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フランス通販の楽しみ方

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 フランスの通信販売はというと、La Redouteや3Swissesなどの国民的カタログ通販会社は発達していたものの、オンラインショップの進出は遅めでした。それがネットの普及、特にADSLやWIFIの大普及で、今やインターネットで物品販売をするフランス人は15%近いとも言われる急成長ぶり。当然、ネットでお買い物する人も急増していて、毎年恒例のクリスマスショッピングをネットで済ませる人や、不況の影響かプレゼント用にオークションで中古品を求めるフランス人も増えているようです。
 日本人にとっても、フランスのショップサイトでのお買い物がとても身近になったのは嬉しいですね。しかし、フランス通販は、フランス領内、またはEU圏内でないと発送しない会社やお店が多いのと、アジアまで発送してくれても送料が高めというネックがあるため、アメリカに比べたら個人輸入の敷居が高いかも知れません。

 フランスの会社の設定する海外発送の送料が高めなのは、郵便でなくて国際宅急便を使う会社が多いためで、わずかな物を注文するのに送料が30ユーロ以上かかるケースもしばしば。円高だからフランスから直接買ったら安そう、という気持ちで見積もりを取ると、送料が商品合計と大差なくてびっくり、二の足を踏んでしまう人も少なくないでしょう。
 以前は郵便局から発送していた会社が次々に宅配便利用に乗り換えたり、日本宛のようなEU圏外への発送を停止してしまう会社も増えたりしているのは残念です。これは郵便での発送の途中、フランス国内で紛失や盗難、未着になる事故が続いたせいで、それに懲りた通販会社が保証のしっかりしているFedex等の宅急便に発送方法を変更した結果、利用者が高い送料を負担させられることになってしまった、と考えられます。
 因みにフランスの郵便物の紛失が増えたのは、実質的な民営化を前に段階的なリストラや組織改正を行った合理化の副作用、と言われ、国民の6割が政府の民営化路線に反対しています。民営化されたら、小さな村の郵便局の存続が危ぶまれるのも日本と同じ図式ですね。

 フランスから商品を輸入する場合、内税で20%近くかけられている付加価値税分を15%前後引いてくれるお店も少なくありません。これは旅行者がパリの有名店である程度のお買い物すると、デタックスしてくれるのと同じです。それでも、単価が50ユーロ前後の品だと送料が割高になりかねないので、思い切って商品単価の大きいものを注文する方が、個人輸入のメリットを感じられると思います。ただ、輸入する物によって100ユーロを超える品には日本の通関時に関税がかかる可能性があるので、ご用心を。
 
 数ある通販会社の中で、私のお勧めは例えばアマゾンコム・フランス。ここは送料も手頃で、2つ目の商品からはわずかな送料加算で済むし、対応もしっかりしています。現在日本まで発送してくれるのは、本とCDやDVDのみ。ゲームやおもちゃなどはアジア向け輸出対象外です。アマゾンフランスの送料は、それでも米国や英国のアマゾンコムに比べると高いから、欧州で人気のある歌手のCDやヒットした映画作品だったら、まずアマゾンコムUKで探してみるのも良いかも知れません。
 
 じっくり画像を吟味して注文した物が、海外から届くのは、独特のわくわく感があると思います。でも、どの国から商品を取り寄せるにせよ、個人輸入には注文後の品切れや商品違い、破損、未着などのトラブルが起こりがちなのも否めません。通販先進国でも日本とは商習慣が違うし、例え相手が経験豊富な大手通信販売会社だったとしても、日本国内の通販とはかなり勝手が違うので、その点を踏まえた上で、時間や気持ち、そして予算に余裕を持って臨むのが、海外通販を楽しむコツではないでしょうか?
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by cheznono | 2009-11-29 01:10 | いつもの暮らし

