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カンヌの終幕

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 通いつめて結局7本観たカンヌ映画祭も昨日で幕を閉じ、ケン・ローチ監督の作品がパルム・ドールを飾りました。下馬評ではペドロ・アルモドバルの「ヴォルヴァー」かソフィア・コッポラ監督の「マリー・アントワネット」では?と言われていたけれど、ケン・ローチの作品は満場一致だったようですね。がっくり方を落としたアルモドバル監督をペネローペ・クルースが慰める様子が話題になっていました。
 先週、友達に会いにエクサン・プロヴァンスに行き、結構盛りだくさんの予定をこなした上、ニースよりもずっと暑い日差しのせいでヘロヘロになり、もう週末はばたんきゅうだと思って戻って来ました。帰りのバスの中で、至急電話するようにという友達のメッセージを聞いても、もう明日でいいかと思っていたら、なんとカンヌ出品作の最終上映の招待状トを貰ったから、何が何でも早起きして一緒に行こうとのこと。しかも、審査委員に近い列に座れそうとか。ええっ!ついにあの赤じゅうたんを上れるのね?と飛び上がった私は、着て行く服もないのに翌日の朝、ぼーっとした頭でカンヌに向かいました。これまで観れた作品はパルムドールのノミネートからははずれた作品だったので、招待状は必要でもメイン会場の隣の会場で階段のじゅうたんもブルーだったのです。
 私も疲れて睡眠不足だったけど、友達は風邪を引いたため、朝の7時に医者に連絡して往診を依頼。6つも薬の箱を入れたビニール袋を下げて現れました。さすがにそこまでして?とは思ったけど、やっぱりカンヌは特別。審査員のモニカ・ベルッチやパトリス・ルコントに会えるかも?と浮き浮きしながら赤じゅうたんを踏みしめて会場に入りました。
 席について辺りを見渡すと、やっぱり今までとは雰囲気が違います。正装でとあっても昼間だから、招待客はそれ程おしゃれはしてないけれど、身だしなみも今までの会場よりはきちんとしてるし、何だか顔つきも違うような。。落ち着いたムードの中で、私一人が目をきょろきょろさせ、いったいモニカ・ベルッチはどこに?と審査委員席から目を離せません。かなりミーハーな私に友達も恥ずかしかったでしょうに、一緒に有名人を探してくれました。
 さて、上映のノミネート作品がアルジェンチンの独裁時代の拷問を扱った重いテーマだったせいか、残念ながら最終上映日というのに華やかな審査員は出席していなかったようです。でも、今年の審査委員長のウオン・カーウィ監督を見かけることができました。細くて背が高く、すらっとした素敵な紳士だったので、大満足。これではまるで有名人を見に行ったかのようですが、映画も充分楽しむことができました。でも、4回に渡るカンヌ行きで鑑賞した7本は全て悲しい題材で、一つも明るいハッピーな作品がなかったのが残念です。 
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by cheznono | 2006-05-30 03:34 | 映画

カンヌ映画祭の報告

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 「花様年華」のチャイナ服に身を包んだマギー・チャンのシルエットがシンボルの第59回カンヌ映画祭。今回の滞在の1番の楽しみだったので、地元の人にも手に入りにくいというチケットを頑張って取ってもらい、3日間で合計5本の映画を観て来ました。
 思ったとおりの熱気に包まれたカンヌは毎日ピーカンに晴れて強い日差しが射しています。ノミネートとされた映画が上映されるメイン会場の周りには、赤いじゅんたんを上がるスターを人目見ようという人並みでいっぱい。「いったい誰を待っているんですか?」と友達が聞いてくれたムッシュウは「さあ、誰だか知らないんだけど、もうすぐ着くらしいから。」ともう何十分も待っている様子。その向こうの若い女の子たちは「アニメーションの声出演のブルース・ウイルスやジェニファーを待ってるのよ。」って教えてくれました。
 いよいよ、黒塗りの公式の車でやって来た彼らが赤いじゅうたんを上るとすごい盛り上がり。でも、人ごみでしかも近眼の私には顔が良く見えず、路上に設置されたスクリーンの同時中継を見つめるしかありません。その帰り、故ミッテラン大統領の甥である知識人、フレデリック・ミッテランをカフェで見かけ、友人は彼の方がブルース・ウイルスよりずっと見た甲斐があると喜んでました。彼女はかつてカンヌでケイト・モスを連れたジョニー・デップに出会ったことがあるとか。
 私たちの見た出品作品の方は、韓国映画、フランス映画、アルジェリア映画、ノルウェイ映画とインドネシアの津波のドキュメンタリー。招待状があっても1時間近く並ばなくてはいけないというので、初日は6時半起きでニースから気合を入れて駆けつけたのに、誰も並んでなくて拍子抜け。私には充分活気のあるカンヌでしたが、今年はいつもより人出が少なくて、例年よりは盛り上がりに欠けるそうです。経済停滞のため、予算不足は否めないらしく、カンヌの人たちは少し淋しい思いをしているようでした。つづく
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by cheznono | 2006-05-24 02:59 | コート・ダジュール散歩

