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 レ・ボーはエクスからもバスで行けるお勧めの村の1つです。中世にはこの地方一帯を支配し、吟遊詩人を中心にした宮廷文化を咲かせたボー一族が滅亡後、白い廃墟となった城が残る丘は、まさに兵どもの夢の跡。ダンテの「神曲」地獄編のモデルにもなったミストラルの吹きすさぶ崩れ落ちた城砦、と聞いた時、わざわざ廃墟を見に行く価値があるかなと疑ってしまった私ですが、行って見たらそのスケールとふもとの村のたたずまいにすっかり魅了されてしまいました。岩山の上の城壁跡の見学はオーディオガイド付きで、ボー一族の栄華と悲劇の歴史を知ることができます。村の下、国道沿いにあるかつての石切り場はカテドラル・ディマージュ(映像の大聖堂)となり、毎年「ルネサンス」や「ボッシュとブリューゲル」などとテーマの決められたフレスコ画のスライドが巨大な壁や高い天井に次々と映し出されて行く様子は圧巻です。石切り場を大聖堂に見立てて、その白壁をスクリーンにするというアイディアにも脱帽で、目を見張るような映像の魔力を楽しめました。
 レ・ボーの周辺にはオリーブ畑が延々と続いていて、この辺りは良質のオリーブオイルでも知られています。オリーブの実をペースト状にしたタプナードは、パンやクラッカーによく合うからお土産に良いかも知れません。
 
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by cheznono | 2004-12-28 19:15 | プロヴァンス賛歌

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 初めてプロヴァンスの大学町エクスを訪れた時、ここにはきっと他とは違う風が吹いているに違いないとわくわくでした。しゃれた雑貨のお店とカフェが連なり、おしゃれな雰囲気の町並み。雑然とした南仏らしさとブルジョワぽさが混生している。でも、これという印象的なものが何もないじゃない。一通り旧市街を歩いた時の正直な感想です。自分の中でイメージが先行し過ぎていたため、エクスはゆったりとその雰囲気を味わう町だと気づいたのは少し経ってからでした。朝はマルシェを楽しみ、2時間かけてランチを取り、路地裏のお店をゆっくり見て歩き、カフェで雑談し、ラベンダー入りのカリソンでも買ってセザンヌのアトリエへ向かってみるというような過ごし方が似合うのでしょうね。帽子をかぶり驚くほどシックな装いのエクソワーズが、朝市で散らばった野菜クズをよけながらよろよろ歩いている姿など、プロヴァンスの他の町では見かけないし、全体に素朴なプロヴァンスらしさとブルジョワジーのコントラストが面白い所だと思います。
 ある時、エクスからアビニョンに越して来た大学講師の女性が「アビニョンのお店に入ってびっくりしたわ、だってボンジュールってにこやかに挨拶されたもの。」って言うので、思わず聞き返すと、「エクスにいた時は顔見知りのお店じゃないと挨拶なんてされなかったから。」フランス人にしてはかなり身の回りに気を遣っているそのマダムでさえ、挨拶もされないお店が多いとはすごい町だと変に感心してしまいました。
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by cheznono | 2004-12-27 01:26 | プロヴァンス賛歌

ブッシュ・ド・ノエル

b0041912_1891023.jpg サビーヌ・アゼマ、エマニュエル・ベアール、シャルロット・ゲインズブールという今をときめくフランス女優がしっくりとはいかない三姉妹を演じた’99年の映画、ブッシュ・ド・ノエルをビデオに撮って観ました。
 4人の子持ちの不動産屋と不倫を続けるダンサーの長女は父親と2人暮らし。まばゆいばかりに美しいベアールはうわべは幸福なブルジョア夫人。かしこくて何でもこなす末娘は30過ぎても反抗的。浮気をして母を苦しませたくせに父は離婚後も妻に未練があり、その妻は再婚相手と死別したばかり。病弱な父親のかわいがる隣人は攻撃的うつ病で失業中という謎めいた青年の存在をからませながら、一見ばらばらに見える家族がクリスマスを前にお互いを理解し合うまでの過程を描いています。
 複雑なそれぞれの事情を1つの家族に盛り込むのはフランス映画の常套だけど、独り身の三女が珍しく気持を交わせる愛想の悪い隣人の青年は実は父の隠し子で、その三女の父親ももしかしたら?という辺りを、ひょっとしてありそうな話に描ける所はやっぱりお国柄かも。「家族ほど素晴らしいものはないんだよ。」と父親が青年にささやく言葉が心に沁みる作品でした。最近注目のイザベル・カレも青年の元恋人役で登場しています。
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by cheznono | 2004-12-26 18:13 | 映画