個人輸入の楽しみ

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  話題のミネラルファンデーションに興味を持って、アメリカの化粧品メーカーにサンプルを注文したのが10月初旬。以来、まだかまだかと郵便箱を覗いていたのに、未だに届きません。春に米国の別の会社に注文した品が発送の案内メールが届いた後、3週間も届かなかった時に問い合せたら「大雪で街が麻痺していたから郵便物も遅れている、辛抱強く待って」と返事が来て、それから1週間くらいで無事に商品が到着しました。
 なので、今回は忍の一字で待つこと5週間余り。ショップサイトの注文履歴のページでは既に発送済みとなっているのに、いっこうに届かないのはなぜ?ついにしびれを切らせて聞いてみると「それは恐らくどこかでなくなってしまったに違いありません。もう一度,注文品を送ります」と、すぐに返事が来ました。送料込みで10ドルちょっとのサンプルに過ぎないけど、米国を出る前に消えてしまったみたいです。
 驚いたのは、担当者の説明によると、サンプルが発送されたのは私が発注してからなんと3週間後とのこと。「それでも、未だに着かないのはおかしいので再送するわ」と言われましたが、アメリカの会社にしてはかなりのんびりした対応に苦笑い。今度こそ、無事にサンプルが到着してくれないと困ります。でももう待ちくたびれて、自分の中で盛り上がっていたミネラルファンデーションへの情熱は、限りなく下火になってしまいました。
 
 海外に個人輸入を注文すると、毎回ひやひやさせられることが多いけど、アメリカの通販は海外発送の送料も手頃な会社が多く、特に今のようなドル安期は気軽にオーダーできるのが嬉しいですね。
 米国は何せ国がだだ広いせいで、通信販売の歴史が長く、利用者も圧倒的に多いため、やっぱり対応がこなれているし、海外発送も厭わないお店が多いのも助かります。

 イギリスも海外発送をしてくれる会社が多いし、発送も郵便が主流で、たまに船便でもOKという会社があるのが魅力です。しかも、昨夏は240円台だったポンドが今は150円前後。英国の誇るボーンチャイナやインテリア用品を注文するには良いチャンスかも知れません。
 写真はヴェニスのショーウィンドウ。イタリアの人によると、郵便での発送は無くなる率が高いので、日本宛の商品の発送は必ず国際宅急便を使っているとか。何だか、フランスもその後を追っているような。。
次回は問題のフランスからの通販について、です。
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by cheznono | 2009-11-23 01:00 | いつもの暮らし

千年の祈り

b0041912_125514.jpg 去年の夏、ニースの中国大好きな友達に連れられて観に行ったウェイン・ワン監督の「千年の祈り」。とてもシンプルなストーリーですが、異国に暮らす娘を気遣う父親の思いがじわっと来る佳作です。地味な映画だから日本でロードショー公開されないかもと思ってましたが、考えてみれば、日本人と共通する情緒が全編に漂う作品なので、日本公開は当然に思えて来ました。

 米国の小さな町で一人暮らしをしている娘イーラン(フェイ・ユー)のアパルトマンを中国から父親(ヘンリー・オー)が訪ねて来ます。既に引退し、妻とも死別した父親は、離婚したイーランが心配で北京から一人で会いに来たのに、久しぶりの対面にも娘はクール。会話もぎこちなく、イーランはいつも通り毎日職場に出勤して行きます。
 父親は殺風景な娘のアパルトマンに故国を偲ばせる中国的なものが何もないのを淋しく感じ、朝出勤して夜寝に帰るだけの娘のライフスタイルにもショックを受けます。娘を元気づけようと、腕をふるって中華料理を用意しては、イーランの帰りを待つ父親。しかし、親子水入らずの夕食も娘は口数少なく、父親は気をもむばかりです。
 短い結婚生活の後に中国人の夫と別れた娘のどこか憂いのある孤独な様子を、ただ黙ってみていることしかできない父は、しかし娘の鬱屈の原因が離婚ではなく、妻子あるロシア人男性との関係にあるということがわかってしまい、更に胸を痛めます。そんな父親にイーランは、長い間わだかまりとなっていた遠い過去の疑念をぶつけるのでした。
 
 遠い異国で働く一人娘の離婚を気に病んだ父親が、渡米して見た娘の生活はすっかりアメリカナイズされているばかりか、自分の過去も中国文化も父との交流すらも拒否しているかの様子に、内心おろおろする父親役をヘンリー・オーが自然体で好演していて、素晴らしいです。アジア的な老親の悲哀と同時にユーモラスな面もみせるし、全身から人間味がにじみ出ている俳優さんですね。
 ロケット工学者だったという父親は、娘の拒否的な態度にはお手上げ状態でも、公園ではイラン人マダムと親しくなって心を交わしたりと,彼なりに米国滞在を楽しんでいるのが微笑ましいですが、自分の娘とは通わない心が、言葉の通じないイラン人マダムとはなぜか互いにわかり合えるというエピソードが、親子の心の見えない隔たりを強調していて、せつない作品でした。特に、故国に親を残して異国に滞在している時にこういう映画を観ると、それは身につまされます。

