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水曜日のエミリア

b0041912_188533.jpg 帰国後初の映画は「水曜日のエミリア」。どちらかと言えば評価の高いサスペンス「アリス・クリードの失踪」が観たかったのですが、こちらも意外に奥行きのある複合家族の再生物語でした。
ドン・ルース監督による米国の人気女性作家の小説の映画化。主演のナタリー・ポートマンが製作指揮も受け持っています。フランスでは劇場公開しないで、テレビ映画として放送されました。

 ハーバード大学を卒業し、弁護士となったエミリア(ナタリー・ポートマン)は、弁護士事務所の上司ジャック(スコット・コーエン)と恋に落ち、やがて妊娠。既婚者だったジャックは、精神科医の妻と離婚して、エミリアと生まれて来る子供との生活を選びます。
 望んだものを全て手に入れたかに見えたエミリアですが、生まれて来た娘はあえなく天国へ。強い喪失感に苛まれるエミリアは、夫の連れ子で利発なウィリアムの言動やその裏に見え隠れするジャックの元妻のあてこすりに神経を逆撫でされ、切れまくる毎日です。
 それでも、何とかウィリアムの心をとらえようと努力するエミリア。そんな折り、娘の死を引きずるエミリアを慰め、励ますべく、自身も流産を経験した親友がセントラルパークで行われる夭逝した子供を持つ家族のための慰霊マーチに誘います。
 初めは気乗りのしなかったエミリアも家族三人で参加することになり、当日セントラルパークに向かうと、なんと自分が子供の時に離婚した両親もやって来ていました。
 判事だった父の女好きに泣かされた筈の母親なのに、再び仲良さそうな両親を目にしたエミリアは、カッとなって父親に激しい言葉を投げつけます。そんなエミリアの態度に、夫ジャックも愛想を尽かしてしまうのでした。

 美人で頭がよく、エリート人生を歩んで来たエミリア。ついには他人の夫まで手に入れたのに、夫の離婚・再婚への切り札だった赤ちゃんの突然死以来、どうしようもない喪失感と挫折感に支配されてしまい、自分では感情のコントロールができないほどに。
 そんなエミリアのぎすぎすした言動や態度を理解するのは困難ですが、エミリアの感情の揺れを間近で受け止めざろう得ないジャックとウィリアム父子がかなり良い味を出しています。特に8歳のウィリアムは、両親の離婚と新しい母親というドラスティックな環境の変化があったにもかかわらず、幼いながらも機知に富んだセリフでエミリアに応酬。欧米の子供は成長が早いと言うけれど、小さい時からこうやって鍛えられているせいなのでしょうか?

 「君は愛する者に厳しい」というジャックの言葉にドキッとさせられます。確かに、家族やごく親しい人たちには心を許していることもあって、つい言い過ぎたり、きつい言葉をぶつけてしまうことがありがちかも。
 エミリアが抱えていた《秘密》の真相が明らかになった時、一皮むけて成長した彼女がそこに。登場人物みんなが、新たな気持ちで前進して行くことが期待できるラストでした。 
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by cheznono | 2011-07-17 18:15 | 映画