フランスのイブ

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 うちの近くのスーパーでもローストチキンの売り場は長い行列ができていましたが、やっぱり自家製の若鶏はおいしいでしょうね。フランスもノエル当日はローストチキンに栗がメインで、一家の長が遠方から集まった家族の前で大きなチキンを切り分けます。普段でもローストチキンは割合食べるけど、アントレのフォアグラはノエルで初めて美味だと実感しました。それまではフォアグラ=ちょっと癖があるというイメージでしたが、ノエルでトーストしたアツアツのブリオシュにファオグラをのせて食べるとシャンペンと良く合ってすごーくおいしいと知ってからはやみつきになったくらい。ブリオシュは薄くスライスしたカナッペサイズのファアグラ用のをスーパーで売っていて、トーストすると何をのせてもおいしく食べられます。
 とはいえ、無理やりエサを詰め込んで内臓を肥大させたカモやガチョウのことを考えれば、私もフォアグラ反対運動に賛同で、特に法事のようなノエルに喜んで食べるなんてかなり矛盾した習慣かもしれません。
 そういえばフランス人の好きな牡蠣もノエルのお陰で食べられるようになった物の1つです。この時期は路上ににわか牡蠣売りの屋台も出るほど牡蠣が消費され、特にボルドーの隣のアルカッション産の牡蠣がおいしいと評判です。イブは牡蠣を食べてから夜中のミサに出かける家庭も多いようです。未だに生は苦手な私も、殻にのせた牡蠣をちょっとオーブンであぶるとなかなかいけると思えるようになりました。
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by cheznono | 2004-12-25 01:56 | フランスの四季

クリスマスキルト

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 クリスマスウィークなのでさすがに少しは準備をと思い、庭のゴールドクレストの鉢を取り込んでツリーに仕立て上げ、玄関に飾りました。いくらモミの木風に刈り込んでも近くで見ればやっぱりゴールドクレストだけど、枝に巻きつけた電飾が点滅するとそれなりにムードが出て、クリスマスらしくなりました。それにヒノキ科だけあって、ゴールドクレストの鉢を置いたとたん玄関にヒノキの匂いが漂ったのにはびっくり。
 昔作ったクリスマスキルトも出して見ました。フランス工房でご紹介しているようなクラシック生地を使ってピーシングしています。でも、友人達を呼んでのクリスマス会にはいったい何を作ろうか未だに思案中。フランスのノエルのようにローストチキンと栗というのも考えたけど、今のところ一番の候補は簡単に作れるブッフ・ブルギニョンかな。
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by cheznono | 2004-12-22 01:32 | いつもの暮らし

b0041912_15562067.jpg マルシェ・ド・ノエルで有名なアルザスから友人が写真を送ってくれました。寒い中、キャンドルやランプの屋台の暖かい火は気持を和ませてくれます。クリスマスツリーを飾る習慣もアルザスから始まったと言われています。
 この夏、アルザス・ワイン街道の村でワインカーブとブドウ畑の見学をした時、この地方が一番にぎわうのは夏のヴァカンスではなくて、11月のワイン解禁日(ボージョレヌーヴォー解禁日)からクリスマスマーケットの立つ今頃だと説明されました。7、8月のヴァカンス時を上回る観光客が集まるそうです。ものすごく寒いらしいけど、是非一度行って見たいアルザスのマルシェ・ド・ノエル。本場で味わうホットワインの味も格別でしょうね。ただし、スリには要注意です。
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by cheznono | 2004-12-19 16:17 | フランスの四季

コート・ デュ・ ローヌ

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 昨日作り方を載せたアルザスのホットワインには、白ワインがメインのこの地方では唯一の赤、ピノノワール(Pinot Noir)がお勧めだそうです。ピノノワールは、フルーティでさくらんぼのような香りがし、お肉と良く合います。でも、フランスでも安くはないワインですから、火にかけて沸騰させるホットワインにはちょっともったいないので、代わりにコートデュローヌ(Cote de Rhone)辺りで作ってもおいしいホットワインができるでしょう。
 コートデュローヌは手頃な値段のわりにおいしくて、気軽にテーブルワインとして飲めるのが良いですね。日本でも時々800円台で買えるので助かっています。このワインは、アルザスの端からブルゴーニュ地方やリヨンの街中を通りアヴィニヨンまで200kmを流れるローヌ川の周辺のなんと160以上もの村が生産に関わっているとか。アヴィニョンの隣のシャトーヌフドパプで取れるワインは、コートデュローヌの中でも一番人気ですね。プロヴァンスの友人によると、今やシャトーヌフドパプと名がつけば高値で取引されるため、特に赤ワインは高いだけで質の伴わないシャトーヌフも結構出回っているらしいです。シャトーヌフのワイナリーに行ってもあえて白を買う知人もいるくらい。なまじ赤を買ってがっかりするよりも、ということでしょうか?
写真は「フランスの美しい村々」に登録されているアルザス地方の村ユナヴィルのブドウ畑。
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by cheznono | 2004-12-17 18:06 | いつもの暮らし

