<   2007年 12月 ( 5 )   > この月の画像一覧

ニースの魚は新鮮?

b0041912_2222741.jpg
 帰国前に魚をご馳走してあげるね、と友達がニース市内のさる大手スーパーの魚売り場に行き、氷の台の上に並んでいる魚を吟味して、スズキを買おうとしたら、魚売り場のムッシュウが言ったそうです。「今日は魚買わない方がいいよ。あんまり新鮮じゃないからね。」えっ!?
だって、氷の上にこんなにたくさん魚が並んでいるじゃない?「まあ、入って来たから並べてるけどさ。」はあ、そういうものですか?「じゃあ、明日来れば良いかしら?」と聞いた友達に、「さあね、明日もわからないねえ」だって。
 友達は、とっても正直な魚屋さんで良かったって笑ってましたが、いいんでしょうか、かつては漁村だった地中海沿いのスーパーがこんなことで。しかも冬なのに。何も刺身で食べようというわけじゃないけれど、お陰でいかにも新鮮そうに並んでいる魚も用心しなくちゃいけないって肝に銘じました。でも、そのムッシュウは魚を買いに来たお客さん皆んなに「今日は買わない方が、、」って言ってるのかしら?
 結局、友達には鴨のマグレをご馳走してもらいました。ミディアム・レアに焼いたかなり赤いままの鴨肉だったので、内心ちょっとひやひやでしたが、幸いお腹もこわさず、元気で帰国することができました。
 写真は、ニースのクリスマス市会場。今年は雪をあしらったモミの木が多くて、コート・ダジュールの人々のホワイト・クリスマスへの憧れが感じられます。
[PR]
by cheznono | 2007-12-25 22:04 | 不思議の国フランス

エンジェル

b0041912_0222282.jpg「まぼろし」や「8人の女」、「僕を葬る」のフランソワ・オゾン監督による、舞台を100年前の英国に移した大メロドラマ「エンジェル」。夢見る少女時代からの空想を小説にして、大成功した若き作家の生涯を描いた正統派のドラマで、きれいな映像と古き良き時代の大げさな身振りなどが楽しめる作品です。
 でも、オゾン監督が惚れ込んだというヒロイン、エンジェルのキャラクターや生き方に共感できないと、どっぷりこの作品の中につかるのは難いかも知れません。
 つましい労働者階級に生まれたエンジェルは、近所のマナーハウス:パラダイスに憧れ、上流者階級の華やかな生活を夢想しては、いずれは自分もと夢を膨らませる文学少女でした。ある時、実体験なしに自分の空想だけで書き上げたロマン小説が、ロンドンの編集者に認められ、彼女は一躍若き美人作家として脚光を浴びます。
 あっという間に流行作家として大成功を収めたエンジェル。破産して売りに出されたパラダイス邸を買い取って母親と移り住み、早くも子供の頃の夢を実現させます。その頃出会った、上流階級出身の売れない画家エスメに強く惹かれた彼女は、ハンサムなエスメに積極的にアプローチし、自信を持って彼にプロポーズ、二人はパラダイス邸で新婚生活を始めます。
 作家としての成功と憧れのお屋敷で愛する人との暮らし。若くして夢を全てかなえたように見えたエンジェルですが、それは砂上の楼閣であることに気づきませんでした。
 若い女性独特の根拠のない自信をみなぎらせたエンジェルのすごい所は、想像力のみで20そこそこで女流作家として一斉を風靡し、憧れのマナーハウスと愛する夫を手に入れて、自分の理想を実現して見せたことでしょう。しかし、経験と人間観察に欠けるエンジェルは、自分の描いた夢の世界に逃避して、現実を見据えることができませんでした。
 オゾン監督は、ロマン小説家として時流に乗り、ちやほやされるエンジェルと、なかなか大衆には理解されない絵を描き続けるエスメとの芸術の質の違いも対比させています。
 エンジェルのように大衆受けして売れ、成功を見て、やがて時代と共に忘れられてゆくのと、存命中は認められず暮らしに困るほどでも、後世にその芸術性の高さを評価されて歴史に残るのと、アーティストとしては、どちらが幸せか?凡人の私は、後で忘れられても、やっぱり生きているうちに光を浴びたいと思ってしまいますが、せっかく成功して全てを手にしても、自分の実生活を幸福に保つのは意外に難しいものなのでしょうね。
[PR]
by cheznono | 2007-12-22 00:30 | 映画

地中海のスケート場

b0041912_4213070.jpg
 急に寒くなって、いよいよコート・ダジュールも冬支度。ニースでもクリスマス・マーケットが始まりましたが、ログキャビンのお店がたくさん並んでいる割には活気に欠けていて、何となく寂しげなマルシェです。
 イタリア国境に近いマントンに行って、友達に会いがてら、クリスマス・マーケットを冷やかして来ました。エクスなどのマルシェに比べて、マントンのマルシェは、小さいアトリエの手作り品の出店が多くて、素朴な分だけ温かみがあり、楽しかったです。
 椰子の木の下のマルシェを抜けると、海の目の前に仮設スケート場が現れて、おおっと声を上げてしまいました。ニースのクリスマス・マーケットの横にもにわかスケート場が登場していますが、マントンはすぐ向こうが地中海のため、規模が小さくても滑る人は格別に気持ちが良いのではないかしら?
 海と椰子の木に挟まれた野外スケート場を見て、私も一緒に太陽の下をぐんぐん滑ってみたくなりましたが、、スケート靴なんて高校時代以来履いたことないから、すぐに転んで、前に進めないかも。
[PR]
by cheznono | 2007-12-15 04:26 | コート・ダジュール散歩

