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高騰するホテル代

b0041912_1315688.jpg 久しぶりにパリに寄ろうと思って、10月に泊まる宿を探し始めましたが、おととしよりぐっと値上がっていてがっくり。ただでさえ、ユーロが不当に高いのにダブルパンチです。しかも、この秋はラグビーのW杯がフランスで開催されるため、特に週末は予約がいっぱいで、安い部屋を確保するのが難しくなっていますね。
 この夏のフランスはコート・ダジュールを除いて気温が低く、パリも雨模様が続いたらしいのに、全体に観光客は増え、日本人旅行者も去年より3%増加で、フランス観光局は喜んでいます。でも、2006度秋冬期のフランスのホテル代は、前年より27%上昇。この傾向は2007度も続いていて、更に値上がっているとか。それでも、フランスのホテル代の平均119ユーロ(約19000円)はEU加盟国の平均ホテル代よりまだわずかに安めです。 
 フランスの大都市の中で、最もホテル代が上ったのが、美食の町と云われるリヨン。昨年一年間でなんと38%も急上昇しています。次にバラ色の町トゥル-ズが22%、マルセイユが20%上昇。とはいえ、やっぱり一番ホテル代が高いのはパリで、次がカンヌ、3位がニースで、穴場はボルドーでした。ボルドー泊だとパリの平均ホテル代の半分以下で済むそうですが、ここの旧市街も今年世界遺産に指定されたから、今後は値上がりが避けられないでしょう。
 だから、ツアーの方がなんてたって割安という声が聞こえそうですが、それでも、丁寧に探せばパリで1泊50ユーロ余り、ニースなら駅近くで30ユーロ、中心地で45ユーロから見つかります。もっとも、私がヴェニスで最後に一泊した駅前のホテルは、ロマンティックな素敵な部屋でしたが、カーニバルの直後で59ユーロ、でもシーズン中は同じ部屋が280ユーロになるというから、びっくりでした。ニースもシーズンオフなら、値段交渉の余地がかなりあるので、試してみてください。
 写真は、世界遺産に登録されているリヨン旧市街。
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by cheznono | 2007-08-29 13:51 | 不思議の国フランス

消えた天使

b0041912_174244.jpg 「インファナル・アフェア」や「傷だらけの男たち」のアンドリュー・ラウ監督ハリウッド・デビュー作、「消えた天使」。何となく成り行きで観に行ったのですが、これはかなり観る人を選ぶ作品ではないでしょうか。
 先週フランスでも、未成年に対する性犯罪で18年間服役して、出所したばかりの61歳の男性が、長い刑期を終えた数日後に5歳の男の子を誘拐し、性的暴行を加えたというショッキングな事件が起こり、性犯罪の再犯防止対策が争点になっています。この犯人は、服役中に刑務所内でバイアグラを飲んでいたというから唖然としますが、「消えた天使」もアメリカにおける性犯罪の再犯という闇に震撼とさせられる内容でした。
 長年、性犯罪前科者の監視を続けて来た公共安全局のバベッジ(リチャード・ギア)は、仕事にのめりこむ余り、警察からも前科登録者からも疎まれていて、上司から退職を言い渡されます。退職前に後任の女性アリスン(クレア・デインズ)の指導を任された彼は、彼女を連れて自分の監察下にある性犯罪前科者たちを訪問して歩きますが、登録者達に対する彼の強引な態度に、アリスンは疑問を感じます。
 そんな中、女子大生が行方不明となり、なぜかバベッジは犯人が自分が監視している前科登録者の中に犯人がいると確信、アリスンと共に独自の捜査に乗り出すのですが。。。
 自分の仕事に夢中になる余り、行き過ぎの監視を続けるバベッジをリチャード・ギアが熱演しています。しかし、ここで扱われる犯罪のえぐさには胸が悪くなるほどで、正視できない場面がかなりありました。性犯罪の前科登録者のリストを、住民がネットで検索できるというシステムが返って悪用されてしまうという点が鍵をにぎっているのですが、前科者を地域に公表すべきかどうかというのは、とても難しい問題ですね。
 主人公の過去や、狂気と紙一重になるまで仕事へのめりこむようになった理由などが描かれていないため、サスペンスとしても深みに欠けるように感じましたが、映像の使い方はさすがアンドリュー・ラウ監督、素晴らしいテンポで各シーンを繋げています。脚本はともかく、映像に関してはメディアの評価が高いのも納得の行く作品でした。
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by cheznono | 2007-08-22 17:45 | 映画

フランス人の幸せ度

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 昨年末に実施されたEU加盟の27ヶ国の3万人弱を対象にしたアンケートで、フランス人の90%が「自分は幸せ」と回答しています。9割が幸福な国って一見素晴らしいイメージですね。
 でも、このEU対象のアンケートでフランスの幸福度は、10番目。1位がデンマークの97%、2位がオランダの95%、3位がベルギー、アイルランド、スウェーデン、それからフィンランド、英国、スペインと続いた後にフランスが来て、全体にEU加盟国の8割強が幸せって答えています。
 じゃあ、何を持って自分の幸福度をはかるかというと、99%のフランス人が挙げているのが健康です。この所フランスも日本に負けないくらいの健康ブームで、オーガニックの食物やサプリメント、アンチエイジングにとても関心が高いから、幸せ=健康は当然かも知れません。次に家族を挙げる人が98%、友達が95%、そしてちょっと意外なのが仕事92%です。
 以前は高い関心があったレジャー・趣味が86%なのに対して、あの働かないフランス人が92%も幸福度に仕事を挙げているなんて、もしかして見栄を張ったの?と疑いたくなる数字ですが、慢性的な就職難が続いてる以上、自分を生かせる仕事を持っている人は幸せと言えることは確かでしょう。
 90%のフランス人が幸福と言っている一方で、7月の月間状況調査では、フランス人世帯の元気が低下していて、薬を飲む人も増えているという記事を読みました。かつては10%あった失業率も数字的には8%までに改善されているのに、なぜか元気がない。公式ヴァカンスの最中なのに不思議ですが、もともとフランスは、精神安定剤の消費がヨーロッパ一高い国でした。一般にフランス人は幸せでいなくてはいけないという意識がとても強い国民と聞くから、自分は幸福って思いたいのに実際にはそううまく行かない現実とのジレンマが大きいのかもしれません。
 幸せでいなくちゃという気持ちが希望も含めてEUのアンケートに現れているような気がしますが、97%もの率で人びとが幸せと言うEU一幸福な国デンマークを、一度訪ねて見たいものです。さて、日本では果たして何パーセントの人が幸せって答えるでしょう?
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by cheznono | 2007-08-17 17:08 | いつもの暮らし

