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ヴァカンス大国の憂鬱

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 年間5週間の休暇が保証されているヴァカンス大国フランスも、インフレ、購買力の低下、ガソリン高などの経済不安に加え、天候不安な冷夏だったため、この夏のヴァカンスは出足が鈍り、旅行に出かけたのはフランス人の二人に一人だけ(子供は三人に二人)だそうです。
 普段なら人気のヴァカンス先である大西洋沿岸のノルマンディーやブルターニュ地方は、例年に比べてお客が激減。一番人気のモン・サン・ミッシェルでさえ今年は観光客が減ってしまい、稼ぎ時の夏の筈が思わぬ事態に、地元はがっかりでしょう。
 全国的に雨がちで涼しい夏なのを物ともせず、唯一コートダジュールだけは常に太陽ギラギラ、外国人旅行者が多いこともあって観光客は殆ど減っていません。
 とはいえ不況入り目前の今、誰しも財布の紐は固く、ヴァカンス旅行に出かけた人もレストランに行く回数を減らして、レジャー費用を節約、お陰でパン屋さんはほくほくとか。高い外食を避けて、パンやサンドウィッチを買うヴァカンス客が増えたためでしょう。
 なので、キッチン付きの短期貸しアパルトマンはこの夏も予約でいっぱいです。家族や数人の友達と滞在型の旅行を楽しむ場合、ホテルに比べて短期アパルトマンは経済的だし、お茶一つ湧かすのにも便利です。しかし、遠くからニースにやって来た外国人はともかく、フランス人は自分の普段の生活をヴァカンス先のアパルトマンにも期待する傾向があって、洗濯機がない、テレビのチャンネルが少ない、壁の絵が気に入らない
など文句も多いから、大家さんも大変ですね。
 イスタンブールから来た日本人の友達とグラースに行った時、お昼に9ユーロのパエリアを注文して、飲み物は頼まずに「お水を下さい」って言ったら、レストランのパトロンらしきムッシュウが「まったく財布の紐が固いねえ。皆んなの危機だよ、これは。」って呟いたので、思わず苦笑い。その後、お水はいっこうに出してもらえず、喉からからでイライラし始めた私たちが催促しても、パエリアが来てからも、お水がなかなか運ばれて来なかったのは、飲み物をまないお客へのリベンジだったのかも?
 写真はニースの北にある鷲ノ巣村ル・ブロックのレストラン。
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by cheznono | 2008-08-24 22:26 | 不思議の国フランス

カンヌの国際花火大会

b0041912_20564893.jpg 今、コートダジュールの海岸では、花火が真っ盛り。特にカンヌとモナコでは7月から国際花火大会が開かれて、盛り上がっています。今年はスイス、ロシア、カナダ、イギリス、ポーランド、オーストリア、デンマークなどが参加。各国が週代わりでそれぞれテーマを掲げては、花火の技を競っています。
 私がカンヌに出かけた日はポルトガル主催の夜。国際花火大会出品とはどんな花火かと楽しみにしていましたが、日本の花火に比べるとやっぱりシンプルでオーソドックスだったから、ちょっと物足りません。
 ただ、リゾート客でごった返しているカンヌも、隅田川とかとは比べものにならない程度の緩やかな人出だし、高々と立ち並ぶヤシの木(ニースと違って美しくカットされています)や高級ホテルが見下ろす砂浜で、音楽をバックに次々に上がる花火を楽しめたので、気分は上々でした。
 そして、先週末の聖母マリア聖天の祝日は、ニースの花火鑑賞へ。先月の革命記念日(パリ祭)の夜、恒例の花火を見ようと集まった観光客の前で、用意された花火は船の上で炎上。けが人が出なかったのが幸いですが、ニース市の面目は丸つぶれだったそうです。なので、8月15日はその大失敗の雪辱戦、見応えがあるに違いないと期待して見に行きました。
 とりあえず、映画を一本観てから夜10時にプロムナード・デザングレで待っていると、天使の湾に点々と船が出て、花火が上がり始めました。カンヌと違ってバックミュージックがないのが寂しいけれど、目の前で続々上がる花火は迫力満点。
 折しもまんまるに近い月が煌煌と波を照らしていて、強い月明かりを背景にポンポン上がる花火は結構オツなものでしたが、花火自体は子供の頃、田舎の夏祭りで見たような,どちらかというと素朴な花火で、創造性には欠けるかも。「日本の花火はね、もっと芸術的だよ」って自慢したら、同行の友達に「なんでなんで、あのきれいな花火のどこが不満なの?」といぶかられてしまいました。
 しかし、いくら日が長い夏とは言え、なぜこちらの花火は10時過ぎに開始して、わずか20分余りで終了なのでしょう?これでは、花火が好きでもわざわざ見に出かけるのが億劫な人も多いのではないかしら?
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by cheznono | 2008-08-18 21:01 | フランスの四季