 トウールーズから商用で昨日まで来日していた友達が「日本の不況の深刻さはすごい」と何度も繰り返すので、どこでそれを強く感じたのか聞いてみると「東京に来る前に上海に寄って来たのがいけなかった気がする」、なぜなら「上海のパワーはすごかった。街は活気に満ちて、人々はアリのように動き回り、より良き将来への期待に目を輝かして働いていた」と強い印象を受けたのに、日本はとても静かで元気がなくて、とても対照的に見えるとのこと。
上海の中国人の友達からは「拝金主義が行き過ぎているようでうんざりしている、確かに何かを始めるには良い街だけど、一区切り着いたら早く上海を離れたい」というメールが来たばかりなのですが。くだんのフランス人には「日本はこれまでアメリカの方ばかりを見て来たのがいけないんだよ。今度の首相が言う通り、アジアを重視しなくちゃ」と強調されました。それはよく言われていることだけど、改めて外から指摘されると考えさせられますね。
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by cheznono | 2009-11-13 01:26 | 映画

b0041912_0381670.jpg  素晴らしかった「21グラム」や「バブル」、そして「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」の脚本家ギジェルモ・アリアガの脚本監督作品と聞いて、やっぱり観ておきたいと思った「あの日、愛と欲望の大地で」。かなりそそられる邦題だったこともあって、今回の作品も期待していたのですが、うーむ、ちょっと地味な仕上がりでしたね。一見、何も関連がないようなエピソードを複雑に絡めては、インパクトの強い脚本に仕上げるのを得意とするギジェルモ・アリアガの新作にしては、という程度ですが。

 ポートランドの海に面した高級レストランのマネージャーとしててきぱきと仕事をこなすシルヴィア(シャーリーズ・セロン)は、しかしどこか虚無的で冷めた様子で、オフの時間は、心の乾きを持て余すかのように手軽な相手とワンナイト情事を繰り広げる毎日です。
 そんな彼女にメキシコ人カルロスが近づきます。カルロスはシルヴィアに彼女の娘という少女を会わせるため、メキシコからやって来たのでした。
 メキシコ国境に近い町で育ったシルヴィアの本名はマリアナといい、彼女の母親ジーナ(キム・ベイシンガー)は妻子あるメキシコ人ニックと草原の中のトレイラーハウスで逢瀬を重ねていました。良き父である夫と4人の子供に恵まれた母親の不倫を知って動揺し、嫌悪感を覚える思春期のマリアナ(ジェニファー・ローレンス)。
 結局、ジーナとニックは、トレイラーハウスで密会中に爆発事故で吹き飛ばされてしまいます。お陰で二人の情事は互いの遺族に知られることとなり、田舎町では格好のスキャンダルに。でも、ニックの息子サンチャゴが美しいマリアナに興味を持ったことから、若い二人はたちまち恋に落ちて行きます。
 しかし、マリアナの父親が妻の浮気相手の息子との交際を許す筈もなく、マリアナが妊娠したこともあって二人は家を出て国境を越え、メキシコに渡るのですが。。

 過去の過ちが頭から離れないため、自傷的で投げやりな私生活を送っていたシルヴィアが、突然の娘の出現で思わず過去から目をそむけるものの、やはり過去と向き合おうという姿勢に変わって行くところが良かったです。ただ、多感な思春期にマリアナが犯した重大な過ちが途中から読めてしまうので、それなら過去から逃げるばかりだったシルヴィアが、過去の行いの贖罪へと目覚めるところまできちんと描いてほしかったのにと、ちょっと残念に思います。
 でも、あの「LAコンフィデンシャル」のキム・ベイシンガーが56歳とは思えない色香で、自分を女として扱ってくれるニックとの情事に溺れる主婦を熱演していて、さすがという感じ。マリアナを演じた新人ジェニファー・ローレンスも輝いていました。またまた将来が楽しみな新人の登場ですね。