ニース美術館の強盗

b0041912_21591867.jpg 5日の日曜の白昼、ニースの絵画美術館に覆面の拳銃強盗が押し入り、印象派の作品やブリューゲルの絵を盗んで行ったというニュースが日本でも流れましたね。
 ニースの海岸から住宅街をちょっと登ったところにあるジュル・シェレ美術館は、19世紀にロシア・ウクライナの皇女によって建てられたイタリアン・ネオクラシック様式の館をニース市が買い取ったもので、17世紀の絵画から印象派、フォービズムのラウル・デュフィまで、意外に豊富なコレクションを持つお勧めの美術館です。
 入場無料になる第一日曜の昼過ぎに乱入した4~5人の覆面男たちは、数人いた美術館員をピストルで脅して床に伏せさせ、モネとシスレー、そしてブリューゲルなど計4枚を盗み出し、さらにもう一枚シスレーの絵を盗ろうとしたけれど、重過ぎて断念。風のように去って行ったとか。その間、館員と居合わせた入館者たちはさぞかし震えていたことでしょう。入場無料日とはいえ、たいていのヴァカンス客は美術鑑賞よりもビーチで転がる方を選ぶせいか、入館者がまばらだったのが不幸中の幸いですが、だから狙われたのかも?
 盗まれた4点のうち、オルセー美術館から預かっているアルフレッド・シスレーの「モレのポプラ並木」は、9年前にもこの美術館の当時の学芸員とその仲間によって盗まれ、数日後に隣町で無傷で見つかったもの。しかも、なんとこの絵は30年近く前にも盗まれていたというから、今回で強盗被害経験は3回目になるわけです。1978年の初回は、ニース美術館がマルセイユでの展示会にこのシスレーの絵を貸し出した所、マルセイユで盗まれ、その後、なぜか排水溝で見つかったそうです。
 数奇な運命の風景画と言えますが、今までは盗まれてもすぐに戻って来たわけだから、今回も早く無傷で見つかると良いですね。4点とも価値が高過ぎて、市場で売買できるような作品ではないらしいですが、今頃いったいどこに隠されているのでしょうか? 
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by cheznono | 2007-08-10 23:08 | コート・ダジュール散歩

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 さて、「イタリア的、恋愛マニュアル」を観たら、ちょっとイタリアが恋しくなりました。明日何があるかわからないから、とりあえず今日を思い切り楽しもうというイタリアの精神は、もしかして、宵越しの金は持たねえ、の江戸っ子気質にどこか通じるものがあるかも?と首をかしげつつ、でも意外にというかフランス人に比べたら明らかにずっと保守的なイタリア人だから、稼いだお金はパーッと楽しく使ってしまおうと言いながら、根は保守的な江戸っ子と似ていてもおかしくないかも、と妙に納得したり。そういう見方をすると、イタリア人気質が結構身近に感じられるから不思議です。
 ニースから軽く日帰りできるイタリアン・リビエラの都市の中で、サンレモ以上に私が気に入っている町、インペリア。ガイドブックや旅の本からは殆どはずされていますが、中世の面影とバロック様式の建築がうまく融合している素敵な町だと思います。
 インペリアは、歴史的建造物の多いポルト・モリッツィオと商業が盛んなオネリアという二つの町が、20世紀初頭に合併してできた町で、両者は電車で10分位、バスで15分程度離れているのが特徴です。
 ここは、上質のオリーブ・ヴァージンオイルが採れ、またデュラム麦のパスタの生産でも知られるため、昔から繁栄し、かつサンレモ同様に地中海沿いのリゾート地としてヨーロッパ貴族に人気があった地域なので、全体に豊かな雰囲気が漂っています。ポルト・モリッツィオは海側の鉄道駅を出ると、市民が手動で操作するガラス張りの屋外エレベーターを使って丘の上の旧市街に上がることができ、海を見下ろしながら自分達だけでエレベーターで丘を上るという、スリルと感動の入り混じった気持ちを味わえます。
 バロック様式の大聖堂や教会、オリーブオイル博物館などのあるポルト・モリッツィオは、文化的な観光向き。対して、オネリアはしゃれたブティックや雑貨のお店が連なり、クラシックなアーケードのそぞろ歩きが楽しめるので、一挙両得ですね。
 海では、クジラやイルカのウオッチングを楽しむ船も出ているとか。18世紀のロシアや英国貴族も海に出て、こうしたウオッチングを喜んだというから、汚染が深刻と聞く地中海もこの辺りの生態系はうまく保たれているのかも知れません。 
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by cheznono | 2007-08-04 01:45 | イタリア絵日誌