アルザスのホットワイン

b0041912_18103637.jpg お酒はグラスワイン2杯くらいしか飲めない私も、寒い12月に凍えた身体を温めてくれるホットワインは、ほんのり甘くてスパイシーで大好きです。暖冬の日本で今日のように暖かい日はそれほど恋しくありませんが、冷え込んだ夜はやっぱりホットワインが飲みたくなります。
 もともとはドイツの影響を受けたクリスマスマーケットで有名なアルザス地方のマルシェでふるまわれたホットワインですが、今はたいていどの街のマルシェ・ド・ノエル(クリスマスマーケット)でも飲むことができます。大きな鍋にワインやオレンジやスパイスなどを入れてかき回しながら簡単にたくさん作れるので、クリスマスパーティでも人気でした。
*伝統的なホットワインの材料と作り方
・赤ワイン1本(750ml) ・水250ml ・グラニュー糖 250g
・オレンジ1個 ・レモン1個  ・シナモン適量 ・お好みでアニスとクローブ少々
できれば24時間前に以下の下ごしらえをしておきます。
1、オレンジとレモンを輪切りにする。(皮ごと入れるので防カビ処理をしていないものが良い)
2、鍋にワインと水を入れて、砂糖とシナモンなどスパイスを加える。
翌日、飲む直前にこの鍋を火にかけて沸騰したら、各自のグラスに入れる。
グラスにレモンやオレンジの輪切りを飾るとよりフルーティなホットワインになります。暑ーいうちに頂きましょう!
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by cheznono | 2004-12-16 18:47 | フランスの四季

フランスの犬の名前

b0041912_15251614.jpg 1年目は一緒にフランス留学もした当工房のキャバリアの名はアントン。英国の犬種だからイギリスの首相トニー・ブレアの名前から貰いました。(トニーはアントニーの呼称。)だからブレア首相がイラク戦争に参戦した時は、愛犬の命名を後悔したけれどもう後の祭り。発足時は期待を集めた労働党政権も今や何とか切り抜けている感じですね。(日本も同じかも?)
 ところで我が愛犬、近所のおじさんに広東なら知ってるがはてアントンとは?と言われた位、変わった名前らしくフランスでも時々トントンなんてからかわれました。トントンは仏語でおじさんのことです。アントニーはフランスだとアントワンだけど、スペイン語やドイツ語だとアントンなのに。
 でも、そういうフランス人の犬の名前は不思議な物も多いんです。何度かスティした屋敷のマダムはその地方のダックスフンドクラブの副会長でドッグショーの審査員もしている程の犬好き。その彼女の愛犬はイシパリ(ここはパリ)、アイラブユー、ゴールデンガール、ポエティック・ラバー、ハネムーン、イゴー。ポエティック・ラバーはバンド名だからまだしも、自分の犬に「アイラブユー」と文章の名前をつけたり、駅員のように「ここはパリ」って呼ぶのはなんとも不思議な感覚。昔の日本のように列車が着くと駅員さんが「ここはアルル」なんて叫ぶ駅はまだ結構あるし、パリという駅名はないにしても、「ここはパリ」って犬を呼ぶのは変な感じがします。
 ある時、日本人の友達とアビニョンの町中で散歩中のキャバリアを見かけました。飼い主のカップルがにこやかに「私達、日本びいきなの。お寿司も大好き。だからこの犬はスシって名前にしたのよ。」スシちゃん!?友達と顔を見合わせた私は、何だかそのキャバリアがかわいそうになったのでした。
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by cheznono | 2004-12-12 16:26 | 不思議の国フランス

フランスの美しい村

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  「フランスの美しい村」を訪ねてという新書版を買いました。《フランスの最も美しい村々》に登録されている140余りの村の中から26を選んで写真付きで紹介されています。著者の辻啓一さんが紹介している26のうち、私が行ったことのある村は4つしかありません。まだまだという感じ。でもこの本の選にもれた美しい村の中で、ひときわ印象深い村が写真のラ・ロック・ガジャックです。
 この間、プロヴァンスの友達が紅葉狩りに行ったとメールをくれた時、真っ先に思い出したのが1年前に寄ったこの村の紅葉でした。場所はサルラの近くドルドーニュ川沿いのためプロヴァンスからは全然離れていますが、切り立った岩に張り付いたように中世の家々が立ち並んでいる村の姿は幻想的で、真っ赤に色づいた木々や壁に這う赤いツタが美しくマッチしてため息が出るよう。フランスには黄葉の名所は多々あるけれど、ここは紅葉の名所という気がします。
 春夏のシーズン中ならばドルドーニュ川を船で川下りしながら、この村の風景を楽しんだり点々と残るお城を見上げたりできるようです。でも生活は不便そう。車がないと買い物1つも大変かも知れませんね。
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by cheznono | 2004-12-11 01:35 | フランスの四季