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野のスミレ

b0041912_3553660.jpg ミモザが最盛期を過ぎて、桜が満開に近くなりました。でもコートダジュールの春らしい陽射しが終日見られる日はまだ数少なくて、晴れていてもいつの間にか曇ってにわか雨が降ることが多いです。お天気のこの不安定さが春の証拠かも。
 南仏特産の花の一つ、スミレも春の訪れの証し。街角で売られているスミレの花束は、まだ5分咲きが多いけど、野で見かけた満開の姿はビオラと日本スミレをかけ合せたような感じの花でした。こういうスミレを摘んで来てカゴに入れ、観光地で一束2ユーロ位で売っている女性もいます。季節に合わせてにわか花売りになるなんて、やっぱりどこか中世の伝統が残っているのでしょうね。スミレの香りの練り香水や石鹸も春らしくて気に入っています。
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by cheznono | 2005-03-31 04:42 | フランスの四季

サン・ポール

b0041912_2040359.jpg ニースから400番のバスで約1時間、鷹ノ巣村の中でも特に人気のサン・ポール・ド・ヴァンス。多くのアーティスト達を惹きつけた村は、いつも観光客であふれています。特に今は復活祭のため、ヴァカンス中の旅行客でいっぱい。以前、6月に立ち寄った時もすごい人だなと思ったけど、今回も細い石畳の道や階段はぞろぞろと人が途切れることがない様子でした。
 16世紀から17世紀に建てられた家や教会はきれいにその姿をとどめて、しゃれた雑貨店やモダンアートのアトリエとして活躍しています。ニースや他の町では見かけないような品もたくさん見かけるので、個性的な装飾品や雑貨が好きな人は、すごろくのように両脇のお店を次々に回ることになるかも知れません。
 フランソワ1世の命で作られた城壁の近くには菩提樹の木が植わっていて、初夏には爽やかな香りを放ちます。サン・ポールの小さな村の中はちょっと観光向けに整い過ぎている感がありますが、城壁の向こうに広がる自然の豊かさにはうっとりしてしまいました。
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by cheznono | 2005-03-28 21:06 | コート・ダジュール散歩

イタリア国境

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 イタリア国境の町ヴァンテミリアで毎週金曜に開かれるマルシェは安くて評判で掘り出し物が見つかるというので、気合いを入れて買出しに出かけました。ニースからローカル線で約45分。地中海沿いの海岸線をゴトゴト揺られ、レーニエ公の容態が心配されるモナコを過ぎた頃、同行のイギリス人2人がパスポートを忘れた!と青くなり、パスポートなしでは国境越えができないからマントンで降りようと言い出しました。まあまあ、多分入国検査はない筈だからとりあえず目的地まで行ってみようと提案した私はといえば、せっかくの往復キップを失くしたことに気づいて呆然。パスポートなしの2人とキップを失くした私という三人組みは、ドキドキしながら国境に到着したのでした。
 買出しに来た大勢の乗客達に混じって不安げに駅を降りたけど、厳しいという噂の税関もなく、すんなり外に出ることができて、万歳!胸をなぜおろして、やったあ、イタリアだ!って急に足取りも軽くマルシェに向かいました。
 果たして国境を越えての買出しは。。結論から言うと3人とも何一つ買えずに終わって、ちょっとがっかり。立ち並ぶマルシェのテント小屋では、それぞれ洋服からランジェリー、傘や靴、台所用品、食品と雑多に売られていて活気はあるのですが、どうもこれといった特長がない。アメ横やパリの下町やロンドン郊外に立つ生活品マーケットと同じような品がそれ程安くもなく売られているという印象で、特に手が出ません。それでもやっぱりイタリアだなって感じたのは、イタリアン・カフェのコーヒーメーカーが安くてサイズも豊富なのと、皮製品が手頃な値段で売られていたこと、そしてイタリア語。でもフランス語が楽に通じるし、町のたたずまいも南仏の村にそっくりです。ただし、きれいに修復して華やかなイメージで大量の観光客を呼ぶフランス側の町とは対照的に荒れ放題の旧市街の姿には胸が痛くなりました。手を加えていない分、より中世の面影をとどめているのに、豊かでない生活が古い家並みをまるで廃墟のように見せています。お金持ちや特権階級のみを優遇するようなベルルスコーニ政権のこれが現実なんだなと、弱者切捨てを目の当たりにした思いでした。行政が予算を出して、ちょっと手を加えて町を甦らせれば、素晴らしい鷹ノ巣村として観光客であふれそうなのに、今や産業は薄利多売のマルシェに頼るしかないのではと推測すると気の毒なくらいです。買出し転じて、イタリア国境でコートダジュールの影に触れるという意味深い体験となりました。
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by cheznono | 2005-03-27 08:04 | 不思議の国フランス

