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 今週は結構受難の週明けでした。週末の夜、自宅の階段でスリッパがすべり、尻餅をついてそのままどんどんと5段くらいお尻で落下。しばらくは動けないほど尾てい骨をしたたかに打ったため、未だに腰が痛くて情けないです。
 翌日は、白内障が気になる愛犬が網膜はく離を起してしまったので、動物病院へ。これは失明の恐れがあると早口の獣医さんから診断されて、青くなりました。自分の脚で目を触らないようにと、首の周りにエリマキトカゲのようなエリザベスカラーを装着された愛犬が哀れですが、本人(本犬?)は案外カラーを気にせず、獣医さんへも遠足気分で陽気に通ってくれるので、少し救われています。注射と薬が効いたみたいで、今日はだいぶ目のキズが良くなりました。
 一人勝ちのユーロ高のせいか、パリの安ホテルはことごとく予約が一杯で、5月末の渡仏の予定も思うように進みません。今回の渡仏にと、一大決心して初挑戦しているMacも、長年のWindowsユーザーである私にはとまどうことが多く、昨夜はインストール中に画面が真っ黒にフリーズ。再起動しても全くダメだったので、寝付けませんでしたが、アップル電話サポートのとても親切な担当の方のお陰で、みごとに復活したから、胸をなぜ下ろした次第です。
 
 さて、今日は今年のカンヌ映画祭の公式出品作品が発表されましたね。今年は5月末に出発予定のため、映画祭には間に合いませんが、フェスティバルが終わるとすぐにニースの映画館でも参加作品の上映が始まるので、今から楽しみです。
 フランスのトイレ事情については前にも書きましたが、スーパーやコンビニにもトイレのある日本に対して、カンヌもニースも、人気リゾート地のわりに気軽に利用できるトイレが少ないのが不便です。係りのいる有料のトイレはあっても、お役所のような営業時間のため、午後6時以降や日曜祝日は利用できないし、カフェに入るには時間がないし。。そんな時には、大きなホテルのお手洗いを利用するのがお勧めです。
 中規模以下のホテルだと、レセプションも小さくて入りにくいけれど、 メリディアンやヒルトン級の大きなホテルなら、ススっと入って行き易いでしょう。秘訣は入り口付近でおずおずとせず、堂々と突っ切って行くことでしょうか。私のように、煌びやかなインテリアやシャンデリアのまぶしさに、「わあ、すごい!」といかにもおのぼりさんの反応を示したり、「はて、トイレはどこかしら?」みたいにキョロキョロすると、いっぺんで宿泊客ではないと見破られてしまう危険性がありますから、ご注意を。
 ニースやカンヌなら、カジノも利用価値大です。カジノ見学を兼ねて、トイレ探検するのは結構楽しいかも知れません。因みに、モナコのカジノは見学も有料です。でも、モナコはカジノの入り口脇に、小さいゲームセンターのような遊び場が設けてあって、5ユーロ単位でトークンを買えば、観光客もスロットマシーンを楽しむことができます。遊び方がわからない場合は、ボーイさんに聞くと親切に教えてくれるでしょう。
 写真は、ネグレスコの不思議な男性用トイレ。女性用の写真は以前ご紹介したので、今回は思い切ってこちらを載せて見ました。 
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by cheznono | 2008-04-24 01:33 | いつもの暮らし

