んだサン・トロペの海辺でした。確かにイルミネーションはきれいだけど、復活祭のヴァカンス中と言うのにセネキエなどの有名カフェを初め、レストランなどは殆ど閉まっています。夜11時半に開いている店がないなんて、観光地とは思えない早仕舞い。お金持ちのヨットが揺れる港も、想像以上に小さい感じでした。
 近眼の上に鳥目の私には印象が薄かったけれど、海辺の町並みはリビエラらしいピンクや黄色のパステルカラーの家並みが連なっていて、昼間ならさぞかしかわいい町に違いないでしょう。近代絵画の良い美術館もあることだし、次回は是非ゆっくりしたいものです。
 真夜中のサン・トロペの散歩を終えた私達は、頭上に折り畳みベッド、後ろにミズゴケの袋をびっしり詰めたごつい大荷車を引いた姿で再び高速に乗ってニースを目指し、晴れて帰宅したのは2時過ぎ。何と長い一日だったことか。ハプニングだらけだったけど、13日の金曜じゃなかったのは幸いだったかも知れません。
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by cheznono | 2007-04-14 08:19 | プロヴァンス賛歌

遠かったサン・トロペ

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 さて、イケアのパーキングに戻ったものの、どこにも荷車の板は落ちていません。分厚い大きな板だから道路脇に寄せられているかと期待けれど、とうとう見つけることができず、仕方なく私達はまたサン・トロペ行きの高速に乗り直しました。
 あんな板を高速上に落としたら後続車は事故を起こしかねないのでとんでもないことですが、でも万が一高速上に落下したかも知れず、サン・トロペ手前の植木屋とのランデブーの時間も迫っていたため、さっき婦人警官に忠告されたもののドライバーは国道をのろのろ行く気はなかったわけです。
 相変わらずミストラルはびゅんびゅんで、頭上の折り畳みベッドはあおられてガタガタ。右手でハンドル、左手は窓から出して天井のベッドを押さえて走っていたドライバーを再び見つけたのが、オーララ、また例のパトカーでした。いくら農業国フランスでも後ろに大荷車を連結して高速を行く車なんて見たことないですから、そりゃあかなり目立った一行だったのでしょう。
 やむを得ず、また高速脇に停車すると、今度は警官が3人も降りてきて、例の婦人警官がキンキン叫びました。「ムッシュウ!さっき私が国道を行けって言ったでしょ。今も50キロで高速を走ってましたよ!」ハイ罰金ということになり、請求書を書くからそこで待つようにと言うので、我々は強いミストラルに吹かれながら、車の天井のベッドをくくり直していました。
 もう夕方6時。友達は私を見て、「あなたサン・トロペが見たいからって着いて来たのに、思わぬ冒険になっちゃったね。」とすまなそうです。サン・トロペどころか今日中にニースに戻れるかどうかも何だか心配でしたが、ポリスに捕まってしまったのでは仕方ありません。
 さんざん待たされた挙句、なぜか3枚もの違反通告書を渡され、罰金の合計はなんと2万6千円余り。ベッドとマットレスの値段をずっと上回る額です。「高速料金を使っても安いからってトウーロンまで来たのに、なんてこった。イケアは鬼門だ!もう2度とイケアには来ないぞ!」とドライバーは頭から湯気を出してます。既に植木屋の閉まる時間なのに、かくして林の中の国道を行くことになりました。
 高級別荘地のイエールを抜け、田舎道を延々と走った後、やっと森の中に目的の大きな植木屋を見つけたのが7時半。電話で頼んだため、幸い植木屋は帰らずに待っていてくれました。ここはチリからのミズゴケを輸入しているうフランス随一の植木店で、ドライバーは庭用のミズゴケを50キロ分も買い込み、植木屋が落とした後ろ板の代わりに網を張ってくれたので、ミズゴケを荷車に積み込んで店を後にしたのが8時過ぎ。それから、サン・トロペ郊外に住むドライバー夫妻の友達宅で、バスク風チキンの夕食をご馳走になりました。
 おいしいボルドーを振舞われたドライバーは、「いろいろあったけど、予定をちゃんとこなしたから結構良い一日だったな。」なーんて、ケロッとしています。あんなに怒っていたし、手元には2万6千円の罰金通告書があるのに、なんて立ち直りの早いこと。さあ、ニースに帰ろうと立ち上がったのは夜11時前でした。
*問題の大荷車はアイルランドで馬が引いてるようなごつい台車で、写真の荷車よりもっと大型です。
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by cheznono | 2007-04-09 19:59 | プロヴァンス賛歌