アビニョンのクリスマス

b0041912_23474963.jpg
 久しぶりにアビニョン郊外の友人宅を訪ねて、冬のプロヴァンスを堪能して来ました。ニースから3時間余り。かつて何度も利用したアビニョンTGV駅の板張りのホームに降り立った時は、懐かしさで胸が熱くなるほどでした。
 先月はマイナス10℃の朝もあったというアビニョンですが、12月初旬は穏かに晴れ、ヴァントー山を囲む夕焼け空が澄んで、とてもきれい。ポプラの冬木立の足元には、すっかり葉を落としたぶどう畑が続いています。でも、刈入れの終わった筈のぶどうの枯れ枝には、なぜか大粒のぶどうの実がたくさん残ったまま。なんてもったいないんでしょう。
 プロヴァンスではスペインからの季節労働者の手を借りて、秋に一回目の収穫を終えてぶどうを出荷すると、その後のぶどうは摘まずに枝にほおって置かれるのだとか。ふどうも生産過剰のため、刈入れに費用をかけると赤字になってしまうのだそうです。
 さて、ここでも着々とクリスマスの準備が始まっていて、リュベロンの小さい村々でも順番にクリスマス・マーケットが開かれます。今回楽しみにしていたアビニョンのクリスマス・マーケットは、以前よりもお店が増えていて、まるでここはアルザスか?と錯覚しそうなくらい華やいだマルシェとなっていました。
 各ログ・キャビンは、出店者によって丁寧に飾られ、クリスマスの雰囲気がおしゃれに演出されているので、見ているだけで浮き浮きして来ます。ユーロが高過ぎて、何も買えないのが残念ですが、見物だけで結構満足できました。マルシェの前の市庁舎では、クレシュ(キリスト生誕群像)が公開されています。
 エクサン・プロヴァンスでの講演に呼ばれていた友人達と一緒に、再びエクスにも行って、ミラボー通り沿いのクリスマス・マーケットも見て歩きましたが、エクスのマルシェは規模が小さめ。地元の生産品を売るお店が多いアビニョンに比べて、各国の名産を扱っているお店が目立ちます。クリスマス用に儲けられたテント内では、イタリアやドイツなどのお店に混じって日本店も出ていて、手作りかりんとうを味見させて貰いました。
 ニースのクリスマス・マーケットは明日から。準備中の公園横のマセナ広場では、なぜかサンタさんが二人、手持ち無沙汰にうろうろしていましたが、太陽さんさんの椰子の木の下では、サンタも浮いて見えますね。
[PR]
by cheznono | 2007-12-10 00:32 | プロヴァンス賛歌

イタリア一美しい村

b0041912_0365715.jpg
 ドルチェアクアを後にした私たちは、次の鷲ノ巣村イソラボーナを通り過ぎて、アプリカーレに向かいました。ここはイタリアで一番美しい村の一つに選ばれていて、規模も比較的大きく、見応えがあります。
 アプリカーレも中世にサラセン人やムーア人が地中海から襲撃してくるのを避けて、豪族が山の中に隠れるように城を建て、教会を作り、その下に村人の家が広がったという構造は、フランス側の鷲ノ巣村とよく似ていますが、観光化やお金持ちと外国人の別荘化しているニース近郊の村に比べて、イタリア側の村は生活の匂いがあって、人のぬくもりが伝わって来るところが良いですね。
 アプリカーレは、村の入り口から点々と石造りの家壁にフラスコ画が描かれているのが特徴で、細い石畳の小道を登り切ると写真の広場に出ます。目の前にパノラマの開けるこの広場で背中を振り返ると、上にそびえるお城と教会が望めて、それが思わずおおっと声を上げたくらいに印象的でした。
 今は日が短いため、あっという間に暮れなずんでしまった山道をサンレモまでゆっくり下り、ラビオリやドライトマトなど食料品の買出しをしてから、ヴァンティミリアで魚を食べて、良い気分で帰って来ました。
 ブリュッセルから来た友達は、サンレモのインド系のお店に並んでいたカシミアのマフラーを購入。なかなか凝った模様の織り込まれた素敵なマフラーで、薄いけれどカシミア100%が10ユーロです。彼が早速首に巻きつけると、後から皆んなに安過ぎるから純粋なカシミアのわけがない、インド系の店には気をつけなきゃとからかわれてましたが、手触りはソフトでシルクのよう。やっぱり私も買えばよかったかな?
[PR]
by cheznono | 2007-12-05 01:21 | イタリア絵日誌