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  時間と孤独を持て余しているお金持ちにつけ入るジゴレットと、ジゴロになり切れない青年の恋を描いたコメディ「プライスレス」には、優雅な引退生活を送るコート・ダジュ-ル族のクリシェがいろいろ盛り込まれていました。
 この映画の舞台となったモナコのホテル・ドゥ・パリは、モンテカルロのカジノの横にある4つ星ホテルで、19世紀からの美しい建物には古き良き時代の華やかさが漂い、アラン・デュカスのレストランが入っていることでも知られます。
 なんて、まるで泊まったかのようですが、私は1階を見学しただけ。ニースのホテルなら、プロムナード・デ・ザングレ沿いの高級ホテルでも、何気にスッスと入って行けば誰にも呼び止められませんが、ホテル・ドゥ・パリでは入り口で、「どちらへ?」と聞かれてしまいました。かなしいかな、宿泊しそうな客には見えなかったのでしょう。
 「日本から来た友達にちょっと中を見せたくて」と言う友達に、「見学はご遠慮ください」とボーイさんはけんもほろろ。「じゃあ、中でお茶をすればいいでしょう?」というわけで、私たちはホテル内のカフェで、インテリアや宿泊客を観察することに。予想以上にカフェが高いと、友達は憤慨していましたが、銀座でお茶するくらいのお値段で、添えてある手作りチョコが絶品でした。
 それに、内装やお部屋の豪華な雰囲気は「プライスレス」で楽しめたから満足です。気になる宿泊料は一泊7万円から。スィートルームが多いこともあって、平均は一泊12万円~のようです。ハネムーンや結婚記念日に二人で泊まるには、お勧めかも知れません。
 以前、ニースで働いていた美人看護師さんから聞いた話では、モナコにはお金持ち目当てにあちこちの国から集まってきた若い女の子がたくさんいて、バーやディスコでうろうろしているそうです。そういう彼女も毎週モンテカルロに通いつめ、ハンサムなイタリア人青年事業家に失恋して落ち込み、「もうモナコには行かないわ」と言ってたのに、そんな彼女を慰めてくれた美容整形医から豪邸に招待されて、「君は天使のような顔をしている。もうムリして働く必要なんてないよ」とプロポーズをされたとか。「夢のような展開だけど自分は彼を好きになれなくて、、」と悩んでいました。
 「プライスレス」では、ご多聞にもれず美容整形医も登場したから、この話を思い出しておかしかったです。「でもね、私はやらずぶったくりで金持ちを利用している女の子達とは違うわ。これまでの食事代とかのお礼にネクタイをプレゼントしたのよ」と笑う看護師さんは、でも結局、かつてDVに耐えられなくなって飛び出した元彼のところへ戻って行ったから、女心は摩訶不思議です。今頃は、どこかで幸せな家庭を築いていると良いのですが。
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by cheznono | 2008-04-17 17:17 | コート・ダジュール散歩

ノーカントリー

b0041912_023722.jpg アカデミー賞4部門獲得、コーエン兄弟最高傑作、でもちょっとえぐそうな作品なので覚悟して観に行きましたが、その暴力的なリアリズムは想像を上回っていました。
 アイルランド系のアメリカ人原作者コーマック・マッカーシーによる原題のNo country for old men(年寄りに居場所はない)は、アイルランドの詩人イエーツの詩から来ているのですね。映画は、トミー・リー・ジョーンズ演じる保安官ベルの語りから始まります。
 1980年のテキサス州、メキシコ国境に遠くない荒野で、溶接工のモスは偶然、数台の車や軽トラックに散らばった遺体を発見します。麻薬の取引を巡った銃撃戦の惨劇後で、生存者は虫の息のメキシコ人が一人。しきりに水をほしがる彼を見捨て、モスは現場に残された200万ドル入りのケースを抱えて自宅に逃げ帰ってしまいます。
 その夜中、メキシコ人のために水を積んだモスは、暗闇を再び現場に向かうのですが、この行動から不気味な殺し屋シガーに狙われる羽目に。しかも、モスがかすめた札束にはGPSのような発信機が隠してあったのです。
 命の危険を感じたモスは、妻をオデッサの実家に向かわせ、一人逃亡の旅に出るものの、執拗に彼の後を追うシガーの影がつきまといます。一方、昔かたぎの保安官ベルは、モスの身が危ないことを察知して、独自に捜査を始めるのですが。。
 ベトナム帰還兵の大胆さを持つモスの逃走劇とシガーの追跡は、冷徹なリアリズムと緊張感にあふれ、息もつかせない展開を見せます。自分の決めたルールに従って、無感情に人を撃つ殺し屋シガーの行動は、常人には全く理解不能、正義感の強い哲学的な保安官ベルの人生観とは対照的な冷酷さが異様です。
 保安官ベルが、「最近の犯罪は理解を超えている。理由なく殺人を犯す。」と虚しい表情を見せる場面がありますが、これは今、毎日のように起きる日本の犯罪に通じるものがあって、背筋が寒くなりました。第一、映画的技法は卓越しているとしても、こういう作品を名立たる各映画祭が絶賛するところに、先進国の闇を感じずにはいられません。
 逃走・追跡劇の合間に、ベルを通して、人間の本質や現代社会の教訓などがセリフに盛り込まれているし、引退を控えたベルが語る父親の夢が死生観に繋がる感もありますが、何とも殺伐とした気持ちになる作品でした。
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by cheznono | 2008-04-11 01:44 | 映画