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 日本でも撤退したカルーフールの跡地に開店したスウェーデンの大型家具店イケアが人気のようですね。復活祭のヴァカンス客が増えだした今週明け、友人夫妻がトゥーロン(マルセイユの手前の元軍港)のイケアにベッドや棚を買いに行くから来ない?と言うので、「帰りにサント・ロペに寄るから」という甘い言葉に誘われて、朝11時にニースを出発しました。
 友人は愛車のボロ日産車の後ろに大きな荷車を連結、この大荷車を引きながら高速を飛ばしてトゥーロンに向かい、お昼はイケアの食堂で私は魚を、彼らはスウェ-デンの人気料理:イノシシの肉団子を食べた後、だだっ広い家具店内を回ってベッドなどを買い込んだまではまあスムーズに済んだのですが、その後が大変でした。
 イケアで買った安いメタルベッドをなぜか荷車ではなくて車の天井にくくりつけ、薄いマットレスや棚などは車のトランクに入れて、後ろの大きな荷台はカラのままイケアの駐車場をどすんどすんと出たのが午後4時半。次の目的地はサント・ロペ手前の大型植木店です。
 さて、サント・ロペ方面の高速に乗ったものの、さすがプロヴァンス、折りしもミストラルがびゅんびゅん吹きまくっていたため、車の上にくくりつけた折り畳みベッドはガタガタと向かい風にあおられて、下手をしたら飛ばされてしまいそう。ドライバーは窓から片手を出して、頭上のベッドを押さえています。
 そして、はっと気がついたら、引いている大荷車の後ろの板が消えているではないですか!つまり台車を形どる4辺の板のうち後ろの部分をどこかで紛失してたのです。車内の私達は板を落としたのに全然気づかず、後続の車や周りの人も誰も教えてくれなかったわけで、怒り狂ったドライバーは、車をボコボコ叩いていつものようにありとあらゆる悪態をついてから、イケアの駐車場へ落とした板を探しに戻ることにしました。
 でも、何せ高速道路の上だからそう簡単に出口は来ないし、すさまじいミストラルに天井のベッドの箱が浮き上がるため、用心したドライバーがゆっくりと出口を求めて車を走らせていたら、追い越して来たのがパトカーです。誘導されて高速脇に停車したところ、下りてきた強面の婦人警官が「ムッシュウ、この高速は最低80キロ以上で走らないといけないのに、あなたは60キロで走ってました。他の車に迷惑がかかるからすぐに高速を降りて国道を行って下さい。」とのご注意。どうせ反対方向のイケアに戻るつもりだったドライバーは素直に了解し、付いて来なさいというパトカーに先導してもらいながら、高速出口から降りて再びトゥーロンのイケアに戻ったのですが。。つづく
*写真はトウーロン旧市街
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by cheznono | 2007-04-05 21:11 | プロヴァンス賛歌