b0041912_4462869.jpg 日曜から3日間、フランスは春の映画フェスティバルで参加した映画館での公開映画が全て3.50ユーロになったので、観られるだけ観るつもりでしたが、ニースでは同時にイタリア映画特集も開催されていたのと忙しかったため、実際にはイタリア映画2本、フランス映画2本のみを観ただけに終わりました。もっともっと観たい映画はあったのでちょっと残念。
 でも、昨日観た35歳の3人の女性達(ジュディット・ゴドレーシュ、マチルダ・セナー、アン・パリヨー)が家庭に仕事に恋にと揺れる新作は抜群に面白かったです。第2弾が話題になったブリジット・ジョーンズよりほんの少し上の世代のキャリア・ウーマン達の現実感のある脚本で、辛らつな会話には笑いっぱなしでた。
 一方、ブリジット・ジョーンズの日記第2弾は初回にまして大人のお伽話という感じ。強くて激しいフランスの女性達を目の当たりにしている身には、ブリジットのようなドジでお人よしのお茶目なキャラクターは今や全くの夢物語のヒロインでしかないのは明白です。現実には存在しないから余計に男性陣に受けるのかも。第一弾ではお堅いコリン・ファースよりも、どうしようもない女好きでも憎めないヒュー・グラントの肩を持ちましたが、今回はやっぱり誠実な弁護士役のコリーン・ファースに軍配があがります。うーむ、イギリス映画でもフランス映画でも、いつかは王子様がやって来るという神話は不滅のよう。びんびんの甘いお伽話コメディだけど、心がほんわかと温まる映画ではありました。それにしても「シカゴ」の時も思いましたが、役柄とはいえレニー・ゼルウィガーはあんなに太って次の仕事に差し支えないのでしょうか?
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by cheznono | 2005-03-23 23:18 | 映画

ニースの見本市

b0041912_239163.jpg 今日からフランスは公式に春を迎えたのに生憎空はどんより。先週の日曜は春の見本市に行きました。アクロポリスで開かれた見本市は住宅・内装の会場と何でも見本市会場、そして庭やレャー用の屋外会場と3部門に分かれていて、私にはいろいろな物が脈絡なく展示された何でもいっしょくたのメイン会場が一番面白かったです。驚いたのは、ちゃんと業種別に区切られているリヨンの国際見本市などに比べてニースのメイン会場は種別を分けずにスタンドが並んでいたこと。ここはアメ横かと思うような列もあれば、整然とインテリア製品を並べたスタンドが続いたり、その横で日本語の歌をバックにヘヤーカットのデモンストレーションをやっていたりと、なんともランダムな展示の仕方は、今まで行った大小の見本市では見られなかった特徴です。とはいえ混然とした雰囲気はニース市の特色でもあるから、見本市においてもその流れが受け継がれてるのでしょうか?
 結構人気を呼んで働きづめだったのは、見本市会場前で芸する黒ネコ君。命令の元にご主人の腕に手足を伸ばしてポーズを取ったり、ぬいぐるみを抱えたまま両足を上げて見せたりと何時間も活躍していました。聞くところによると彼らはマルセイユの見本市にも出没していたそうで、案外南仏の名物コンビなのかも?でも、一歩間違えば動物虐待では?と心配になりました。
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by cheznono | 2005-03-20 23:50 | 不思議の国フランス

メルド!

b0041912_7371413.jpg ニースは汚い!フランスはパリを初めどこの街も犬の糞に気をつけなくてはいけませんが、ニースの歩道は今まで滞在したり旅行した街のどこよりも汚くて、かなり用心して足元を見て歩かないと恐ろしいことになります。地元の人も口々に文句を言うけれど犬の後始末をする人はごくわずか。いったいなぜこんなにもニースの歩道は汚いのでしょう?
 コートダジュールはフランスの中でも抜群に犬人口が多いのは確かです。お金持ちが退職後にのんびりと老後を過ごす地方のためお年寄りが多くて、淋しいから皆な犬を飼うのよ、それでもって散歩しても片付けないからよって年配の婦人から聞かされましたが、一般にお年寄りの方が若者よりも道徳観念が強い筈だからどうも納得が行きません。確かにきれいにマニキュアをした手に犬を抱いたり、引っ張ったりしている毛皮の老婦人はもうそこら中にいるし、彼女達が毛皮をたくし上げて身をかがめて後始末する姿は見たことがないけれど。
 しかし、名だたる観光地の癖にニース市は恥ずかしくないのかしらと思っていたら、ついに大きな公報が出ました。片付けて下さい、放置すると38ユーロ(5300円位)の罰金を取りますよ、という警告です。この罰金の法律は以前からあるのですが、実際に散歩中に後始末をしていない所を現行犯でとがめられ、罰金を取られたという話はまだ聞いたことがありません。交通違反のネズミ捕りのように一せいに取締りをしたら、きっと相当な税収入になるでしょうね。
 ちなみにもっとお金持ちの多いカンヌの歩道は、ニースを凌ぐ汚さで有名です。カンヌは汚いってニースではよく耳にしますが、果たしてどちらが上手か、カンヌに行ったらじっくり観察して来るつもりです。
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by cheznono | 2005-03-19 08:21 | 不思議の国フランス