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 今日のニースは予報を越えて34℃。セミも黙ってしまうほど暑くて、ぐったりです。私のいるアパルトマンの上がお隣さんの庭になっていて、小さい実がたくさんなったグレープフルーツとオレンジの木が植わっているのですが、どちらも去年から実を付けたままで、誰も収穫しようとしません。
 住人のハンガリー人は、なぜかグレープフルーツを食べる習慣がなく、オレンジの方は酸っぱ過ぎてジャムしかならないから、ほおっておいているとか。よって、秋から実を付けたままの柑橘類の木は、風に揺れて時々実を落としながら、夏になって新しい青い実をつけてもまだそのままにされていました。
 しかし、ここ2ヶ月、5分以上雨が降ったことがないニースで、水不足をしのぎ、猛暑を耐えている木々も、さすがに身軽になりたくなったのでしょう。最近はグレープフルーツやオレンジの実がしょっちゅう私の屋根に転がり落ちて来て、ドッスーン、ゴロゴロという音で夜中にビクッと目を覚ますこともしばしばです。 
 さらにその上にそびえ立つ大きなオリーブの木から、パラパラと実が振り落とされる音を何度雨の音と勘違いしたことか。ここの庭では、今流行りのオーガニック野菜を食べようと、馬の糞を肥料に家庭菜園も作っているので、どこか「画家と庭師とカンパーニュ」に通じるような暮らしと思いたいですが、あいにくアーティストも庭師もいないし、ブラックベリーのトゲで傷だらけになったり、しぶとい蚊に悩まされる毎日です。
 ところで、やっと重い腰を上げた大家さん、暑い中グレープフルーツとオレンジ狩りをして、その実をしぼり、朝食用のジュースを作り始めました。グレープフルーツの実は小さ過ぎて、中身の半分がびっしり詰まった種のため、ジュースかジャムにするしかないみたいですが、実を付けてから3シーズンも経つのに、どれもまだ瑞々しく、結構な量のジュースが取れるのにはびっくり。
 もいだ実は照りつける日射しにあぶられて、燃えるように熱いため、これなら皮の中で既に茹で上がっていてもおかしくないのに、不思議なものですね。
 
 昨日は、南仏の柑橘類のような黄色を初め、原色をふんだんに使った画家フェルナン・レジェの美術館に行って来ました。鷲ノ巣村ビオットの麓にある美術館は、改修のため数年館閉館していましたが、最近新たにオープン。再開記念のこの夏の特別展示は、レジェが晩年に力を注いだテーマ「田舎でのピクニック」で、レジェの作品の他にアンリ・カルチェ・ブレッソンやロベール・ドワノー、ウィリー・ロニスなどの写真家による田舎をテーマにしたモノクロ写真もたくさん展示されています。
 夏は自然に囲まれて、庭やテラスなど屋外で食事をするのが大好きなフランス人。レジェ美術館の庭には、パラソルの下で軽食が取れるスナック食堂もあって、田舎でのピクニック気分が楽しめること請け合いです。
 フェルナン・レジェ美術館: www.musee-fernandleger.fr
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by cheznono | 2008-08-09 03:36 | いつもの暮らし