ラベンダー列車

b0041912_1717404.jpgラベンダー街道の南東に位置するラバンディン高原とも呼ばれるラベンダーの栽培地の話をご紹介して来ましたが、では、どうしたらこの辺りのラベンダー畑に近づくことができるでしょうか?車があれば問題ないけれど、パリを初めさすがにフランスも車社会を見直しつつあります。かといって、主だった都市からの路線バスも走っていないようなヴァランソルのように小さい村のラベンダー祭りに行きたいと思ったら?
 まず、エクサン・プロヴァンスの観光協会の前から、7月8月に数回だけですが、ラベンダー街道巡りの観光バスが出ます。僧院の前のラベンダー畑で知られるセナンク修道院はアビニョンからも半日観光バスが出ています。ただ、バスで高速を使い、いくつか見所を回ってくれると確かに効率的ですが、ツアーと似ていてお任せコースで次々に町を移動するため、意外に訪れた場所の印象が薄くなったりしがち。そこで今年から、より経済的に、なおかつ自分の足で回るという気分も味合わせてくれる「列車で行くラベンダー畑」というアイディアが生まれました。なんて、実際には車を減らして環境を大切にという傾向とフランス国鉄の採算性が一致しただけなのでしょうが、ともあれこの夏から、その名もラベンダー列車がマルセイユ~マノスク~シスタロン間を、そして北上する牧場列車と繋がってブリアンソンまで走っています。期間は7月の2日から8月27日まで、日曜など主なイベントのある日に限って運行しているようです。この列車の特長は、バスガイドならぬ車内案内嬢付きで、交通の便の悪いヴァランソルやフォルカルキエなどに最寄の国鉄駅から乗り継ぎのバスを出していること。キップも往復有効で2300円位と格安です。
 ここ数年、フランス国鉄は雪の列車とか牧場列車、青い海岸列車など観光者向けのテーマ別列車を季節ごとに運行していますが、このラベンダー列車もその一つ。この夏のコート・ダジュール・プロヴァンス地方では、その他にもマルセイユとイフ島などを巡る海の電車とかグラースに行く香水列車、カマルグを訪ねる騎士とフラミンゴの列車などが走っていて、名前だけでも旅情がそそられるのでした。
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by cheznono | 2006-08-18 00:56 | プロヴァンス賛歌

ラベンダーの村

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 昨日はついにニースが観測史上初めての最高気温という38℃を記録、内陸側は更に40℃まで上がったそうで、涼しい東京に帰っていて本当に良かったと思いました(笑)。
 さて、帰国前にラベンダー祭りに出かけたものの、ラバンディン(ラベンダーの一種)で栽培で知られるヴァランソルに着いた時は既に夕刻。村に入ろうとすると胸にラベンダーの花束を抱えた女性が出て来るところでした。もしやもうお祭りはお終い?と焦りましたが、なんのなんのラベンダーの香りが漂う広場ではプロヴァンス・プリントの民族衣装に身を包んだ男女がダンスをして盛り上がっています。でも、ラベンダーの山車は既にからっぽの巨大な荷台と化していて、ラベンダー色のリボンだけが淋しげにひらひらするばかり。ラベンダーを山のように積み上げたこの山車の上から、ラベンダーの花束を皆んなに配ったらしいのですが、生憎それには遅過ぎました。
 とはいえ、村はまだダーっと連なるラベンダーのマルシェでにぎわっています。ヴァランソルはラベンダー栽培の他に小麦とはちみつの産地としても知られているかわいい村。よって、マルシェにはラベンダーをあしらった品や小麦やはちみつを使ったありとあらゆる商品が、まるでそのアイディアを競い合うかのように並んでいました。その他にこのラベンダー祭りでは、ラベンダー農場の見学と収穫の体験やハイキング、ヘリコプターでラベンダー畑を空から見学などのイベントが企画されていたようです。
 ラベンダーの花の香りで満たされた車で帰路に着いた私たち。夕暮れのヴァランソルの村は少し離れて全景を見るととても美しく鷲ノ巣村のような姿で、辺りにはゴッホの絵で描かれたようなプロヴァンスの景色が広がってとても趣きがありました。この近くには、ローマ人の築いたこの地方最古の村リエズやルネッサンスのお城が残るアルマーニュ・アン・プロヴァンスなど、興味深い村が点在しています。
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by cheznono | 2006-08-02 23:18 | プロヴァンス賛歌