サン・レモの街

b0041912_23563727.jpg ニースからイタリア行きの電車に乗って1時間20分、音楽祭で知られるサン・レモに行って来ました。電車はフランスとの国境で30分近く停車するので、実際には1時間足らずの道のり。でも、さすがはイタリアで同じリビエラで旧市街のたたづまいは似ていても、見るのも聞くもの新鮮で、面白かったです。
 17世紀のバロック時代にジェノバの影響で栄えたサン・レモは、至る所にバロック様式の教会が立ち、当時の面影を濃く伝えています。20世紀に入ってからも、イギリスの上流階級やロシア人などの間で避寒地として人気があり、カジノなども盛り上がっていたのだとか。その後、カンヌにお金持ちのリゾートの地位を譲って、今は商業都市として栄えている街なのだそうです。
 サン・レモに着いたとたん、一緒に行った友達はアイスクリームのお店に飛び込んで、イタリアン・ジェラードをこんもりと注文。確かにニースのアイスクリームの半分以下の値段で、おいしいアイスが食べられるので、甘党には天国かも。
 半日あまりの滞在で一番興味深かったのは、イタリア女性の態度。物事をすごくはっきりと言うフランス人女性と違って、にこやかな対応なのに、芯はとても強い感じ。フランス人に比べて、物をはっきり言ったり説明したりしないのに取るものはしっかり頂くという印象でした。
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by cheznono | 2006-05-20 00:07 | イタリア絵日誌

南仏の陶器市

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  このブログでもご紹介したことのある、ピカソの愛した陶器の町ヴァロリス。週末、そのヴァロリスで開かれた陶器市に行って来ました。プロヴァンスの地という団体が主催しているこの陶器市は、ボニューなどリュベロンの村からコートダジュールまで、あちこちの町で順番に開催されます。
 ヴァロリスの陶器市への出品スタンドは約30。みんなプロの陶芸家たちで、すごくモダンでポップなデザインからクラシックな焼き物、日本の楽を模倣したアジア的な作品までバラエティに富んでいました。でも、人が少ない。すごくお天気が良かったので、みんな海辺へ行ってしまったのか、拍子抜けがするほどお客さんがいなくて、陶器の出品者たちが道の真ん中にテーブルを出して、のんびりとワインやビールを楽しんでいました。
 ヴァロリスはオレンジの花の栽培でも知られていて、先週の日曜はオレンジの花祭りが開かれたとか。手押し車や荷車にオレンジの花を積み上げて、町中を練り歩いたようです。コートダジュールのオレンジの花はすごく香りが良いので、先週はさぞ甘い香りが町を包んだのではないかと思います。
 ちなみに、この陶器市は5月末にアビニョンで、6月半ばにはルールマランで、8月末にはアプトやルシヨンでも開かれるので、この時期にプロヴァンスに来られる方は、冷やかしてみてください。殆どがアーティストの一点ものなので、気に入ったものが見つかったら、他では手に入らない南仏の良いお土産になるのではないでしょうか?
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by cheznono | 2006-05-16 21:09 | コート・ダジュール散歩

牛の心臓トマト

b0041912_51594.jpg 曇りのち雨のロンドンを飛び立って、光のまぶしいニースに戻って来ました。地中海を照らす月と椰子の木を見上げながら、薄暗いカフェでこれを書いています。こう書くとリゾート地で優雅にインターネットを楽しんでいるようなイメージですが、実際にはプロムナーデ・ザングレをぞろぞろと歩く観光客と酔っ払いの大騒ぎにイライラし、バッテリーの切れるのを心配しながらの結構悲惨な状態で、落ち着いてネットができる日が来るのか来ないのか、なんとも頼りない生活が始まりました。
 確かにイギリス経由でニースにやって来ると、青い空と澄んだ海がひときわまぶしく、やっぱりコートダジュールという実感はあるけれど、なぜか気温はロンドンと変わらず。肌寒いような陽気です。でも、ランボーが書いたような恋の5月というパリと違って、早くも観光客が陽気にさわぐ街中は老いも若きもリゾートの季節の開幕という感じ。これが、ロマンスなんて突き抜けたようなフレンチ・リヴィエラのバカ騒ぎのプレリュードなのでしょうね。今からこの騒ぎでは、7月8月はいったいどうなるのやら。
 写真は、牛の心臓という不気味な名前のトマト。形もかぼちゃのようで、あまり食欲はそそられません。でも、普通のトマトの2倍以上のお値段だから、味は良いのかも知れません。
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by cheznono | 2006-05-12 05:20 | いつもの暮らし

ロンドンの白ナス

b0041912_19394886.jpg GWはいかがでしたか?渡仏前のあわただしさですっかり更新をサボってしまってすみません。連休後半だからきっと空いているのでは?という期待を見事に裏切られ、ぎゅうぎゅうずめのBAでロンドンにやって来ました。かつては忠実な巡礼のように通ったイギリスなのに、今やすっかりおのぼりさんで、街の変わりように驚いています。
 公園の多いロンドンだけあって、瑞々しい新緑があふれ、多少天気がどんよりしていても街がとてもきれいに見えます。街中はかつて話題だったモダン・ブリティッシュの雰囲気よりもフランス風のカフェや雑貨屋さんが目立つ感じ。でも、景色も動作も大陸的でダイナミックなフランスに比べて、やっぱりまだまだイギリスは家並みも雑貨も繊細なイメージが残っているのが嬉しいです。
 とはいえ、大好きだった老舗もいつの間にか消えていて、以前は飛ぶ鳥を落とす勢いだったブレア首相が退陣を秒読みされているのも時代の趨勢。何でも新しいものに飛びつく傾向のある日本に比べて、古い英国や伝統的なライフスタイルを誇りを持ってだいじにするイギリス人の姿勢が好きだっただけに、自分だけがただ年だけを重ねてしまったような淋しさも感じるロンドンの変化です。
 カムデン・パッサージュの蚤の市の帰り、友人が案内してくれたエンジェルの路上マーケットで、生まれて初めて見た白いナス。フランスで時々食べる白いアスパラガスのように、ナスに光を当てないように袋でもかぶせて栽培してるのでしょうか?旅先なので買って調理できないのが残念。ラタトイユに入れるには何とも物足りない色だと思うけど、いったいどんな味がするのでしょうね?
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by cheznono | 2006-05-07 20:08 | いつもの暮らし