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さすらいの女神たち

b0041912_2352438.jpg 公開を楽しみにしていたマチュー・アマルリック監督主演作品「さすらいの女神(ディーバ)たち」。何せ私の好きなマチュー・アマルリックが去年のカンヌで最優秀監督賞を受賞した映画なので、気合いを入れて観に行きました。
 最近パリでも話題になっているニュー・バーレスクショーの華やかさと、好き勝手に生きてきた中年男の悲哀とのコントラストが際立つ作品です。

 かつては人気のTVプロデューサーだったジョアキム(マチュー・アマルリック)ですが、パリにいづらくなって渡米。数年後、アメリカからニュー・バーレスクのダンサー達を引き連れてフランスに戻って来ます。
 ニュー・バーレスクとは年齢も体型もさまざまなダンサーが、それぞれが自分で工夫した演出で歌って踊るストリップ系のエンターテイメントのこと。女性の身体は自分達のもの、自分自身がその身体を存分に楽しませなくてはというコンセプトのもと、ノルマンディーのナイトクラブを皮切りに、彼女達はフランス各地でのショーを大成功させます。

  しかし、ジョアキムの組んだ巡業ツアーはなぜか大都市をはずして中小の港町ばかり。アメリカ人ダンサー達はパリでの公演を楽しみにしますが、実現できるかどうかおぼつきません。
 ジョアキムは、自分を業界から追放した仲間に一矢を報いたく、パリへ凱旋することを必死で画策するのですが、何せ資金がない。加えてその自己中心的かつ嫌味な性格が災いして、かつての同僚や大先輩、元愛人から次々とそっぽを向かれてしまいます。
 ダンサー達には虚勢を張ってみせるジョアキムですが、八方塞りに焦るばかり。自主独立精神に富むダンサーたちともしっくり行かなくなるのですが。。  
 
 才能はあるけれど周りはかなり迷惑、それでもどこか憎めない自分勝手な男をマチュー・アマルリックが実に楽しそうに魅力的に演じています。
 ジョアキムの本質を見抜きながら、自信と包容力で受け止めるダンサーのミミと彼女がふっと見せる孤独な陰がジョアキムのそれと呼応するあたりが印象的です。

  この映画で観客の男も女も湧かせるダンサー達は、みな現役のニュー・バーレスクのダンサーで、普段は個人で活動しているのだとか。今は女性だけでなく、男性の活躍も目立つというだけあって、この映画でもルイ14世のストリップが大うけしていました。
 実際にフランス中を公演して回ったニュー・バーレスクのサイト。
http://www.cabaretsnewburlesque.com/
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by cheznono | 2011-10-15 00:01 | 映画

ゴーストライター

b0041912_0575783.jpg ロマン・ポランスキー監督が昨年のベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した話題のサスペンス、「ゴーストライター」。大西洋に浮かぶ寒々とした孤島で展開するストーリーは緊張感にあふれ、まるで自分も殺伐とした島内にいるかのような気持ちにさせられます。
 「戦場のピアニスト」とは全く違う手法ながら、これも一種の反戦映画スリラーと言えるかもと思いながら、最後まで食い入るようにスクリーンを見つめていました。

 いつか本物の作家になりたいと願いつつ、ゴーストライターに甘んじている青年(ユアン・マクレガー)が、元英国首相アダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自叙伝を1ヶ月で書き上げるという仕事をゲットします。
 破格の報酬を約束されたゴーストライターは、アメリカの孤島にあるラング元首相の別荘に招かれ、ラング夫人ルース(オリヴィア・ウィリアムズ)と秘書のアメリア(キム・キャトラル)の半ば監視下で、ラングについて取材を開始。
 しかし、元首相の忠実な右腕とも言われた前任者マカラが不可解な状況で溺死したこと知ったゴーストライターは、滞在先兼職場である別荘の居心地の悪さに加え、ラング自身とのインタビューでも違和感を感じます。
 そのラングは、イラク戦争中にイスラム系テロ容疑者を拷問にかけるべくCIAに加担した疑いがあると告発されていました。
 ケンブリッジ大学時代、政治には無関心だったというラングの言葉に矛盾を見出したゴーストライターは、前任者の死に深い疑問を抱くようになり、事実を探ろうとします。
 そして、かつては熱心な学生党員だった筈が、今や政治への関心よりも夫と秘書アメリアの関係に神経を尖らせているルースと心ならずも接近して行くのですが。。
 
 共同脚本も手がけた原作者ロバート・ハリスは、BBCの政治記者を経てトニー・ブレア元首相の就任中、首相の近くにいたという人物。だからこそ、アメリカに追随してイギリスをイラク戦争に巻き込み、多くの英国兵を犠牲にしたかどで告発されたブレア元首相をモデルにした政治スリラーには信憑性が感じられるような。。
 フランスではまるでブッシュのプードルと揶揄されたブレア氏、果たしてこの映画を観たでしょうか?

 ルースから女性関係のことを聞かれたゴーストライターが、過去に恋人以上パートナー未満の女性がいたと答えますが,うーむ?と考え込んでしまいました。原作では恋人も登場するそうなので、手にする機会があったら読んでみるつもりです。
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by cheznono | 2011-10-05 01:10 | 映画