 ところで、今朝、私の電話に長々と8枚ものFAXが入ったので、何かと思ったら、どこぞの由緒正しい両家の結納の段取りをセリフや席の配置まで含めて詳細に説明したものでした。全くの宛先間違いですが、教えてあげようにもいっさい連絡先が入っていません。もしも、お心当たりの方がいらしたら、是非正しい相手先に送信し直すようお伝えください。
 しかし、「結納の儀」とあるのを一瞬、終わった筈の「納棺の儀」と読んでしまった私、それを聞いた父は「まあ同じようなものだ」と嘯いていました。亀の甲より年の功。実体験が言わせたのでしょうか?!
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by cheznono | 2009-11-08 00:50 | 映画

納棺の儀

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 先週の日曜日、4時からの伯父の納棺の儀のために日野の斎場に集まった私たち。4時半になってもなぜか葬儀屋さんも喪主である伯母と一人息子も現れない。当初は6時からと言われた納棺が4時に変更になったと言われたのに、どうしたのかしら?
 皆に連絡の面倒を見てくれた叔母が葬儀事務所に確認したところ、いつの間にか5時に変更になったとのこと。ほどなく到着した喪主の母子は私たち親族を見て、「あれ?5時半に変わった筈だけど」と言うではないですか。
 親族だけの家族葬とはいえ斎場に60万、告別式のお坊さんに20万、その他20万余りで、葬儀費100万円以上と聞くのに、コロコロ時間が変わって連絡もないとは、ここはフランスか!?と思うようなアバウトさ。皆んな携帯持っているのにね。  

 しばらくして、やっと到着した葬儀屋さんの指導の元に、納棺式はまず浄めのお酒で軽く乾杯してから始まりました。そして、まるで眠っているかのような安らかな表情の伯父に、我ら親族によって、西方浄土への旅支度として両手に手っ甲をはめ、足には脚絆をつけた後、経帷子をかけて、足下にわらじを立てかけます。
 ポリエステルの白装束で包まれた伯父は、たちまち巡礼のお遍路さん姿になり、三途の川の渡し賃となる六文銭のコピーを入れた頭陀袋と呼ばれる白いポシェットを首からかけられて、棺に納められ、頭には編み笠を置かれ、その上から故人が生前に愛用していた服装をふわりとかけた上で棺は蓋をされ、祭壇の前に安置されました。
 納棺師を兼ねた葬儀屋さんの説明を聞きながら、伯父に最後の衣装をつける儀式は、おごそかで神秘的とも言える雰囲気で、家族親族の共同作業で伯父の旅支度を整える作業に感慨を覚えたくらいです。
 一方で、日頃神仏に関心を示さなかった伯父が、巡礼の白装束を施され、足袋をつけて、わらじや編み笠まで用意され、棺に納められるのを不思議な思いで見ている自分がいました。

 人が亡くなって7日目に渡るという三途の川がそもそも有料化されたのはいつの時代からでしょう?室町時代あたりという噂があるけれど、渡り賃とされる六文銭が800年も全く物価スライドしていないのは、冥界には俗世のインフレが影響しないから?魔除けの三角布を頭にはつけずに編み笠に包んで入れていたけれど、編み笠の中に隠してしまったら果たして魔除けの役目を果たすものかしら?
 などとしょうもないことを考えていたら、父に「自分の時には六文銭のコピー紙を入れた化繊のポチェットを首から下げたり、幽霊がつけているような三角布を入れた編み笠を頭上に置かれたりするのは、絶対にごめんだ。クラシックでも流して静かに見送ってほしい」と言われました。

 翌日の告別式は、台風の影響で明け方から暴風雨。東京付近のJRはほぼ全線で遅れ、何とか滑り込みセーフで日野の斎場へ到着。叩き付ける雨に「兄貴は最後までついてなかった」と嘆く父を慰めながら、小さな火葬場でお骨を拾い、精進落しのお寿司屋へ。用意された海鮮弁当はため息が出るほど豪華で美味だったので、健啖家だった伯父が食べられなくて本当に残念です。
 声も食べる楽しみも奪われたまま入院生活を静かに耐え、就寝中に粗相をしてはいけないと医者に止められても2時間ごとに目覚ましをかけてはトイレに行っていた伯父さん、これまで病気をしたことがなかっただけに、それは辛い闘病生活だったと思いますが、みごとな最期でした。今までどうもありがとう。伯父さんの思い出はこれからもずっと私たちと一緒です。
 写真は鷲ノ巣村の壁墓地。 
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by cheznono | 2009-11-01 01:13 | いつもの暮らし