b0041912_129036.jpg  オードレイ・トトウとガド・エルマレという、今をときめく人気スターを起用した「プライスレス~素敵な恋の見つけ方」。東京ではひっそりと地味目に公開されていますが、去年フランスでは大ヒットし、各メディアの批評も上々だった作品です。

 海辺のリゾート地ビアリッツの高級ホテルで、若くてきれいなイレーヌが、バーで偶然出会ったジャンを大金持ちだと思い込み、おくてな彼を誘惑、一夜を共にします。
 実は、ジャンはこのホテルのボーイに過ぎず、イレーヌは金持ちを誘惑しては貢がせる高級娼婦のような存在。一年後に再会した二人は、再びロマンティックな夜を過ごしますが、ジャンがしがない従業員と知ったイレーヌは、さっさと年配の愛人の元に戻ってしまいます。しかし、金持ちの愛人は不実なイレーヌに別れを告げるのでした。
 心機一転、イレーヌは河岸を変える決心をして、モナコに向かいます。すっかりイレーヌに心を奪われた純情なジャンも、彼女を追ってコート・ダジュールへ。新たな金持ちのパトロン探しに苦戦するイレーヌに、ジャンは全財産を貢いで尽くしますが、豪華な食事、4つ星ホテルのスイートルーム、ブランドのドレスと恐るべきマテリアルガール:イレーヌのため、あっという間に自己破産。あわやと言うところを、上品な有閑マダム、マドレーヌに拾われます。
 期せずしてマドレーヌのジゴロとなったジャンですが、新たな愛人と同じホテルに滞在しているイレーヌのことが気になって仕方ありません。一方、イレーヌは今や同じ愛人稼業のジャンに妙な仲間意識を持って、誘惑のテクニックを伝授。一度見つけた金持ちからは「取れるだけ取る、買わせる」という信条を叩き込みます。
 その指導あってか、マドレーヌから超高級腕時計やスクーターを買い与えられたジャンは、イレーヌと互いの戦利品を自慢し合い、二人の間には一種の共犯者意識が芽生えるのですが。。

 フランス版援助交際の権化とも言えるイレーヌが、若さと容姿を武器に、自分の祖父とも見える年配の金持ちを次々に渡り歩く姿には、かつて高級娼館として知られたクロードの館の話を思い出させますが、イレーヌは一匹狼で高級リゾート地の男たちを渡り歩くところがあっぱれです。
 観ている側もうんざりするほどの物質至上主義でも、そういう姿勢をいっさい批判せずに、ひたすらイレーヌを慕うジャンの、まるで忠犬のような人の良さと、線の細さ、ユーモアのセンスをガド・エルマレが実に魅力的に演じています。

 でも、この映画がフランスで受けたのは、軽妙洒脱な会話のやり取りもさることながら、コート・ダジュールに象徴される高級リゾート地の極めて表面的で浮ついた側面や、誰もが憧れる富裕層の社交の裏側が、面白おかしく、でも端的に皮肉られているからではないでしょうか?
 お金と時間を持て余しながら孤独な金持ち層と、彼らを利用する若い娘の物質主義をコメディ仕立てに描きながら、現代社会を軽ーいタッチで揶揄っている点で、やっぱりフランス的エスプリが効いているって言える作品だと思うのです。
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by cheznono | 2008-04-05 01:38 | 映画