レイ

b0041912_23532730.jpg レイ・チャールズの生涯を丹念に描いてフランスでも評判の映画レイを観て来ました。ジョージア・オン・マイ・マインドなどごく有名な曲しか知らない私でしたが、レイの多才さや黒人で盲目であるというハンデを乗り越えて世界中を魅了する音楽家になって行く姿に、芯から圧倒されてしまいました。同時にアメリカでの人種差別の根の深さと、やっと平等に漕ぎつけたのはまだ最近という事実にも改めて驚いた次第です。
 幼い頃、弟の事故死を目の前で見て救えなかった罪悪感がレイの一生のトラウマとなり、働きづめで過労死してしまう母親の記憶と共に常に彼につきまといますが、この辺りは「アビエーター」のハワード・ヒューズが異常な清潔感に捕われて精神的に参る一面と共通するものがあるように思いました。天才にはその天分に見合う位の分量の過酷な心理的重荷があって、それが彼らの創造力やキャパシティに並々ならぬエネルギーを与えるなどの影響を及ぼしているのでしょうか?
 それにしても、若くして過労で倒れるレイの母親の人生哲学には心を打たれます。戦後まだ間もない米国で単身で子持ちの貧しい黒人女性が、文字通り身を削るような生活の中で目の見えなくなってしまった息子が一人でも生きて行けるようと折りにつけ励ましと強さを説くシーンは毎回目が熱くなりました。満足な教育も受けられず身を粉にして働く一生で教養もない筈なのに、哲学書を何十冊積んでもかなわないような人生観と洞察力を障害のある息子に示した偉大な女性だと思います。見終わった後、レイ・チャールズのアルバムがほしくなる映画でした。
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by cheznono | 2005-03-17 00:53 | 映画

路上のピアニスト

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 ニース旧市街で路上にピアノを持ち出して弾いているピアニストがいると聞き、一度お目にかかりたいと思ってたら、先日広場でやっと見かけることができました。いつも同じ場所にピアノを持ち出しているわけではなくて、旧市街の気が向いた場所で気ままに演奏しているようです。寒風の吹く日で、通りすがりの人もまばらでしたが、青年達はピアノ談義に夢中で、ひとたび演奏を始めたらその指先からこぼれる音色の美しさにすっかり魅了されてしまいました。
 旧市街のカフェやレストランをバイオリンや楽器を演奏しながら回るグループはよく見かけるけど、路上のピアノ弾きは珍しいし、何より「船上のピアニスト」を思い出させるような演奏だったのでちょっと得をしたような良い気持になれました。
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by cheznono | 2005-03-12 23:50 | 不思議の国フランス

マチスのチャペル

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 ニースから路線バスで1時間ほどの鷹ノ巣村、ヴァンスへマチスのステンドグラスを観に行って来ました。コートダジュールを愛したマチスが晩年、自らの作品の集大成として手がけたロザリオ礼拝堂は、ヴァンスの町はずれにあり、季節はずれの今でも旅行者でにぎわっていました。以前来た時は閉まっていて見られなかった礼拝堂の中に入り、白い壁に黄色とブルー、グリーンの光を通すステンドグラスを見た時はその存在感に息を呑みました。生命の木を表すこのステンドグラスはコートダジュールの青い空や海、豊かな緑、そして黄色い陽光を象徴しているようですが、ミモザの季節なので黄色はミモザの色に重なり、より印象的。聖ドミニクやキリスト受難の行程も中世やルネッサンス期のキリスト受難の絵図を見慣れていた目には、マチスの木炭画のシンプルさにも打たれました。
 受付の人によると毎年大変な数の日本人が訪れるのに、日本語のパンフレットが予算の関係でまだ作れなくて残念だとか。思わず、お手伝いしましょうかって言いそうになりました。
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by cheznono | 2005-03-10 21:53 | コート・ダジュール散歩

ミモザとすみれ

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 シベリアやスカンジナビアからの贈り物?の寒波のせいで、3月としは記録的な寒さに見舞われているフランスですが、あちこちで満開のミモザとたわわになったオレンジの街路樹に春を感じます。
 ミモザはオーストラリア原産でアカシア科に属するそうですが、ミモザの粒粒の花は私にはアカシアに似ている感じがしません。コートダジュールやプロヴァンスの光の色や空の青さとよく調和する黄色と独特の香りがとても印象的です。スミレは近くの村、トウーレット・シュル・ルーで伝統的にたくさん栽培されています。いつも見慣れているパンジーとは違って、可憐なスミレの花には特に惹かれるものがあり、凍えるような陽気でも春はそこに来てるんだなって思わせてくれます。
 それにしても流行とはいえニースには総毛皮のマダムが多いこと。総ミンクのコートの品評会のように競って毛皮をまとっている姿は、動物愛護協会から何も言われないのかと疑問に感じるくらい。この地方にしては寒い3月とはいえちょっと行き過ぎではと思うのですが。
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by cheznono | 2005-03-06 21:02 | フランスの四季