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人生はビギナーズ

b0041912_0553717.jpg ニースで半ばお付き合い気分で観たマイク・ミルズ監督の私小説的映画:人生はビギナーズ。地味ながら、笑って泣かせてくれる意外な掘り出し物で、死について、とりわけ肉親を失うことに関していろいろと考えさせられます。アメリカ映画ですが、フランス映画を思わせるような作品です。

 米国西海岸に暮らす38歳のイラストレーター:オリヴァー(ユアン・マクレガー)は、幾つかの恋を経て、今は父から譲られた愛犬アーサーがパートナーの内気な青年。
 その父と44年連れ添った母親が他界し、落込んでいる筈の父親ハル(クリストファー・プラマー)から、実はゲイであることを告白されたオリヴァーは、動揺を隠せません。父にとって母との結婚生活はいったいなんだったのか?
 一方、75歳のハルはそんな息子の複雑な心境も何のその。残りの人生を楽しむべく、積極的にパーティに顔を出し、若い恋人を作って愛を育みます。

 しかし、ハルの身体は末期がんに蝕まれていました。余命を知りながら、気持ちを明るく保ち、人生を謳歌することに積極的なハルに、オリヴァーも父への理解を示し、同時に人間関係に臆病だった自らの姿勢を見直し始めます。

 ハルの最後を看取ったオリヴァーは、喪失感に打ちのめされますが、フランス生まれの風変わりな女性アナ(メラニー・ローラン)と出会ったことで恋愛の楽しさを再発見、二人は仲を深めて行きます。
 思い切って同棲に踏み切る内気なオリヴァーと変わり者のアナ。でも、いざ共同生活を始めたら、二人はどこかしっくり行かなくなってしまい。。。

 長い間、自分の性癖を抑制して働き者の良き夫を演じて来たハルが、内なる葛藤を経て、人生の終幕に自分本来の生き方を実行する姿をクリストファー・プラマーがユーモアたっぷり、楽しそうに演じています。
 そんな父にとまどいながらも理解しようと務め、勇気を持って不治の病に向き合う父親と気持ちを通わして行くオリヴァー。死を意識した父との語らいが、今ひとつ不器用な自分の私生活も勇気づけてくれて。

 映画の最後にタイトルの「ビギナーズ」の意味が生きて来ます。でも、邦題の「人生は」は明らかに余計では?

 何はともあれ、愛犬アーサーを演じるジャックラッセルテリアが最高です。犬のアカデミー賞にノミネートされるのもむべなるかな。有力候補の「アーティスト」のアギーもジャックラッセルだし、そもそもジャックラッセルは芸達者な犬種のかしら?
公式サイト:http://www.jinsei-beginners.com/
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by cheznono | 2012-02-14 00:58 | 映画