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人生万歳!

b0041912_191888.jpg 帰国したら、恵比寿ガーデンシネマが来月末に閉鎖されることになっていたので、びっくりしました。それほど通ったわけではないけれど、フランス映画の上映も多く、なかなか良いセレクションをする映画館だったのに、閉館とは残念です。
 ならばと早速「クリスマスストーリー」を観に行ったら、なんと満席で入れてもらえませんでした。やむを得ず、同時上映されているウディ・アレンの「人生万歳」を観ることに。
 ニースでは既にウディ・アレンの最新作が通り過ぎた所で、アンソニー・ホプキンスが家庭を捨てて、若い女性に走る辺りが、本作に似てなくもないような。。
 この映画、ユニクロが協賛しているようで、もしかしてユニクロの宣伝作品?と思うような場面も。これも世界制覇作戦の一端かしら?
  
 舞台は久々にニューヨーク。ノーベル賞候補にまでなったことのある頭脳明晰な物理学者ボリス(ラリー・デヴィッド)ですが、理屈っぽい皮肉屋で人間嫌い。現代社会と人間に失望し、世をはかなんで自殺を図ったものの失敗、続いて離婚。
 今や近所の子供たちにチェスを教えて小銭を稼ぎながら、カフェで仲間相手にくだを巻く毎日でしたが、ある夜、食べる物も寝る所もなく震えている若い家出娘メロディ(イヴァン・レイチェル・ウッド)を見つけ、数日間(のつもりで)自宅に泊めてあげます。
 まだ高校生のようなメロディは、無邪気で陽気な性格。初めは彼女の存在を煙たく感じていたボリスでしたが、自分とは正反対の無教養で純粋なメロディを相手に偏狭な自説を説くうち、次第に惹かれて行きます。
 無垢なメロディもボリスのあふれる知識やネガティブな哲学を刷り込まれるうちに、彼こそ運命の人だと思い込むようになり、やがて二人は結婚へ。

 一年後、不釣り合いながら楽しく暮らす二人の元にメロディの母親マリエッタ(パトリシア・クラークソン)が訪ねて来て、夫(メロディの父親)が、自分の親友と駆け落ちしてしまったと泣きつきます。
 やっと探しあてた一人娘が遥か年上のボリスと結婚していることに憤慨するマリエッタですが、またたく間にボリスの友達レオと恋仲に。
 同時にマリエッタは、メロディに一目惚れした好青年と娘の縁結びに奔走。幸せな新婚生活を送っているつもりのメロディを揺さぶります。
 そんな折り、駆け落ちに失望したメロディの父親まで、娘と妻を探しに現れたから、話はややこしくなって。。

 無邪気で世間知らずな娘と、強い自負心を抱えながら人生を斜に構えている中年男性とのラブコメディならありがちだから、初めは、中年男が孫のような田舎娘を教育しながら恋に落ちるというピグマリオン風かと思いましたが、さすがにウディ・アレン。もっと複雑、かつ何でもありの展開で、飽きさせません。
 監督自身を反映させたようなボリスのシニカルな人生訓がそれなりに興味深いし、ボリスの偏った哲学に染まって行きながら、持ち前の成行き任せ的楽天主義を失わずにいるメロディを好演しているイヴァン・レイチェル・ウッドが可愛いです。
 ボリスの厭世観や偏屈な哲学に反して、作品自体のメッセージはあくまでポジティブ。人間、幾つになっても何があるかわからない、思いがけない出会いがあったり、隠れていた才能が見出されたり、年齢を重ねても可能性は常に目の前にある、と唱えていて、元気が貰えます。
 フランスでもメディア評、観客評共にかなり好評だった作品だし、サービスデイのガーデンシネマは、あっという間に満席となっていました。でも、私は「クリスマスストーリー」のマチュー・アルマナックとメルヴィル・プポーが観たかったのよ。後ろ髪惹かれながら、恵比寿を後にしたのでした。
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by cheznono | 2010-12-23 01:10 | 映画

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  この夏、マンハッタンの高級ブティックやエンパイヤーステートビルなど、ニューヨークのあちこちでナンキン虫が繁殖して大騒ぎになった、という報道から3ヶ月経った11月末、ちょうどパリのホテルに泊まっていたら、ニューヨークのナンキン虫がパリに上陸したというニュースが流れたので青くなりました。
 だって、まずナンキン虫騒動に震え上がったのは、米国人旅行者の利用が多いパリのホテルというではないですか。ナンキン虫が一度ベッドやシーツに取り憑くと、もう始末に負えないそうで、個人で駆除するのはものすごく難しいとか。何せメスの生む卵は500個にも上るため、その繁殖力は推して知るべし。
 よって、パリ市の衛生局も対処に乗り出し、既に600件以上駆除しているし、害虫駆除業者の電話は鳴りっぱなしで、大忙し。今やホテルだけじゃなくて、パリの普通のアパルトマンがナンキン虫の恐怖にさらされているなんて、そら恐ろしい。
 駆除業者によると、汚いアパルトマンから高級住宅街のきれいな住宅まで、ナンキン虫は所を選ばず広がっているようです。ベッドに取り憑くナンキン虫はまさに小さい吸血鬼で、さされると一週間は絶えられないようなかゆみに悩まされるのが特徴。
 ナンキン虫は温度が13℃以下だと活動を停止するらしいのですが、雪に見舞われた寒いパリでなおも話題になるのは、たいていのアパルトマンがセントラルヒーティング利用で室温が高いためでしょう。
 もちろん、既にパリだけでなく南仏トウールーズを初め、ナンキン虫はフランス中あちこちに出没しています。
 加えて、子供の頭にたかるシラミも増加中らしく、学校でシラミを移された子供に親がいくら除菌シャンプーを使っても効果が見られなくて、困りきっているという話も。シラミに耐性ができてしまって、市販の虫除けシャンプーではなかなか駆除できないのが現状なのだとか。
 なんとフランスの子供の30%が、シラミの保持者というから、旅行者だって人ごとではすまなくなるかも知れません。
 こうなると、うっかりTGVの背もたれに頭をつけることもできないじゃないの?と思いますが、やっぱり電車や飛行機などの乗り物は、ナンキン虫やシラミが移動する格好の場所なので、用心するようにと報道されています。
 しかし、どうやって避ければ良いのでしょう?頭にシャワーキャップをかぶってTGVに乗るわけにも行かないし、防護服を着て飛行機に乗るわけにも行かないのに。パリに劣らずニューヨークとの行き来の多い東京に、ナンキン虫が上陸していないと良いのですが。。
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by cheznono | 2010-12-16 01:47 | 不思議の国フランス